冬が近づいてくるにつれて気を付けたいのが、やっぱり風邪です。
風邪の予防には「ビタミンC」が関係しているといわれていますが、ビタミンCが多く含まれている野菜を皆さんご存知ですか?
ビタミンCの基本情報まとめ
ビタミンは体の機能を正常に維持するために不可欠な栄養素で、合計で13種類あります。必要量はごく微量。ただ、体内で作り出すことができないので、食べ物から摂取しなければいけません。
その中に一つ、ビタミンCは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によって成人男女ともに、1日100mg の摂取が推奨されています。
ビタミンCは水溶性=体内に蓄えておくことができない
ビタミンは「水溶性ビタミン(水に溶ける)」と「脂溶性ビタミン(油に溶ける)」に分類できます。
★ビタミンCは水溶性
★水に溶ける性質があるため過剰に摂取しても、尿と一緒に体外に排泄される
★体内に蓄えておくことができないので、毎日摂取しなければならない
★脂溶性ビタミンは体内に蓄積される
★過剰摂取すると頭痛や吐き気などの過剰症を起こす可能性がある
また、ビタミンcは水に流れやすかったり、熱や光に弱いので、調理には気を付けたいところです。できれば調理せずに生のまま、丸ごとビタミンCを摂取できるものがいいですよね。
ビタミンCにはどんな良いことがあるの?
以下のようなことが期待されます。
・ 鉄分、カルシウムなどミネラルの吸収促進
・ コラーゲンの合成に関与
・ ビタミンEの再生機能
・ 発ガン物質の毒を弱める
・ 悪玉菌を殺菌する
・ 貧血予防
・ 免疫力向上
・ 疲労回復
・ ニキビケア
・ 老化防止
・ 尿路感染症予防
・ 壊血病予防
ということで、カラダにとって、とても大切なビタミンC!どんな野菜がビタミンCを多く含んでいるのかベスト10形式で見てみましょう!
ビタミンCが多い野菜 TOP 10
10位 カリフラワー / ケール 81mg(可食部100g中)
カリフラワーが第10位にランクイン。(可食部100g中 81mg)
他の野菜に比べ組織が硬いので、調理してもビタミンCの流出量が少ないというメリットもあります。 (※茹でたら 81mg → 53mg)
日本人はあまりカリフラワーを生で食べませんが、カナダでは普通に生で食べる人も多いです。実際、スーパーに売っている生野菜セットみたいなものにはよくカリフラワーが含まれています。ビタミンCがまるまる摂取できるので、オススメです。
そしてケールもビタミンCが豊富!(可食部100g中 81mg )栄養のことを考えるなら、ケールサラダが一番です。
ちなみにケールのみのジュース(青汁)の場合、ビタミンCは100g中 1,100mg となります。(一日の推奨摂取量が 100mg なので、摂り過ぎてもどうかと思いますが・・・)
9位 かぶの葉 82mg(可食部100g中)
ご存知の方も多いと思いますが、かぶは根元の白いところより葉っぱにたくさん栄養が詰まっています。
新鮮で柔らかいカブの葉はサラダにも使うことができるので、ぜひ一度お試しあれ。
ちなみに根(白いところ)のビタミンC含有量は皮つきで 可食部100g 中 19mg です。(これを茹でると 19mg → 16mg になります)ビタミンCは目立っていないものの、胃もたれや胸やけを解消する関係があるという消化酵素のアミラーゼが含まれていたり、美容効果が期待できるビタミンB群が多いのが特徴です。
8位 水かけ菜 / 長崎白才 88mg (可食部100g中)
引用: 静岡県公式ホームページ
「水かけ菜」は「水菜(みずな)」とは別物です。(あ、誰も思ってない?)
