品名
イチゴ / 苺 / ストロベリー / Strawberry
植物学上の分類
バラ科 オランダイチゴ属
歴史
・原産地は北アメリカおよび南アメリカ。
・北アメリカに自生するバージニアイチゴ種と南アメリカ原産のチリイチゴ種が、オランダの農園で交雑し誕生。
・いちごは、オランダいちご、きいちごなどの総称だが、一般にオランダいちごを指す
・現在のイチゴの英名であるstrawberryは、果実が地面に触れないようにするために、藁(straw)を敷いたことに由来するという説が一般的
・約10年サイクルで主力品種が変化
・江戸末期に導入されたが、当時は血の色を連想するとされ、あまり普及しなかった。
・日本で本格的に栽培が行われるようになったのは大正時代以降
品種
女峰より大きく、酸味と甘みのバランスが良い。日持ちもよい
・さちのか
農水省開発。甘みは多く、食味に優れる。ビタミンCが多い。果肉は硬く、日持ち良好。シーズンを通して糖度が安定。
・とよのか
「ひみこ」×「はるのか」甘味が多く、酸味も適度にある。香り良好
・女峰
栃木の女峰山麓で育成された。甘酸っぱく、香りがあり多汁。「東の女峰、西のとよのか」と呼ばれるほどの人気があった。全体的に濃い赤色のため、業務用のケーキに用いられることが多い。
・紅ほっぺ
静岡県開発。「章姫×さちのか」。さちのか並の甘みと章姫より高い酸味が味わえる。甘みと酸味のバランスが良い。香り高く、傷みにくい。
・あまおう
福岡県が開発。「あかい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字で「あまおう」。
・さがほのか
佐賀県が開発。円錐形。果皮、果肉ともに硬く日持ちに優れる。ほのかな香りとすっきりとした甘さがある。
・章姫
「久世早生」×「女峰」。甘味が強く、酸味が少ない。細長い。
・一般に欧米の品種ではブドウ糖や果糖が多く、相対的にショ糖の少ない品種が多いが、日本の品種には欧米品種に比べ、ショ糖が多く蓄積されるものもある。
・品種は100種類以上あるそう
産地
・1.栃木2.福岡3.熊本4.長崎5.静岡
・アメリカは常に世界一の生産量(全世界の1/4-1/5を占める)
(業務用として日本には6-10月に輸入される)
・日本もアメリカ、スペインに続くイチゴの生産国
時期
・ハウス栽培のものは12-4月、露地ものは5,6月
・最盛期は2-3月(ハウスもの)
・10月下旬から収穫が始まる
見分け方
・大粒のほうが小粒の果実より内容が充実して味が良いとされている。
(苺の果実は表面に本当の種子がついているので、種子に送る栄養成分の多いため、大粒果の方が味が良いといわれる。)
・ヘタは完熟になると反り返る
・ヘタの近くまで赤いものが完熟
・表面に張りがあり、鮮やかなもの
・ヘタが青々としているもの
栄養
・果実の90%は水分。可溶性の炭水化物が7-9%程度含まれる
・イチゴそのものはそれほど甘いというものではなく、糖度はせいぜい10度前後。酸度が低い点で口当たりがよく「甘くて美味しい」となる。酸度はせいぜい0.6%程度、「甘酸比」は16.6となり甘さだけが強く感じる。
・ビタミンC100g中62mg
・イチゴの色素はアントシアニンでべラルゴニジン系(紅色)のフラガリン、カリステフィン、シアジニン系(濃い紫紅色)のクリサンテミン。
・ビタミンB群の一つ、葉酸を多く含む。鉄も多い。
・エネルギーは果物の中では低く、野菜でいうとにんじん程度。
・大量に含まれるペクチン。(血中コレステロール値を下げる作用がある)
・天然甘味料のキシリトールを含む
・有機酸のクエン酸とリンゴ酸を含む。通常、クエン酸>リンゴ酸(これらの有機酸胃液の分泌を促進させる働きがある)
・イチゴに含まれる成分で、近年注目されているのが、 ポリフェノールの一種のエラグ酸(ellagic acid)。抗発がん作用や抗突然変異作用
料理
・ジャムなど加工した場合には、レモン汁で一層さえる
・冷凍する場合はヘタを取って洗い、水気を切る
・日本のイチゴはほとんどが生食用。アメリカのイチゴは生食と加工の兼用種がほとんど。生食用は果肉が軟らかく、酸味が少ないのが特徴で、生加兼用種は肉質が硬く酸味もあるのが特徴。
・アメリカのイチゴは輸送にも耐え、かつ途中で腐敗を防ぐために防腐剤のポストハーベスト処理が行われる。
・ヘタがついた状態で洗う。へたを取って洗うと、ビタミンCが流失
保存
・保存するときは、洗わずラップに包んで
・常温で1-2日、5℃で3-4日、1℃で7日が限界。
・イチゴは低温でも蒸散を抑えることができない
ポイント
・中くらいの大きさのイチゴ5,6個で一日のビタミン必要量をクリア!
・ビタミンCの宝庫!女性に嬉しい果物です。
・ビールのあとに食すと良い。いちごの果糖がアルコールの分解途中にできる。アセトアルデヒドの分解を促進する。
・コンデンスミルク、ホイップクリームなど、イチゴの関連販売商品で売り場を盛り上げる。
その他情報
・イチゴは品種により1番果と2~3番果の間に果形の大きさに差が出やすい。当然1番果の方が品質的に充実している。1番果が出来る初期は草勢が強く、光合成作用も活発に行われる。
・1番果が成育している期間中に続いて2番果が成育してくるので、栄養分の配分が不安定(1番果のほうに多くとられる)になり、品質的にも劣る。3番果以降も同様。
・3~4番果になると栄養成分と繁殖成長とが同時に進行。栄養成分が分散され、いわゆる「まずく」なる。
・4~5月に出回るいちごはどの品種も4~5番果の栽培終末期の果実。甘味も香りも薄くなる。開花の順に最初の粒は大きく、徐々に小ぶりになっていく。
・本来の実はつぶつぶの部分。赤い部分は花托(かたく)という台のようなもの
・ベリーとは「食べておいしい小さなフルーツ」
・イチゴ1個に200-300の実がなっている
・熟しすぎると、甘味も香りも抜ける
・市場に出回っているいちごは原則未熟なもの。完熟していると運送の際、傷むため
・日本では、越年生の畑作物とみなし「野菜」として扱っているが、
諸外国では「果樹」の中のsmall fruitとして扱うことが多い
・他の主要なイチゴ生産国の多くがイチゴの輸出国でもあるのに対し、日本のイチゴの輸出量は非常に少ない。近年ではあまおうなどの品種がアジア諸国に輸出される
・200g=約10粒(サイズによる)
・わが国のイチゴ総作付面積の97%が施設内で栽培されている。
Hiroのメモ書き
驚くのが、4月5月くらいのイチゴは理論的には出始めのものより、味も香りも薄くなっていることでしょうか・・・。ツライ。
あとは、いちご1個に実(表面の種のようなもの)が200から300もあること!
一般的に、赤い部分が実だと思われているが、実はこれは花托なのだと知っている人がどのくらいいるのでしょうか。
糖度が10度程度というのも、調べてみてちょっと驚きました。甘酸のバランスでこんなにも変わるものなのですね。