野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット



くさいはうまい

発酵学・微生物関連を専門とする農学博士によるすごすぎる体当たりエッセイ。
発酵の神秘が見られます。

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印象に残った部分を抜粋

甘酒

甘酒の季語は今でも夏→江戸の夏の暑さは大変厳しく、体力が落ち、その暑さに勝てずに老人や病弱者は夏を越すことができず、亡くなる人が多かった。そのようなときの甘酒の一杯は、体力回復に即効性があったのだと思う

味噌

本来固形状のこの調味料は「なめ味噌」という惣菜としてのカタチだった
味噌に含有されているタンパク質は麦みそで10%、豆味噌で18%前後と豊富
日本人に不足がちのビタミン類やミネラル類も豊富に含まれている

漬物

日本での漬物の初見は、奈良時代後期
日本の漬物の代表といえばぬかみそ漬け。発酵したぬかに根菜を漬け込むことにより、微生物によって分解されたぬかのさまざまな成分が漬け込んだ材料に浸透して、まことに風味豊かな野菜に変えることができる。ぬかにあった豊富な栄養成分、とりわけ無機質やビタミン群も根菜に吸収されるうえ、発酵の際に微生物群によって新たに生成されたビタミン類も根菜に吸収されます。漬け床は管理すれば連続発酵可能。

パン

実はパンの老化では、保存する温度が低いほど進行する
短期間にパンを保つためには冷蔵庫に入れず、常温の暗い場所で。

糸引き納豆

煮ただけの大豆に比べ、糸引き納豆にはビタミンB2が10倍も増加しています。
糸引き納豆の栄養価としての最大の特徴は、豊富なたんぱく質にあり、遊離アミノ酸も発酵前の大豆に比べて比較にならないほど増加しているので、栄養価値が極めて高い
納豆のうまみのもとはグルタミン酸。カルシウム 90mg/ 100mg、リン 190mg 、カリウム 660mg と、ミネラルも豊富

アメリカのバーモント州には昔から罹病率が低く長寿者が多かったのですが、これは、この地方特有のリンゴ酢と蜂蜜を混ぜた「バーモント酢」のためではないか、と言う考え方が起こる。調べてみたところバーモント酢愛好者の多くが、酢を飲まない人に比べて肉体疲労度が少ないことなどがわかった。

人の疲労の原因の一つに、筋肉を中心とした体内の乳酸の蓄積がある。このとき、酢酸を体内に入れてやると、TCA回路の循環を活発にし、ピルビン酸が乳酸に変化せず、分解されてしまうことがわかった。
つまり、酢には人の疲れのもととなる乳酸を消してしまう効果がある。

★一度、煮立たせて少量の焼き塩を加え、火からおろして冷ましたのは「煮返し酢」。
★酢と醤油とを等量に合わせてから煮冷ましたのは「合わせ酢」。
★酢と塩、またh酢と醤油とを適宜に合わせたのが「二杯酢」。
★二杯酢に酒または味醂を加えたのが「三杯酢」。
★酢に砂糖を加えてから煮冷ましたものは「甘酢」。
★ゆでたほうれん草の葉先をすり鉢ですり潰し、酢に溶きのばしたのは「青酢」。
★ゆでた卵黄を潰して酢に溶いたものは「黄身酢」。
★昆布を焼いてすり潰したものに酢を加えて溶きのばしたものは「黒酢」。
★たでの葉をすり潰して酢に溶いたものは「たで酢」。

チーズ

一般にチーズには、タンパク質と脂肪が20-30%も含まれていますので、カロリーやエネルギーに大変富んだ滋養食品です。
チーズの栄養的特性としては、ビタミンAとビタミンB2、それに無機質(ミネラル)の優れた供給源となっている。
ビタミンAの場合、原料の牛乳に対して10-20倍以上

乳酒

乳酒の代表的なものはカフカス地方に伝わる「ケフィア」で、牛乳、ヤギ乳、羊乳を原料とし、乳酸菌と酵母で15度で約三日間発酵させたもの。
アルコール分は1%前後で、酒と言うよりはヨーグルトに近いドロドロ凝固酒。
ドロドロとした発酵物の中に生きた乳酸菌が非常に多量に生息しています

ヨーグルト

原料の牛乳に由来する良質のたんぱく質が豊富なうえに、発酵されることで消化吸収は抜群によくなっている
ビタミンB2(成長の促進)、葉酸(ビタミンMと呼ばれる造血因子)が顕著に多い
乳糖不耐性症の防止、癌抑制効果、発酵中に乳酸菌が生成したペプチドという物質が生体機能を強化していること、血中コレステロール排除の効果などが報告されています。
大量の乳酸菌が体内に取り入れられた場合の、有害腸内最近の体外排除や整腸作用効果は最も知られたところ。

発酵茶

ウーロン茶は半発酵茶。
あの赤褐色の色(紅茶にもあるが)は、茶成分の一種であるタンニンが生葉のポリフェノールオキシターゼという酵素により酸化され、生じるもの。
紅茶も酵素による発酵茶にあたる。
日本に現存する唯一の微生物発酵茶が高知県の「碁石茶」。

蒸した穀物に麹菌(麹カビ)が繁殖してできた素晴らしい発酵食品
麹の存在なくして日本の食文化は語れない。
ある研究によると、麹というあの小さな一粒の中になんと400成分もの物質が詰め込まれているそう。麹という日本特有の発酵物を日本人はもっと利用するべき

ナタデココ

フィリピンのルソン島でつくられている発酵食品。原料のココナツの実を割って、コプラをつくるときに出る果汁を原料とする。
成分の大半が繊維素であるため、便通を良くし、発酵しているので菌体のたんぱく質も豊かで、その上、さまざまなビタミン類を多く含んでいます。

