野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

【書評】フルーツ・ハンター 果物をめぐる冒険とビジネス (アダム・リース・ゴウルナー著)

   

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世界中の珍しい果物を求めて旅をしたカナダのジャーナリスト、アダム・リース・ゴウルナーによる本「フルーツ・ハンター 果物をめぐる冒険とビジネス」を先日読み終わったので、感想などを備忘録として記しておきます。

本の中で特に気になった果物3つも紹介したいと思います( ◠‿◠ )

 

アダム・リース・ゴウルナー著「フルーツ・ハンター 果物をめぐる冒険とビジネス」について

IMG_1786(この表紙にのっている果物、全部言えますか?)

2009年5月31日にカナダ版発行、2009年10月には日本版が発行されている「フルーツ・ハンター 果物をめぐる冒険とビジネス」。皆さんは本屋さんや図書館で見かけたことがありますか?

野菜ソムリエHiroはたまたまカナダの果物について調べていたところ、この本を見つけたんです。

英語版のペーパーブックでは全く読む気がしなかったので、日本に一時帰国するという元同僚に頼んで日本語版中古をAmazonで買ってきてもらいました。(なぜか北浦和図書館のシールが貼ってあった・・・汗)

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著者のアダム・リース・ゴウルナーさんはカナダ・モントリオールのジャーナリストで、ニューヨークタイムズなど有名な媒体に寄稿しているすごい方。かの有名な VICE の元編集者という肩書きもあります。

このフルーツハンターは彼の初となる書籍で、 McAUSLAN FIRST BOOK AWARDという賞も受賞しています。

世界的にヒットを記録した楽曲「1234」で有名なカナダ出身シンガーソングライターの Feist(ファイスト)はこのフルーツハンターについて以下のように語っています。

“A beautiful and evocative book… Adam Leith Gollner is a crazy good writer. ”
(意訳)美しく刺激的な本です・・・。アダム・リース・ゴウルナーはクレイジーなくらいいい作家です。

アダム・リース・ゴウルナー オフィシャルサイト

 

フルーツハンターの本の内容は、上の動画を見ればもう分かるのですが、日本や北アメリカで普通に生活していると知らないような果物を追い求めて、著者が自ら旅をするというもの。

聞いたことがないような果物が1ページめくるたびに登場(大げさだけど、あながち嘘ではない)するようなワクワク感がありました。例えば、以下の果物、皆さん知ってましたか?

■ ピニャ・コラーダ味のマンゴー
■ オレンジ色のホロムイイゴ
■ 白いブルーベリー
■ パンプキンパイのような味わいのクローブ・リリー・ピリー
■ アイスクリーム・ビーン
■ バナナのアイスクリーム種

カリフォルニアでは高値で販売されているという白いアプリコット「エンジェルコット」についても本書で出てきました。以下は著者が実際にインスタグラムにポストしている写真。

また、果物に関するマーケティングや神話、果物しか食べない人(果食主義者)についても深く書かれていて、「あ~、自分の足で見てきたものに加えて、ものすごい文献の量を調べてこの1冊にまとめたんだな~」というのがよく分かります。

単純に知らないものを学ぶときのワクワク感がページをめくるたびに味わえたので、果物に関わる仕事をしている方はもちろん、そうではない人が読んでも楽しめる内容になっているかと思いました。

 

フルーツハンターを読んで特に印象に残った果物3つ

それではここで、個人的に本の中で特に印象に残った果物3つを紹介したいと思います。

1.世界最大の種子 オオミヤシ(Coco de mer)

フルーツハンターの本の中で、特に大きく取り上げられていた果物の一つにオオミヤシ(現地では Coco de mer と呼ばれる)があります。

世界最大の種子ができるヤシで、その種子はまるで女性のカラダにそっくりなんですね~。そのため、 Butt Nut (お尻のナッツ)という別名も。

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Coco de mer! #asstwin #cocodemer

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インド洋にあるセーシェル諸島のプララン島とキュリーズ島にだけ自生しているオオミヤシの木はそもそも数がそこまでなく、2005年の調査では、年間に熟すオオミヤシの果実は1,769個とのこと。