・富士山周辺の静岡県御殿場市、小山町、富士宮市
・山梨県富士吉田市、都留市周辺
で冬季に水田の裏作として栽培されているのが、伝統野菜の「水かけ菜」です。以下、静岡県公式ホームページから引用。
御殿場市・小山町の富士山麓は、冬寒く夏涼しい準高冷地域です。この辺りでは、富士山の雪どけ水が湧き出した地下水が豊富で、年間を通して水温13度と安定した水温を保っています。冬季の水田に高畝を作り、湧水を流して保温し栽培する伝統野菜「水かけ菜」は、早春にしか味わえない御殿場・小山地域の特産物として多くの人たちに親しまれています。この地域では、「水を流す」ことを「水をかける」ということから、「水かけ菜」と呼ばれるようになりました。
ちなみに水菜のビタミンC含有量は可食部100g中55mgです。
長崎白才は、その名前の通り、長崎県で作られている半結球の白才のことです。
長崎ではハクサイの栽培が盛んですが、元々は江戸時代に中国から長崎地方に伝えられたんです。
今では長崎の雑煮には欠かすことのできない食材として愛されていますが、他の地域で栽培された普通の白才(生でビタミンC含有量 19mg / 茹でると 10mg)に比べ、ビタミンC含有量が高いことが明らかとなっています。(なぜ・・・)
でも、ふつうの白才でもビタミンCの摂取にぴったりなんです。なぜかというと、
加熱するとかさが減って、たくさん食べられるから!
「たくさん食べられる = 100g中のビタミンC含有量は少なくても、総合的にたくさん栄養が摂取できる」ということですねぇ。
7位 葉唐辛子 92mg (可食部100mg中)
(c) .foto project
その名の通り、唐辛子の葉っぱがランクイン。(油で炒めた場合 56mg)
こちらも水かけ菜と一緒で、あまりスーパーなどでは見かけない一品かもしれません。夏~秋頃の唐辛子の新鮮な若い葉を料理に使います。
葉とうがらしは鞘ほど辛くはないので、佃煮、炒め物なんかにぴったり。ピリッと辛い佃煮をおにぎりの具なんかにしたら最高です。
6位 ナズナ 110mg (可食部100g中)
ナズナといえば、そう「春の七草」の一つですねぇ。つまり、田畑とか荒地とか、そこらへんに生えている草です。食用にするのは、若苗。名前の由来は、
・夏になると枯れること = 夏無(なつな)
・撫でたいほど可愛い花 = 撫菜(なでな)
からなど、諸説あるみたいです。別名はお馴染み(?)「ぺんぺん草」「三味線草」。
さすがに「よし!ビタミンCをちゃんと摂ろう!」と思って、ナズナを毎日食べている方はいないと思いますが、年末年始で疲れた体を栄養たっぷりの七草粥でほっこりさせてあげるのにはぴったりですよね。
5位 唐辛子 / ブロッコリー / パセリ 120mg(可食部100g中)
5位は、なんと3種の野菜がランクイン。
唐辛子とパセリはビタミンC摂取を考えて食べるのが正直ツライ品目(辛いし苦い)ですが、ブロッコリーはおすすめ。
ただ、ブロッコリーの組織は柔らかいので、茹でてしまうとビタミンCが半分くらい減ってしまうといわれています。((茹でたら100g中54mg)
なので、生のままかじったり、蒸して食べるのがオススメ。(蒸すとビタミンCが96%保持されるなんて表記もネットにありますが、本当かどうかは不明)
ちなみに、乾燥パセリはビタミンCの含有量が 100g中 820mg です。どうだ、まいったか(?)
4位 菜花(和種) 130mg(可食部100g中)
3位に入らなかったものの、相当ハイスペックな菜花が4位にランクイン。
ただ菜花もブロッコリー同様、茹でるとかなりビタミンCが流出してしまうので、注意です。(茹でた後は 44mg)
菜花は和種と西洋種の2タイプに分けられます。
弥生時代に中国から伝わったといわれている。主に花茎とつぼみ、葉を利用。日本在来種は現在、鑑賞用やおもに養蜂業者が栽培している程度。
西洋種 ビタミンC含有量 110mg(西洋種は茹でると 55mg)
明治時代に伝わる。主に花茎と葉を利用。現在の主流。基本的に和種より苦さ控えめ
店頭で和種か西洋種かは明記されていることはほぼない(というか、見たことない)のですが、残念ながら、ほぼ西洋種でしょう。和種も食べてみたいという方、ぼくも一緒です。
3位 黄ピーマン / 芽キャベツ 160mg(可食部100g中)
栄えある第3位は、黄ピーマン(またの名をパプリカ)です。しかも面白いのが、
・油炒めした黄ピーマン – ビタミンC含有量 160mg
油で炒めた後の方がビタミンC量が増えていること!
