野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

凍結解凍覚醒法とは?皮まで食べられる岡山県産もんげーバナナ!知っておきたいこと7つ

岡山県出身の野菜ソムリエHiro!以前カナダから岡山に帰省した際にどうしても食べたかったのが、岡山県産の「もんげーバナナ」でした。

「皮まで食べられるバナナ」という噂を聞いて時間を見つけて買いに行ってみたのですが、なんと店頭には「完売」の文字が・・・。

結局そのときの帰省でもんげーバナナを食べることはできなかったのですが、先日SNSで「もんげーバナナを食べたことがある方、感想を教えてください・・・!」と投稿すると、予想以上に多くの方からコメントをいただくことができました!(感謝×100です)

そこで今回は、SNSで皆さんからいただいた生の声を含めて、もんげーバナナについて知っておきたいことを7項目に分けてまとめてみました。

 

1.熱帯性の植物であるバナナが岡山で育つ理由は、田中節三先生が生み出した「凍結解凍覚醒法」

岡山生まれの「もんげーバナナ」(※もんげーとは岡山の方言で「すごい」という意味)は、中国農業大学国家大学院客員教授である田中節三先生が開発したバナナです。

以前YouTubeに掲載されていたこちらの動画(※現在は削除されています)によると、田中節三先生はある日石垣島を訪れた際、もんげーバナナの元となる苗を発見。それを岡山(吉備中央町に農業研究施設がある)で育てることにしたそうです。

もちろん岡山の気候条件では、通常の方法で熱帯バナナは育ちません。そこで、田中節三先生が開発したのが「凍結解凍覚醒法」。(※特許取得済み)

植物の細胞を少しずつ冷やして凍結させることで、耐寒性を備えさせる技術なんですね。

凍結解凍覚醒法を簡単に説明すると以下のような流れになります。

凍結解凍覚醒法の流れ

1. 細胞を切り出し、培養液に浸ける
2. 種子や細胞をマイナス60度で凍らせる(氷河期時代を体験させることで、遺伝子の環境情報を白紙に戻し、環境順応性を最大化。180日かけて1日0.5℃ずつゆっくりとマイナス60℃にしていく)
3. 寒さに強い苗となったものを解凍して育てる

また、この凍結解凍覚醒法を用いると以下のメリットがあります。(参考ウェブサイト:田中節三 倶楽部)
※2022年10月追記:ウェブサイトは見れなくなっています。

凍結解凍覚醒法のメリット

・耐寒性が高まる
・耐暑性が高まる
・病気の抵抗性が高まる
・発育が促進される
・フルーツの場合、糖度が高まる
・収穫量が高まる

遺伝子組み換えをせず、北海道などの寒い土地でも、バナナ以外にマンゴーなどのトロピカルフルーツが育つって、いい意味で常識破りというか、いいことばかりで夢みたいな話ですよね。

また、田中節三 倶楽部のウェブサイトの情報によると、温室の燃料代を抑えられるとともに、凍結解凍覚醒法は植物の発育を促進します。

そのため、バナナも通常の種苗だと「5年で3房」と言われますが、覚醒させた種苗を用いたもんげーバナナの場合、「3年で5房」収穫できるようです。

田中節三先生は以下の動画(※現在は削除されています)で、「(凍結解凍覚醒技術を用いれば)同じ面積で従来の小麦の10倍くらいの収穫量があがる」とおっしゃっていました。

凍結解凍覚醒法の開発までに3~40年もの月日がかけられていますが、現在は誰でも凍結解凍覚醒法が試せるようにと1ヘクタールにつき10万円で技術を販売しているそうです。

「誰でも手に入る価格にしたのは、お金より(どのように育つのかの)データが欲しいから」と動画の中で語っていました。

 

2.画期的な栽培方法&皮まで食べられるバナナとして、海外含め多くのメディアからも注目されている

上記で紹介した凍結解凍覚醒法で育ったもんげーバナナは既に多くのメディアから注目を集めていて、新聞や雑誌など含めると300件以上になるそうです。

今までもんげーバナナを紹介したメディアの一例が以下になります。

・The 鉄腕DASH(こちらのページで放送内容が分かりやすくまとめられています)
・ホンマでっか!?TV
・坂上&指原のつぶれない店
・羽鳥慎一モーニングショー
・スッキリのコーナー「キニナルジャーナル」
・朝だ!生です旅サラダ
・所さんお届けモノです
・おしゃれイズム
・ガリレオX
・マツコの知らない世界
・満天☆青空レストラン etc.