垂れ下がった雄株の花序は男性の性器、女性の乳房のような雌花、お尻みたいな種子など、人間になぜかよく似ている特異なカタチも手伝って、乱獲や種子を何とか手に入れようと世界から密猟者がやってくるそうです。

フルーツハンターではやっとの想いでオオミヤシを食べることができた内容が描かれています。どんな味がするのかは本書で確認してみてください。

 

2.ミラクルフルーツ(Miracle Fruit)

miracle

このブログでも以前まとめた酸っぱいものが甘く感じるようになる奇跡ともいえる果物、ミラクルフルーツについても大きく紹介されていました。

とても小さな赤色の果実を舌で転がすようにして食べることで、その後約1時間くらいはレモンなどが甘く感じてしまうんですよね。

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Kecil tapi ajaib… #Miraclefruit #ajaib #unik

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フルーツハンターの中では、ミラクルフルーツが単純にどんな果物なのかを紹介するだけではなくて、ミラクルフルーツを使ってビジネスをしようとした人がどのように苦労して、どのように失敗して会社が破綻したのかが細かく記述されています。

そのストーリーがけっこう残酷なんですね・・・。フルーツハンターを読むと、ミラクルフルーツについての見方が少し変わると思います。

また、上の動画では、著者自身がミラクルフルーツの魅力についてテレビショーで語っているので、英語が分かる方はぜひチェックしてみてください。

司会の女性がミラクルベリーを食べた後にライムを食べて驚く姿を見ることができます。ライムをかじりながら、「もっとライム持ってきて!」なんて言ってます(笑)

 

3.グレイプルりんご(Grapple Apple)

IMG_7181(カナダの八百屋で購入した Grapple)

3つ目はリンゴなのにブドウ(コンコードグレープ)のような味がするグレイプル。(野菜ソムリエHiroは昔グレイプルをグラップルと呼んでいた恥ずかしい経験あり)

遺伝子組み換えではないリンゴが使用されていると言われているのですが、製造法が謎に包まれているこの果物の謎を解き明かそうと、著者がグレイプルの発明者であるゲーリー・スナイダーさんに迫っていました。(2002年発明)

結局のところ、本人の口から具体的な製造法が明かされることはなかったのですが、リンゴの品種「ガラ」or「ふじ」に人口のブドウ香料をつける工程があるのは公にされています。

IMG_7191(見た目は普通のリンゴのグレイプル)

本書で面白かったのは、そんな謎が多いグレイプルの製造方法を著者の想像で見事に解説しきっていることです。

それがけっこう信頼できるというか、的を得ているので、フルーツハンターを読むと「あぁ、きっとこの製造でグレイプルが作られているんだろうな。」って思うこと間違いなしです(笑)

グレイプルについては、過去にも取り上げたので、記事をチェックしてみてください。

 

まとめ:世界の果物を知るきっかけに最適

いかがでしたか?今回紹介した果物は、フルーツハンターの本の中でごく一部分ですが、知らない果物があったのではないでしょうか?

最後になりますが、世界には何千何万種という果物があって、普段のスーパーや八百屋で見かけるのはせいぜい数十種類くらいですよね。だから、フルーツハンターを読むと、すごく知らない世界を旅している気分になれるし、自分が井の中の蛙なんだって気付かされるんですよね。

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野菜ソムリエHiroも今まで果物についてはそれなりに知っていると思っていたのですが、全然そんなことはなかったんですね~(笑)知らない果物が大半でびっくりしました(笑)

そして、こんな記事を書いている今も世界中で新しい品種がどこかで生まれ、それを知らずに生きている自分がちょっと悔しくなってしまったのでした(´;ω;`)ウゥゥ

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This is what wild cucumbers look like #prickly

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ということで、珍しい果物がたくさん登場するフルーツハンター!

2009年10月に日本版が発行されてから既に10年が経とうとしていますが、2019年の今読んでも知らないことばかりだったので、新たな果物の世界を覗くためにぜひ一度読んでみてください。

↓本はAmazonで買えますよ~( ◠‿◠ )便利な世の中~!


フルーツ・ハンター―果物をめぐる冒険とビジネス


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