【保存版】おせち料理に使う野菜と果物11種類まとめとその縁起が良い理由
2021/12/14
年末年始になるとスーパーマーケットの青果コーナーの色ががらりと変わります。
クリスマス前はクリスマスムード全開なのですが、クリスマスを過ぎると一気にお正月ムード満載の売り場に!
そして、年末年始の時期に販売されている野菜には、おせち料理に使われるものもたくさんあります!
そこで今回は、おせち料理に使う野菜と果物11種類をまとめてみました。
さらに、それぞれの野菜や果物がなぜおせちに用いられるのか、どんな縁起の良いものなのか、その意味もお伝えします!
この記事の目次
- 1.くわい(慈姑) – 縁起「芽が出る」
- 2.ゆりね(百合根) – 縁起「年を重ねる / 和合(仲が良いこと)/ 無病息災」
- 3.レンコン(蓮根) – 縁起「将来の見通しが良い / 多産」
- 4.さといも(里芋) – 縁起「子孫繁栄」
- 5.八つ頭(やつがしら) – 縁起「末広がり / 子孫繁栄」
- 6.きょう芋(京芋 or たけのこ芋) – 縁起「子孫繁栄」
- 7.黒豆 – 縁起「元気でまめに働けますように」
- 8.ちょろぎ – 縁起「長寿を願う」
- 9.金時人参(きんときにんじん、京人参ともいう) – 縁起「ん」のつく野菜は縁起が良い
- 9.ごぼう(牛蒡) – 縁起「家や家業が深く根を張り代々続くように」
- 11.栗きんとん(栗金団) – 縁起「商売繁盛・金運・財運をもたらす」
- 最後におまけ:鏡餅にのせる串柿と橙(だいだい)の縁起は何?
1.くわい(慈姑) – 縁起「芽が出る」
年末年始にしかお店で見かけないかもしれない野菜の筆頭といえば「くわい」です。友人と話していても、けっこう知らない人がいます(汗)漢字で書くと、「慈姑」です。
くわいを食用としているのは中国と日本で、中国では白くわい(シャリシャリした歯ごたえ)、日本では青くわい(ほっくり・甘味がある)が主流です。
埼玉と広島が主産地で、野菜ソムリエHiroが岡山のスーパーで働いていた頃は、広島県産のくわいをいつも年末にだけ取り扱っていました。(年を明けると全く売れなくなる)
購入する際は、芽がばっちり出ているもの、青色が美しいくわいを選びましょう。
おせちには「芽が出るように」という縁起を担いで、利用されます。たしかに見た目からもう芽がガッツリ出てますもんね(´▽`)
栗のような甘味とほろ苦さを味わえるくわい。まだ一度も食べたことが無いという方も、今年挑戦してみてください。
2.ゆりね(百合根) – 縁起「年を重ねる / 和合(仲が良いこと)/ 無病息災」
茶わん蒸しに入っている野菜といえば、ゆり根。加熱するとほくほくした食感になって、ほんのりした甘さと苦みが魅力の冬野菜です。
ゆり根を買う際は、白くてよく締まったものを選んで買いましょう。北海道が主産地です。
ゆり根は球根の鱗片が花びらのようにたくさん重なっています。その鱗片たちが相合う事が和合(わごう=仲良くすること)に通じる&年を重ねるとされています。
つまり、お正月に家族や友人と一緒にゆり根料理を食べて、「これからもゆり根の鱗片みたいに寄り添って仲良く年を重ねましょうね~」という感じ。
また、重なり合った鱗片を子宝に例えて、「子孫繁栄」の縁起を担ぐこともあるとか。
さらに、ゆり根の薬用効果から「無病息災」を願う人も。
ゆり根って、なにかとおめでたい野菜なんですよね( ◠‿◠ )
3.レンコン(蓮根) – 縁起「将来の見通しが良い / 多産」
日本人にはおなじみの根野菜「レンコン」。(カナダで暮らしていると、アジア圏の人は知っているのですが、白人さんなんかはまだまだ知らないイメージです)
日本でのレンコンの最盛期は11月~3月頃で、お彼岸やお正月の際の需要が多いです。
レンコンを購入する際は、穴が小さめで、表面に傷のないもの、青黒いあくの出てないものを選んでください。また、調理の際は切ったらすぐに酢水につけてアク抜きをしてください。酢水につけることで、食感がよくなるといわれています。
レンコンがおせち料理に用いられる理由は、たくさん穴が開いていることからです。この穴から「見通しがきく=将来の見通しが良い」という縁起を担いでいます。
さらに、レンコンの種が多いことを理由に「多産」で縁起が良いともいわれています。
おせち料理には、花のカタチにしたりと見た目も楽しい野菜です( ◠‿◠ )
4.さといも(里芋) – 縁起「子孫繁栄」
里でつくられることからその名が付いた里芋も、おせちには欠かせない野菜です。低カロリーの健康野菜としても人気です。
里芋を買うときは、渇いたものより、少し湿っている感じのものを選んでください。また、調理の際里芋のぬるぬるで手が痒くなることがありますが、塩や酢などを手につけることで緩和することができます。
里芋をお正月に食べる理由は、子芋がたくさんつくことから、「子宝を願う、子孫繁栄」という意味合いがあるためです。
たしかに里芋って親芋の周りにかなり子芋・孫芋ができるので、納得。
お正月には筑前煮やお雑煮なんかにして、いただきたいですね。
5.八つ頭(やつがしら) – 縁起「末広がり / 子孫繁栄」
里芋の次に紹介したいのは、下の写真の大きな里芋といもいえる「八つ頭」。その正体は、親芋から小芋の茎が出て、それぞれが密着して大きなかたまりになったものです。
頭が八つ付いているように見えることから、そのまま「八つ頭」と呼ばれています。普段はあまり見かけないかもしれませんが、年末が近づいてくると、普通のスーパーなんかにもたまに並んでいます。
(見た目がすごいので、知らない人はびっくりするのではないでしょうか?)