日本一のトップYouTuberとして知られるHIKAKINさんも取り上げていたので、動画をシェアします。

この記事を読んでいる方の中にも、「テレビや雑誌などで、もんげーバナナを見かけたことがある!」という方も多いのではないでしょうか?

また、New York Postなど海外のメディアにも取り上げられていることからも、世界からも注目を浴びていることが分かります。

野菜ソムリエHiroが暮らすカナダの東部、トロントのメディアも取り上げていて、なんだか嬉しくなりました。

 

3.もんげーバナナは昔日本で流通していたグロスミシェル種(現在主流なのはキャベンディッシュ種)

(岡山のスーパーにて販売されていたバナナ)

バナナにはそもそも2~300もの系統や品種が存在するといわれていて、主に生食用を「バナナ」、料理用を「プラインテイン」と呼んでいます。

生食バナナで現在世界の主流となっているのが、日本でも(といってもフィリピンなどから輸入していますが)多く販売されている「キャベンディッシュ種」です。

そして、もんげーバナナはキャベンディッシュ種ではなく、「グロスミシェル種」という別品種のバナナです。

以下、2種類の違いを簡単ながら解説します。

■ グロスミシェル種(Gros Michel)
・1900年代初めに見つかった品種。昔は最も栽培されていた品種。
・日本でも昔流通していたが、1900年代半ばパナマ病(かびの病気)が広がり壊滅的な被害を受け、生産量も激減
・中ぐらいから大きい果実になる品種
・果皮がキャベンディッシュよりは薄いといわれる
・果皮が黄色
・果肉はクリームっぽい白
・香りと甘味に定評がある
■ キャベンディッシュ種(Cavendish)
・パナマ病に強く、バナナ業界の救世主となった品種
・グロスミシェル種の代替えとして、現在では世界で生産されるバナナの半数を占めるといわれる
・スーパーで一般的に見かけるバナナはキャベンディッシュ
・中ぐらいから大きい果実になる品種で長さもある
・果皮が厚い
・果皮が黄緑色で熟すときれいな黄色になる
・果肉が白
・果肉がやわらかく甘い

ということで、高齢の方であればグロスミシェル種のもんげーバナナは「昔食べた懐かしいあの味」のように思う方もいるかもしれませんね( ◠‿◠ )

2種類のバナナを食べ比べするのも面白そうです。

 

4.糖度が25度以上?キャベンディッシュ種より甘いもんげーバナナ

農林水産省より発表された「果樹をめぐる情勢」には、バナナの糖度のパーセンテージはは21.0と記されています。(リンク先の3ページ目で確認できます)(※熟度で糖度は異なります)

そして、凍結解凍覚醒法で栽培されたもんげーバナナの糖度は約25度以上になると、田中節三先生のウェブサイト(※現在は見れなくなっています)に記されていました。

つまり、(個体によって差はあると思いますが)もんげーバナナは一般のバナナよりも甘いことになります。すごいですよね、凍結解凍覚醒法。

さらに、上の写真のPOPには「糖度24~28度」と書かれていました。いや~、すごい甘さですね・・・!(すごいしか言葉が出ないw)

 

5.購入できるのは岡山天満屋地下にある「おかやま産直市場」。1本なんと600円以上

※2022年10月追記:

おかやま産直市場は閉店しました。

もんげーバナナを取り扱っているのは、岡山天満屋の地下にある岡山全域から生鮮野菜をお届けしている「おかやま産直市場」です。

野菜ソムリエHiroも実際にもんげーバナナを求めて、こちらのお店を以前訪れました。(売り切れでしたが・・・)

↑の写真は2019年夏に撮影したものですが、もんげーバナナは毎週金曜日に販売されているとのことなので、「食べてみたい」という方は金曜に行ってみてください。(曜日が変わっていたら、お手数ですが教えてください!汗)

お値段は1本648円、2本セットでお得な1,100円となっていますよ。(※値段は変更される可能性あり)

 

6.JR岡山駅内サンステに「田中節三の店」もオープン。もんげーバナナを超える最高品質のバナナ「田中節三バナナ」が購入できる

※2022年10月追記:

田中節三の店は閉店しました。

2020年5月18日に岡山駅さんすての2階に「田中節三のバナナ」というお店がオープンしました。

日本で初の直営店となる「田中節三のバナナ」では、自社・提携農園で樹上完熟収穫されたもんげーバナナを使って作られた究極のバナナジュースを楽しむことができます。

バナナジュースは皮あり・皮無しを選択できますよ。皮ありの場合、皮に含まれる栄養をいっしょに摂取することができるので、栄養重視の方におすすめ。

また、節三というシールが付いた最高級品バナナ「田中節三のバナナ」も店頭で購入することができます。お店のウェブサイト(※現在は見られなくなっています)を見ると、桐箱に入ったものは15,000円でした。

