野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

奇跡のフルーツAronia(アロニア)知っておきたいこと5つ。渋抜き方法と食べた感想は?

2021年の夏、野菜ソムリエHiroの頭の中では「以前買い損ねたアロニアを食べたい・・・アロニアを食べたい・・・」という言葉がぐるぐる回っていたのですが、先日旅行したビクトリアでアロニアの加工品を販売する Aronia Berry BC を発見し大興奮ッ!

旅先で偶然にもアロニアの専門家のような人に出会えて超嬉しかったわけですが、「でも、どうしても生のアロニアを食べてみたい・・・」と、半ば狂ったように考えていたわけです。

そんな中、先日9月19日にバンクーバーのファーマーズマーケットに行ったら、生のアロニアを再発見ーーーーーーー!!(泣)

今回はついにアロニアを入手した記念として、アロニアの歴史や旬の時期、栄養価、どのようにして食べるのかなど、アロニアについて5項目に分けてまとめてみました~!

 

1.アロニアの基本知識ー歴史など

アロニアは、北アメリカ東部が原産といわれるバラ科の落葉低木です。リンゴや梨、イチゴやさくらんぼなんかもバラ科ですね。湿った森や沼地で最も一般的に自生しているといわれます。

英語では「chokeberry(チョークベリー)」とも言うのですが、これはアロニアを食べたときに果物の渋みに対して「むせる(choke)」ことに由来するそうです。ちなみに日本ではその実の色から付いた「チョコベリー」「チョコレートベリー」とも呼ばれているようです。

昔にアロニアは北米の先住民によって使用されていて、風邪の治療のためにお茶に使われていたといいます。

アロニアの木は1〜3メートルくらいまで成長して、5~6月頃に白 or 淡いピンクのような花をつけます。そして、ブルーベリーほどの小さな赤い実をまずつけて、その実が熟すと紫がかった黒色になります。(黒いタイプの場合)

秋は紅葉するので、観賞用にも人気です。

耐寒性・耐暑性ともに強く丈夫で、現在は北アメリカやカナダ、1900年代初頭に導入された東ヨーロッパや東アジア、ドイツなどでも栽培されているとのことです。日本には1976年に初めてソビエト連邦(現:ロシア)から導入されたといわれています。(参照:American Botanical Council)

アロニアの果実は8月~9月頃に収穫されます。野菜ソムリエHiroがファーマーズマーケットでアロニアを見つけたのも、8月と9月でした!

ちなみにアロニアは黒タイプが一般的ですが、以下3種類に分けることができるようです。赤く熟すタイプのアロニアは観賞用として楽しまれていますよ。

学名 一般的な名前 特徴
アロニア・アルブティフォリア(Aronia arbutifolia)(Photinia pyrifolia) レッド・チョークベリー(Red chokeberry) 実が赤く熟す。(幅は4〜10 mm程度)木の高さは2~4m程度になる。花は白または淡いピンク
アロニア・メラノカルパ(Aronia melanocarpa)(Photinia melanocarpa) ブラック・チョークベリー(Black chokeberry) 実が黒く熟す。(幅は6〜9 mm程度)木は小さめの傾向があり、高さ1~2mくらいになる。花は白い
アロニア・プルニフォリア(Aronia prunifolia)(Photinia floribunda) パープル・チョークベリー(Purple chokeberry) 赤と黒の交雑種といわれる。果実は濃い紫から黒色。(幅は6~9mm程度)

(参照:Wikipedia

 

2.アロニアは日本でも栽培されている(北海道、新潟、岩手)

以前初めてアロニアを見つけた際にTwitterに投稿したところ、フォロワーの皆さんから「新潟県に生産者がいる!」「岩手の盛岡市では盛岡ベリーとして売り出されている!」と教えていただきました!

調べてみると、盛岡市産アロニアを活用した商品開発プロジェクトのページも発見♪ たしかに「盛岡ベリー」として販売されていて、盛岡市では2004年に砂子沢地区にて栽培が始まったようですよ。

もう一方で、新潟でもアロニアが栽培されていることを確認できました。

また、アロニアの日本での農作物としての栽培は、北海道の伊達市大滝区が最初で、日本でアロニアの作付面積が日本一といわれていて、大滝区の名産品となっています。

アロニア狩りができる農園もあるみたいなので、日本在住の方はぜひ確認してみてください。(あと、他の地域でも商業的にアロニアが栽培されていたら、ぜひ教えてください!)

