野菜のお話たっぷり。「台所のオーケストラ(高峰秀子)」の印象的な言葉まとめ。
2019/12/31
台所はオーケストラの舞台。高峰秀子さんの本を読んだので、そこから個人的に印象的だった野菜のお話をまとめます。
読んでいると高峰さんの雰囲気が感じられて、「あぁ、この人はきっとこんな話し方をして、こんな笑い方をするんだろうなぁ」とイメージできました。素敵な方です。
料理を作るために、3つのことだけは心がけていたい
・醤油その他の調味料や香辛料は少なめに買うようにして、こまめに新陳代謝させる
・化学調味料の力は偉大だからこそ、効果的に使いこなす
蕗(ふき)
早春の楽しみ「ふきのとう」のほろ苦さ。
摘みたてで、あさみどりで、コロンと丸くて固いふきのとうを、マーケットの棚の上でみつけると、思わず手がのびて
ぐらぐらと煮立つお湯に多めの塩をパッと入れ、ふきのとうを入れた瞬間に、サアーッと緑が冴えるのが、また嬉しい
茹で上がったら水にさらして、壊れないようにそうッとしぼって、あとは酒と少々のみりんとうす口醤油に、だし汁を加えて、ふんわり煮るだけ。
フランス人はたんぽぽの若葉のサラダに「春」を待つ
三つ葉
三つ葉の香りにも、いぜんのような上品さ、爽やかさがない。だから、少し野暮っちい匂いだけれど、私は根三つ葉を愛用
わらび
どれもこれも、ドロつきのままなので、台所中が泥だらけになるけれど、春が普段着のままやって来た、という感じ
青豌豆(グリーンピース)
あっさりと塩ゆでしただけでも、もちろん美味しいけれど、たまには煮ものもいいもの。絶対にさや付きを買うこと。さやから出たものは味ない
生姜
熱帯アジア原産
ピリピリ、スッキリとした風味は、和洋中どんな料理にもマッチする
筆しょうがは、チョチョッと包丁で掃除をしてよく洗い、酒で薄めた醤油とポン酢をコップに入れて、さきっぽをつっこんでおくと、お酒の肴に便利
セロリ
味噌汁が煮上がって火をとめるときに、セロリの若い葉をパーッと放すと、一味違う味噌汁に
(セロリ/サラダオイル/清酒/醤油タラタラ/みりんタラリッ/化学調味料)
1.セロリの根元のほうから、包丁でひっぱるようにして筋を取る
2.3ミリほどに刻む。葉も。
3.セロリを炒めて、材料をすべて入れて、汁がじゃぶじゃぶしないように強火で、1,2分煮るだけ。とにかくグズグズせず手早く仕上げる
大根
ダメな俳優を大根役者といいますが、それは「何を演っても当たらない」という意味で、大根を食べてアタったという人はいません。
ゆず
中国の四川、雲南地方が原産地といわれるが、ゆずを使った中国料理におめにかかったことがない
水菜
冬になると、京都のつけもの屋さんに、京菜のつけものがワッとばかりに並ぶ。もうコレ以上ダメというほど細かく刻んでキュウとしぼり、お醤油をタラリと落とし、熱々のご飯にのせる
カブラ
冬になると、京都の八百屋の店先には、色白でまんまるな聖護院蕪がゴロンゴロンと現れる。みずみずしくて、あまーくて、とっても美味しい
黄ニラ
ニラのエリート
ホカホカの皮付きベークドポテトにナイフを入れ、かりかりに焼いて砕いたベーコンとサワークリーム、そしてみじん切りにしたニラをたっぷり
茄子
日本料理の焼きナスは、直火で焼いて皮をむいた熱々を指で引き裂いて、「しょうが醤油」でいただくのが最高
味噌漬けや辛子漬けにするひとくち茄子。塩漬けにする長なす。加茂なすと呼ばれる、田楽にする丸いナス
ブロッコリー
原産地はイタリア。ブロッコリーという名もイタリア語
日本では、野菜をつかまえると、やたらアク抜きと神経質になるけど、アメリカのサラダなんか、生のままのほうれん草やもやし、カリフラワー、ブロッコリーまではいっている
マッシュルーム
フランスでは生のマッシュルームをサラダに使うけど、最近は日本でも見かけるようになった
水煮のマッシュルームは味も風味も消えて、きのこの形だけ
エシャロット
玉ねぎとらっきょうのあいのこみたいなチビすけ
生のまま塩をつければ酒の肴にしゃれている
たて半分切りにしてサラダに入れると、味がグンと引き立つ
アンディーヴ
ベルギー産のほろ苦い野菜。主にサラダ
値段が割高だが、スゴくきっちりと葉が巻いているので、一人2本もあれば堪能
ふきのとうなどほろ苦いものがお好きな方なら虜に
じゃがいも
中くらいのじゃがいもの皮をむいて、バターをたっぷりに、砂糖ちょっぴり入れたお湯でゆっくりコトコト煮込むと、とてもおいしい
(じゃがいも、おろしチーズ、塩、サラダオイル、バター)
1.皮をむき細かく切って、チーズと塩と胡椒を混ぜあわせる
2.フライパンにたっぷりのバターとサラダオイルをとかしてじゃがいもをいれる
3.火が通ったら平らにして重い落し蓋をして両面に焦げ目をつけて完成
パセリ
オムレツを作るときパセリを刻んで入れると、匂いがよくて、見た目もきれいで、ちょっと目先が変わる。
ある日にはタイム、ある日にはチリパウダー、ある日にはパプリカを振り入れるとワンパターンから逃げられる
しそ
青じその葉を細かく刻んで塩でもみ、ギュウっとしぼって水を切っておいて、炊きたてのご飯にササッと混ぜると、緑がふわ~っと冴えて、いい香りのシソご飯に
お酒のつまみが見当たらないとき、キュウリの皮をところどころむいて、鉛筆くらいに切って、青じその葉でクルクルっと巻いて、塩と胡椒をチョッとつけて召し上がってみて