クレオパトラも好んだ驚異の栄養価!「モロヘイヤ」まとめ
2016/12/30
栄養素の塊。じっくり調べると、恐ろしい野菜だということがわかる。
歴史
原産地は中近東。もともとは熱帯・亜熱帯で年間を通して自生していた野生植物。
人の手による栽培の歴史も深い。エジプトを中心としたアフリカ東北部や中東、いわゆる東地中海地方で、古代ギリシャ以前から栽培されていたそう。
エジプトでは、古代エジプト時代から、元気のつく野菜として、誰もが「王様の野菜(ムルーキーヤと呼ばれた)」「宮廷の野菜」の名で親しんできた。
「ファラオの墓の壁画に、モロヘイヤの料理法が描かれている」という言い伝えもある。
フィリピンのイロカノ族の間でも大変に珍重され、食べると長生きできる「神の恵みの野菜」として、伝えられている。
古くから薬味や毒消しとして利用されている。
古代エジプト人がどのような料理でモロヘイヤを食べていたのかは、実は不明。
1962年からおよそ7年半の間、カイロに滞在していた飯森嘉助によって、日本に紹介された。
アラビア語で「王様だけのもの」。クレオパトラも好んだといわれる。
産地
下エジプトにおいては夏場中心の栽培。気温の高いエジプトでは、
年間通しての栽培可能。
日本では、島根、千葉、埼玉などの比較的温暖な地域の農家が栽培を始めた。
主な産地は、群馬、三重、秋田などらしい。
時期
7月から9月
見分け方
葉がみずみずしいもの、やわらかいもの。シャキッとしているもの。切り口が変色していないもの。
栄養
とりわけ、βカロチン(パセリやにんじんと比べても、1.5倍)や食物繊維(ほうれん草の2.5倍)が驚くほど多い。カルシウムも、ナンバー1の含有量(ほうれん草の7倍)。野菜の中で最高値のビタミンB1が含まれる。ビタミンB2は他の緑黄色野菜に比べて、桁違いに高い。(トウガラシが0.37mg)
以下(100g中)
鉄分2.7mg(ほうれん草が3.7mg、小松菜が3.0mg)
ビタミンC 62mg(オレンジより多い)
カリウム 920mg
カルシウム410mg
ビタミンB2 4.95mg
カロチン10826μg
料理
一般的には、さっと塩茹でして、水にさらしてから使う。
エジプトの家庭では、特に刻んで作るとろみのあるスープが好まれているそう。(エジプト版おふくろの味)
野菜ジュース、サラダ、酢の物、てんぷら、おひたし、白和え、スープ、汁の実、グラタン(ホワイトソースによく合う)、キッシュ、炒め物にも。とろろ風にするには、包丁でたたくようにして、とろっとさせる。
生だとアクが強い。茹ですぎるとぬめりが強まる。さっと茹でる程度にする。
納豆に混ぜるだけでもok。
保存
・比較的傷みやすい野菜である。
・濡れた新聞紙に包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に。2-3日で使い切る。
・生葉を冷凍保存もできる。茹でて刻んだものを小分けしておくと便利。
・新鮮なモロヘイヤの葉を新聞紙に広げ、天日で2-3日干してカラカラに乾燥させる。
粗くもみ、乾燥剤と一緒に保存しておけば、一年中楽しめる。
ポイント
・刻むとオクラに似た独特のねばり(ムチン)ととろみが出ます。それが旨味。
・クセがなく、淡白な味。においもない。かすかに甘みがあり、どんな食材とも相性が良い。
・青菜の少ない夏に、ぜひ食べたい栄養野菜
・夏バテに持ってこいのモロヘイヤスープ!
その他情報
・食べるのは葉だけである。固い茎は一緒に調理しないほうがよい。
・種や枝に毒性の「ストロファンチジン様物質」がある。
・葉は生でも食べられるが、骨粗鬆症や尿結石の原因となるシュウ酸をほうれん草より多く含むので、摂りすぎは控える。
特別参考資料
・野菜健康法モロヘイヤ(著: モロヘイヤ研究家 飯森かをる様 / 土屋書店)
Hiroのメモ書き
栄養素の鬼、ですね。
上記にあるモロヘイヤについての本を読んで、モロヘイヤの眩いばかりの魅力に気付きました。
著者の旦那さんがモロヘイヤを日本に紹介したご本人ということで、こんなに素晴らしい野菜を日本に広めてくださったことに、本当に感謝いたします。
本にもあったのですが、若さを保つにはビタミンAよりカロテンで摂るほうが良いそうで、モロヘイヤのβカロテン量は追随を許さないほどなので、ぴったりみたいです。
(ビタミンAは過多に摂ると障害があるらしく、βカロテンは摂取しすぎても、体が必要とする量しかビタミンAに転換しないそう。転換されないβカロテンは、体内に保存され、老化防止に役立つ独自の働きをするそう。)
毎日、新鮮なモロヘイヤを食べられるエジプトの人たちが非常にうやらましい。
今年の夏は、もっとたくさんのお客様に知っていただきたい。
ここまでの含有栄養素を知っていれば、たくさんの人は、食べたいと思うはず。
クセのなさも非常に魅力的ですね。