(↑の写真のもので980円でした。両手で持つ大きさ。)
通常の里芋より味が良いと言われていて、野菜ソムリエHiroも八つ頭を見つけると日本でたまに購入していました。ホクホクした味わいが普通の里芋とちょっと違うんですよね。
八つ頭は里芋と同じく「子孫繁栄」、そして頭がたくさん付いているような見た目から「人の頭になる=出世するように」という縁起を担いでいます。
6.きょう芋(京芋 or たけのこ芋) – 縁起「子孫繁栄」
ホクホクとしてなめらかな味わいが楽しめる京芋は里芋の一種です。よく似ている野菜に「えび芋」もあるのですが、別物なので注意が必要です。(えび芋もおせち料理に使用されます。)
宮崎県で主に育てられている京芋はカタチが円筒的なので、普通の里いもに比べて、皮が剥きやすいのが魅力。また、煮崩れしないのも特徴です。食味の良さも人気。
(野菜ソムリエHiroが昔購入したときは1本298円でした)
京芋も里芋と同じく親芋→子芋→孫芋と増え続けることで「子孫繁栄」を願う野菜として知られています。
里芋は里芋でも京芋をおせちに使うと、食卓で話題になるかもしれませんね( ◠‿◠ )
7.黒豆 – 縁起「元気でまめに働けますように」
道の駅なんかに行くとよく見かける(かも?)黒豆。
野菜ソムリエHiroの故郷、岡山では丹波の黒豆が超有名で、多くの人が年末になるとスーパーで丹波の黒豆を購入していた記憶があります。
黒豆がおせち料理に欠かせないのは、「まめ」という名前から。「まめ」は昔から「丈夫・元気・健康」を意味する言葉で、さらに語呂合わせで「まめに働く」と言う意味合いもあるため!
ちなみに関西エリア出身の野菜ソムリエHiroは知らなかったのですが、関東エリアではあえてしわが付くように煮るみたいです。その理由は、「しわが寄るまで元気に働けますように。」とのこと。(エリアよっても違いがあるかもしれません!)
黒豆を食べて来年もまめに働けるように祈るのが、なんとも働き者の日本人らしいと個人的に思います。
8.ちょろぎ – 縁起「長寿を願う」
(夜にちょろぎを撮影したため、写真がえらく粗くなった泣↑)
若い人(むしろ大人も知らない?)はあまり知らないかもしれない野菜といえば、シソ科の野菜「ちょろぎ」です。(名前がカワイイけど、知らない人が見るとイモムシに見えるかも・・・)
巻き貝みたいなカタチの地下茎で、11~12月頃に収穫されます。
けっこうシンプルな味わいのちょろぎ。カリカリとした食感があり、醤油や塩に漬けたりして食べることも多いです。
なぜちょろぎが縁起が良いかというと「長老喜」という当て字にされたり(長寿を願うということですね)、俵のカタチに見立てたりされるため。
ちなみに、おせちには主に梅酢漬けされた赤いちょろぎが利用されます。黒豆の隣に添えられることが多いのですが、これは「まめに働く」黒豆と、長寿を願う「ちょろぎ」を合体させて「まめに働けるように末永く健康でありますように」という意味合いからとのこと。
昔の人たちの語呂遊びはハイレベルですね。
9.金時人参(きんときにんじん、京人参ともいう) – 縁起「ん」のつく野菜は縁起が良い
関西で年末年始に親しまれている東洋系人参の「金時人参」。普通の人参に比べて果皮が濃い赤色で非常に美しい見た目をしています。(赤色はトマトなんかに含まれているリコピンです)
甘さが強い品種で、個人的に「年末年始以外にももっと出回ればいいのにな~」と思っている品種。
金時人参は火を通すと、より美しい紅色になり、おせち料理のよいカラーアクセントになります。「ねじり梅」のカタチにすれば、より華やかになりますよ( ◠‿◠ )
金時人参自体の縁起は冬至の記事でも紹介したのですが、「ん」が付く野菜は縁起がよいと言われているためだと思われます。
(き「ん」ときに「ん」じ「ん」と3つも「ん」が入っています。)
また、「紅白なます」に用いると、金時人参の赤が一層際立つ料理になります。大根の白と金時人参の紅でお祝いの水引のようだから縁起のいい料理といわれています。
