野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

アケビ (著 : 牧野 富太郎)

      2016/11/06

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※青空文庫のアケビについて書かれた本を読んだので、印象に残った部分をピックアップさせていただきます。


■ ふつうのあけびの芽だちの茎と嫩き葉とを採り、ゆでてひたし物とし食用にする。これを蒸し乾かしお茶にして飲用する。

■ わが邦東北の諸国にてあけびといえば、そこに多いこのみつばあけびのみで、そこでは単にあけびと称える。ゆえに主として東北地方から産出するその「バスケット」を、あけびの「バスケット」と呼ぶのも無理はない。

わが日本にはふつうあけびに二種(いま別にあいの子の一種があれど)あって、一般にはこれらを通じてあけびといっている。今日の植物学界ではその中の五葉のものを単にあけびと称え、他の三葉のものをみつばあけびと呼び、かようにそれを二種に区別している。果実はみつばあけびの方がその皮の紫が美麗でかつ形が大きく、食用にはこの方がよい。

■ その実の形は短い瓜のようで、熟すると図に見るようにその厚い果皮が一方縦に開裂する。始めは少し開くが後にだんだんと広く開いてきて、大いに口を開ける。その口を開けたのに向かってじいっとこれを見つめていると、にいっとせねばならぬ感じが起こってくる。その形がいかにもウーメンのあれに似ている。

■ 中の果肉を食ったあとの果皮、それは厚ぼったい柔らかな皮、この皮を捨てるのは勿体ないとでも思ったのか、ところによればこれを油でいため、それへ味をつけて食膳に供する。

紫の皮の中に軟らかい白い果肉があって甘く佳い味である。だが肉中にたくさんな黒い種子があって、食う時それがすこぶる煩わしい。

■ 野山へ行くとあけびというものに出会う。秋の景物の一つでそれが秋になって一番目につくのは、食われる果実がその時期に熟するからである。


 
あけびって食べづらいし、ちょっと中の見た目が気持ち悪いと思ってしまうので、そんなに大好きと言えるものではないのですが、秋を感じ旬を味わえる果物のひとつだと考えると、これからもひっそりと人気であってほしいと思うのでした。

 

 - あけび,