パプリカに含まれているビタミンCは、加熱しても壊れにくいとはよく聞く話ですが、増加してるのはまるで魔法。
ちなみに、パプリカに含まれているβ-カロテンは、油と一緒に調理すると、栄養を効率よく摂取できるのは周知の事実ですよね。
そして黄パプリカとともに第3位だったのが、芽キャベツ。
日本ではちょっとオシャレなスーパーに行かないと手に入りにくい(国にもよりますが)かもしれませんが、カナダだと人気アイテムの一つなので、小さな八百屋さんでも絶対手に入るイメージがあります。
単純にローストして塩振っていただくだけで最高。その可愛さと手軽さで人気の品目です。さすが第3位だけあって、茹でても 110mgのビタミンCが残るのもスゴイです。
2位 赤ピーマン 180mg(可食部100g中)
先ほどご紹介しましたが、黄ピーマンは油炒めをするとビタミンC含有量が10g 増加していましたが、ということは・・・
そう。第2位は赤ピーマン。油炒めで食べる場合、ビタミンC含有量は 100g中 180mgを誇ります。(生の場合可食部100g中 170mg)
ここら辺でピーマンのスゴさを皆さん理解してきたのではないでしょうか?
ちなみに、青(緑)ピーマンは 生 → 76mg / 油炒め → 79mg でした。緑はやはり未熟ですからね。
そして、野菜界の頂点に立ったのは・・・!
1位 トマピー 200mg(可食部100g中)
引用: (株)農学研センター
輝ける第一位は熊本からの刺客「トマピー」でした。(なんてカワイイ名前なんだ・・・!)
トマピーについて知らない人のために、農林水産省のこちらのページの内容を紹介します。
1990年代に日本に導入された際、ピーマンとトマトの雑種と誤解されていましたが、これは誤りで、ハンガリアパプリカといわれるやや扁平型のピーマンの品種です。このほかもう少し大型のものは、一般に、カラーピーマン、ジャンボピーマン、オランダパプリカなどのいろいろな名称で呼ばれていましたが、最近では、名称をジャンボピーマンに統一されています。糖度が高く、果肉もやわらかで、ピーマンくささもなくフルーツ感覚で食されています。
国内ではおもに熊本で栽培されています。
つまり、ハンガリアンパプリカの一種で糖度が高い品種ということ。
引用: (株)農学研センター
写真を使わせていただいている(株)農学研センターさまでは、トマピーの生産者を募集していたり、トマピーの苗を販売しているので、気になる方はぜひコンタクトをとってみてください。ちなみに、トマピーは糖度が8度~10度もあるそうです。フルーツトマトレベルの甘さです。
きっと日本のスーパーなんかでパプリカとトマピーが並んでいたら、95%の人がパプリカを購入すると思うのですが、これから
「野菜で一番のビタミンC含有量!」
「成人1日のビタミンC推奨摂取量の2倍のビタミンCが含まれている最強の野菜がトマピー!」
などと売り込めば、ヒットするのではないかと勝手に思っています。もはやトマピーと呼び捨てできないレベルです。トマピー様。
最後に:ビタミンCは風邪予防だけじゃないので、効率的に摂取!
いかがでしたか?
皆さんにとって「意外だった」という野菜も含まれていましたか?
ビタミンCは風邪予防以外にも美容など様々な効能が期待されるので、トップ10の野菜を食べて効率的にビタミンCを摂取してみてはいかがでしょうか?
ビタミンCが多く含まれる野菜を活用して、よりステキなベジタブルライフをお過ごしください!
※果物のビタミンCトップ10はこちら。