野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

八朔 : Hassaku

      2019/12/31

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歴史
文旦の雑種。
江戸時代末期に広島県因島の恵日山浄土寺の境内で発見された。
旧暦の8月1日(朔日)頃より食べられることにより、この日に普段お世話になっている人に贈り物をする風習の「八朔」と命名。しかし、熟すのは年明けで、果実は小さくて、食べるにはまだ早すぎる。
輸入柑橘類の影響、むきにくさ、酸っぱさが敬遠されていて、生産量、出荷量ともに減少中。
消費離れしているが、かんきつ類での収穫量は温州(うんしゅう)ミカン、イヨカン、ナツミカンに次ぎ4位。
産地
和歌山(全体の60.2%)、広島、愛媛、徳島など
時期
通常は12月に収穫される。
出荷時期は2-4月。3月がピークで、旬。
暖地では樹上で熟させることから越冬はっさくと呼ばれる。
見分け方
表面が乾いてないもの。
ヘタが枯れていないもの、取れていないもの。紅の濃いもの。
栄養
ビタミンC 40mg/100g
料理
加工の過程で熱を加えられると苦味が増す
保存
温度3-5℃、湿度85-90%、涼風条件で。
販売のポイント
・売れ行きは気温に左右されるといわれる。気温が低いと大して売れない。
・風味が良い。
・ワックス処理後の時間が長くなると苦味が強くなり、アルコール臭が強くなる。
 また貯蔵品のため乾燥し、劣化しやすい。早めに売り切る。
・さっぱりとした日本人好みの食味。昔懐かしい味。
・果肉をサラダに混ぜると爽やか。
・適度な甘さと、酸味と苦味。アダルトテイスト。
その他情報
・重量は約400g
・皮が厚く、むぎにくい
・じょうのうは10-13室。膜は離れがよい。
・肉質は多少硬く、果汁も少ない。わずかな苦味がある。
・種子は30粒くらい。
・独特の苦味成分はイソリモニンなど。(グレープフルーツと一緒)
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確かに、消費が低迷しているのでしょう。
周りにも、好きでないという方がたくさんおられます。食べにくさと苦さ。
おもしろいのは、命名の由来。
まだ未熟な状態で、贈り物として扱っていたのでしょうか。
売る側としては、ヘタがぽろぽろ落ちるので、困る。鮮度が見分けられないので辛いです。
伊予柑も同様ですが。
もっと売れ続けてほしい一品。日本産の果物ですから、もったいない。

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