さらにお店では、世界的にも希少なコーヒー豆・ティピカ原種を使用したコーヒーも楽しむことができますよ。

コーヒー好きの方は是非一度体験してみてください。

 

7. SNSでもんげーバナナを実際に食べたことがある人に感想をもらった内容まとめ

この記事を書こうと思った際に、実際にもんげーバナナを食べた方に生の声を聞きたいと思いSNSで声をかけたところ、とても多くの方に感想をいただくことができました!皆さんの優しさに感謝感激・・・!(泣)

本当にありがとうございます(´;ω;`)ウッ

野菜ソムリエHiroはもんげーバナナを食べたことがないのですが、以下の皆さんの生の感想を読むと、もんげーバナナがどんな感じなのか分かるかと思います( ◠‿◠ )

また、食べたことはないけれど有益な情報をくださった方のものも併せて紹介します!

 

★Instagramでいただいたもんげーバナナの感想

もんげーバナナは一度だけ食べたことがあります!🍌食べる直前まではやはり抵抗があったのですが、食べてみると皮はシャキッサクッと食感があり、バナナ自体はネチっとものすごく甘かったのを覚えています!バナナの皮の生ゴミが無くなるので、もっと手軽に買える価格帯になればいいなぁと思っていました😂

【皮】
・見た目は普通のバナナとほぼ同じ
・無農薬なので表面はさらさらした触感(農薬ついてるなーっていうキュッキュッとした感触は無し)
・普通のバナナより薄皮(大手まんぢゅうほどではないw)
・普通の半分の厚み!ってのは言い過ぎだと思いますが、明らかに薄いとわかるレベル
・食感はわりとサクサクしてて、みずみずしさに欠けたレタスの芯みたいな
・渋みはほとんどない
・味もほとんどなかったような

【中の実】
・ホクホクではなくねっとり
・切った断面は艶がある
・酸味はほぼ無し
・甘みがつよめ
・後に残らない自然な甘さ

【その他】
・丸かじりしたので結局中身だけの方が美味しかった
・皮の食感と中身の食感が違いすぎて良いハーモニーは奏でなかった
・ただ薄めの輪切りにしてパフェに乗せたりしたら皮の食感がアクセントになって良いかもしれません👍

モンげーバナナ 食べました

皮も

正直な感想

皮は皮だなと思いました

でもバナナの味は濃く 国産のバナナを初めて食べたので すごく印象に残っています

実の部分に関しては ねっとりとした食感もあり
でもいつも食べてるバナナに比べたら さっぱりしてるかなとも感じました

★Twitterでいただいたもんげーバナナの感想

★Facebookでいただいたもんげーバナナの感想

朝から並ばないと買えないとテレビでやってました💦

だいたいいつも完売よ。

購入しようとおもったのが遅くて完売してしまい食べれなかったのですが、
食べた方の感想は皮ごと食べなくてもいい感じだそうです。

TVでやってましたね でも皮をむいたほうが美味しいといってましたよ

ということで、気になる皮部分については「皮は食べられるけど、別に食べなくてもいいかも」という方が多かったです(^-^;

あと、やっぱり人気のためか、もんげーバナナは入荷後すぐに買わないと売り切れることが多いみたいですね!

先ほど紹介したバナナジュースを取り扱うお店も2020年5月にできたので、今後はもうちょっと手に入りやすくなるかもしれません!うー、食べてみたい・・・!

 

最後に:【次世代作物で世界に羽ばたく】日本がバナナの輸出国になる日が来るかも?

ということで、もんげーバナナについて7つに分けてまとめてみましたが、いかがでしたか?もんげーバナナを生産している上のD&T Farm Inc.のPR動画も、ぜひチェックしてみてください。

ちなみに最後になりますが、実はもんげーバナナ以外にも皮ごと食べられる国産バナナが日本各地で現在栽培されていることをSNSで今回皆さんから教えてもらいました!

そのほかの国産バナナについては、また機会をみて記事にまとめてみたいと思うので、お楽しみに~!

また、野菜ソムリエHiroは次回岡山に帰省した際、絶対生のもんげーバナナをGet&バナナジュースを飲んでみたいと思っています。「まだもんげーバナナにトライしたことがない」という方は、ぜひ旅行気分で岡山を訪れてみてくださいね!(地元の宣伝w)


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