ピクルス

ピクルスは、発酵によってつくるものと、発酵させずに酢やワインなど保存性のある液に漬けたものと2種に分かれます。

ニンニク

ニンニクのうま味の原点を知ろうとするならば、こんがりと串焼きにした熱いままをフーフーいってほおばることにあろうかと存じます。

ニンニクを主材にした素朴な酒の肴を一品伝授申し上げましょう。
フライパンにバター大さじ1杯をのせ、バターがジュクジュクと溶けだしたらニンニクの粒(薄皮をはいだ白い玉)を20個ほど入れて表面がうっすらとキツネ色に色づいて焦げ始める程度まで加熱します。フライパンから引き上げる直前に塩、コショウ、刻みパセリを少々振って調味し、器に盛る。ニンニクのよさをそのままに味わえる感激もの。これにあさりのむき身を加えて一緒に炒め焼きするとよい

北海道の味覚の一つに行者(ぎょうじゃ)ニンニクがあります。ユリ科の多年草。初夏に30メートルほどの花茎を出す。別名をアララギ、ヤマアララギ。深山の樹下に生じ、地下にラッキョウに似た鱗茎をもち強臭を放つ。
この行者ニンニク、生のままで放つ臭気は、ネギ、ニラ、ニンニクの類では最も強烈で、おそらくニラ、ニンニクと比べて2倍は臭いと考えてよい。
ところが味は大変上品で、特に調理後の甘味の広がりは素晴らしい。他のねぎにら類に比べて断然醤油との相性が良い。歯ごたえもニラ、分葱に劣らぬ腰の強さをもっている野草

白ねぎ

私の最も好きなネギの楽しみ方は、まず「串焼き」で、白根の部分を4,5センチほどに切り、これを15センチほどの竹串に4,5個ほど刺してごま油をぬり、一度両面をあぶってからその片面に練り味噌を刷き、さらに焦げ目がつくくらいまで焼いてから皿にとる。粉山椒をまいて熱いうちに食べる

分葱

根元が多くの株に分かれたネギという意味で、長ネギほどの強い臭気はなく落ち着いた感じのオシャレなネギ。たいていは薬味として使われる。茹でて食べるときには茹ですぎは現金。最も美味しい食べ方は、やはりアサリのむき身との「ぬた」で、塩を加えた湯にさっとくぐらせるだけ。

浅葱

浅葱はエゾ葱または糸葱ともいい、春、日当たりの良い土手などにヒョロヒョロと伸びてきます。ラッキョウを小さくしたような白い小さな玉を根茎とし、生のまま味噌をつけて食べると強い臭気と辛味が口に広がります。
浅葱の薬味はフグ刺しと実によく合う。

大根

古くから伝わる大根の薬効は咳止め、痰切り、のどの腫れ、風邪などに効くとされ、日射病での高熱のとき、おろした大根を足の裏につけると不思議に解熱効果があるといいます。

漆塗職人が冬になって漆の乾きにくいのを欺いているとき、大根のゆで汁を風呂に霧で吹くと、非常によく乾くことを発見し、そのため、冬はいつも大根のゆで汁だけを用いて、不要の大根は近所へ配ったとのことから「風呂吹き大根」の名の起こりがあります。

パパイヤ

気に実る瓜だから和名は「木瓜(もっか)」ともいい、南アメリカ原産。16世紀にスペインの探検隊によって発見され、以後カリブ海や東洋にまで広がった。
世界最大の生産国はスリランカ
未熟な果実の表皮に傷をつけると乳液が出てくる。タンパク質を分解するプロテアーゼと言う酵素をもっていて、この乳液を凝固・乾燥させた製剤は、「パパイン」と称して消火剤となったりしている。
樹上で完熟したものには臭みがあまりなく、味も格別。パパイヤの天ぷらも美味。

珍しい発酵食品

カナディアン・イヌイットのきわめて珍しい発酵食品に「キビヤック」というのがある。巨大なアザラシの腹の中に何十羽という海鳥を詰め込み、そのアザラシを土の中に埋めて発酵させるという、地球最大のダイナミックな漬物

究極のアロマテラピー

マンデイエンシャンチュウ(満殿香酒)という中国の酒。百年前まで、貴州省の貴陽市周辺でつくられていた酒。今では幻の酒。

お酒の効能書き→
就寝前に必ず一杯飲みなさい。5日過ぎると、あなたの身体からお香のにおいが発する。
10日過ぎると、あなたが風上に立つと、風下に芳香が漂っていく。
15日続けて飲むと、住んでいる家にまでにおいで染められる。
30日続けて飲むともう明日から飲む必要はない。なぜならば、あなたの体の中にあった病気が全部治っているから。

実際二杯ほど飲んで寝たところ、翌日の朝には小便からお香のにおい。汗にもお香のにおいが移っていた。

その他

発酵という底知れぬほど深い叡知

納豆は血栓を溶解し血圧を下げたり正常にしたりする
インドネシアの「テンペ」という発酵食品を食べている人には、クモ膜下出血や脳溢血を起こす人が少ないことも報告されている

Hiroのメモ書き

著者の小泉先生のすごいところは、自分でちゃんと体験しているところ。

巨大なアザラシの腹の中に何十羽という海鳥を詰め込み、そのアザラシを土の中に埋めて発酵させるキビヤックを自らの口で味わっているので、それはもう説得力があります。すごいです。

個人的にニンニクのお話しが良かったです。北海道の行者ニンニクにもまだ出会ったことがないので、いつか小泉先生のように北海道に行って、食べられればいいなと思いました。

良書。

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