9.ごぼう(牛蒡) – 縁起「家や家業が深く根を張り代々続くように」
おなじみのごぼうもおせち食材の一つです。筑前煮に使ったり、八幡巻き(やわたまき)、たたきごぼうなど様々なおせち料理に使えますよね。
主な産地は青森県や北海道など。一般的に言われる長めのごぼうの旬は晩秋~冬になるので、おせちの時期にもピッタリの野菜です。
ごぼうの縁起の由来は、「地中に細く長くしっかり根を張る」ということから来ています。
また、やわらかく煮たごぼうを叩いて身を開いた「たたきごぼう」は、「開運」の縁起をかついだものとされています。
11.栗きんとん(栗金団) – 縁起「商売繁盛・金運・財運をもたらす」
最後11種類目に紹介するのは唯一の果物、栗です。また、栗といっても栗の甘露煮を利用する「栗きんとん」がおせちの定番のためです。
栗の甘露煮はもちろんつくることもできますが、栗の甘露煮缶詰もよくスーパーで見かけるので、そちらを利用するのも手です。
お正月に栗きんとんを食べる理由は、「金団(きんとん)」が金の布団 or 金の団子という意味で、お金などに例えられ、商売繁盛・金運・財運をもたらすとの縁起を担ぐため。
また、もともと栗は、「勝ち栗」と言い縁起の良いものとされてきたので、おせち料理に使用されるのも納得の一品なのですね。
最後におまけ:鏡餅にのせる串柿と橙(だいだい)の縁起は何?
ということで、いかがでしたか?
おせち料理を始める前に、役に立ったなら幸いです。
また、上記で挙げた以外にもきっと地方によっておせちに使うものが違うはずなので、「他にもこんな野菜や果物使うよ~!」というのをご存知の方は、ぜひお問い合わせのページからメッセージください( ◠‿◠ )
本日の#オレンジ族
『串柿』(干し柿)鏡餅用の干し柿。
一本の串に10個吊るすのですが
10個を
ーー
として
「外はにこにこ(2個)、中、睦まじく(6個)」
と円満を表現しています
因みに
毎年12月15日頃には
この串柿をセリにかける「串柿市」が行われます。#串柿 pic.twitter.com/5sCU8RFVyR— かえぱぱゆみはエンジェル (@kaeden_papa) 2017年11月21日
最後になりますが、おせちではなくお正月には鏡餅の飾りとして串柿と橙を見かけたことがありませんか?(関西だけかも?)
串柿について上のTwitterの方もつぶやいているのですが、
10個の柿を「柿柿 × 柿柿柿柿柿柿 × 柿柿」という配列にすることで、「外はニコ(2個)ニコ(2個)、仲(≒2個と2個の中)睦まじく(6個)」という風に、円満さを表現しているって知っていましたか?
「家族みんな仲良く笑顔で過ごせますように」という願いが込められているんです。
皆さま、おはようございます‼️
今日も今日とて、皆様のご来店をお待ちしております#鳴海餅本店 #橙 #正月飾り #鏡餅 pic.twitter.com/MUSG93cQ3L
— 鳴海餅本店 (@narumi_sekihan) 2018年12月18日
そして、鏡餅の上にのせられる橙(だいだい)。みかんの小さい版みたいな柑橘です。(個人的に味は期待できないかも)
その橙は、約3年ほど枝にそのまま付いている(冬になっても木から落ちない)ことから、「代々(≒長い年月)」と呼ばれ、その後「橙」という名前になったなんて言われています。
そんな橙が飾られるのは、「家族がみんな長生きしますように、家系が長く繁栄しますように」という願いが込められているんです。おもしろいですよね。
ということで、お節料理に使う野菜果物と、おまけで鏡餅に乗っている串柿と橙についても解説しました!
深く知れば知るほど、色んな意味が隠れているお正月の食材たち。縁起の理由も知った上で食べると、もっと良い一年が過ごせそうですね!
皆さん、よいお年を!
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