 

3.奇跡のフルーツと呼ばれる所以は格段に多く含むポリフェノールの一種?栄養価について

(実際購入したアロニア。この量で10ドルでした。日本円で約877円)

最近アロニアが「スーパーフルーツ」「奇跡のフルーツ」などと形容されています。(最近なんでもかんでもスーパーフルーツと呼ばれている気がしなくはないのですが・・・)

その所以は、アロニアに含まれる豊富な栄養価のため。ここからは、以前ファーマーズマーケットで出会ったAronia Berry BC というアロニアを専門に販売するお店の資料(↓)による情報をいくつかお届けします。

※以下の内容はあくまで研究の結果であり、100%そうであるとはいえないものなので、参考程度にしてください。

まず、アロニアは「プロアントシアニジン(植物に含まれるポリフェノールの一種で、ブルーベリーなどにも含有)」が超豊富とのこと。

Aronia Berry BCの資料によると、多くの研究でプロアントシアニジンの抗酸化作用はビタミンCの20倍、ビタミンEの50倍という結果が出ているそうです。

そして、抗酸化能力値(老化防止に関係しているといわれる)でみると、アロニアの抗酸化レベルはブルーベリーの約3.5倍、ゴジベリーと比べると約5倍にもなるそうです。

以下の表をご覧ください。

果物 抗酸化能力の数値
アロニア 16062
ラズベリー 5065
ブルーベリー 4669
いちご 4302
チェリー 3747
ゴジベリー 3290

また、アロニアは健康的な糖代謝をサポートするということで、2002年の研究結果ではアロニアが総コレステロールと脂質レベルに有益な効果があることを発見したそうです。

さらに2000年の別の研究では、インスリン依存型糖尿病を抱えている妊娠中の女性の炭水化物代謝を正常化するのにアロニアが役立ったとの結果も出ているようで、癌とアロニアの研究も行われているようです。

ということで、とにかく抗酸化作用に関係あるといわれるポリフェノールの一種であるプロアントシアニジンがめちゃくちゃ多いのがアロニアだったんですね~。

Wikipedia情報になりますが、以下のようにも記されていました。

A. melanocarpa (black chokeberry) has attracted scientific interest due to its deep purple, almost black pigmentation that arises from dense contents of polyphenols, especially anthocyanins. Total polyphenol content is 1752 mg per 100 g dry weight, anthocyanin content is 1480 mg per 100 g dry weight, and proanthocyanidin concentration is 664 mg per 100 g fresh weight. These values are among the highest measured in plants to date.

Aronia(Wikipedia)

(意訳)ポリフェノール、特にアントシアニンの高密度含有量から生じる濃い紫色のほぼ黒色の色素により、科学的な関心を集めています。総ポリフェノール含有量は乾燥重量100gあたり1752mg、アントシアニン含有量は乾燥重量100gあたり1480mg、プロアントシアニジン濃度は新鮮重量100gあたり664mgです。 これらの値は、これまでに植物で測定された最高値の1つです。

ちなみに、叶姉妹も過去のブログで「欧米セレブも夢中 アロニア」 というタイトルで紹介していましたよ。

 

4.生でアロニアを食べてみた感想は?

事前にアロニアが渋い果物だと知っていた野菜ソムリエHiro。「でも、どれくらい渋いのかよく分からない」ということで、今回購入したアロニアを洗ってそのまま生で食べてみました。

その感想は「渋いけど微妙に甘いっっ!」でした(汗)確かに渋いっちゃ渋いのですが、「あぁ、これは渋すぎてもう絶対無理・・・」みたいな感じはありませんでした。

生のアロニアの果実はけっこう硬そうに見えていたのですが、噛んでみると別に全然硬いこともありませんでした。(でも柔らかすぎる感じでもないんです)

噛むと中の赤紫色みたいな果汁が漏れ出したのですが、これが渋甘かったんですね。ただ渋いだけだと思っていたので、微妙に甘いことに驚きました。

(中も赤紫色でした!)

その味わいはちょっと癖のある感じで、一番味として近いのは以前も紹介したハスカップだと思いました。

なので、いうならば食感は異なるものの、「渋いハスカップ=アロニア」、っていうのが個人的に最も当てはまるような気がしました!

ちなみに以前試食させていただいたアロニアのドライフルーツ(写真↑)は、渋みが残ったままドライになっていた(当たり前か・・・)ので、皆さんもドライフルーツを購入する際は、ご注意ください。

 

5. 渋抜きの方法は?他の食べ方は?

ここで、「渋い果物なので、どうやって渋抜きするの?」という声が聞こえてきそうなので、アロニアの渋抜き方法をお伝えするのですが、

アロニアの渋抜きは簡単です!冷凍⇒自然解凍⇒冷凍⇒自然解凍という感じで2~3回ほど冷解凍を繰り返すことで渋みが抜けていきます。

野菜ソムリエHiroも不要な枝部分を取り除いて、洗った後水気を切って、ジップロックに入れて冷凍しました↓

そして渋みを抜いたアロニアは加工されるのが一般的で、ジュースやジャム、ソース、ワイン、シロップ、アイスクリームなんかにも加工されています。また、サプリメントにも活用されているようです。

ちなみにファーマーズマーケットで出会ったAronia Berry BCのおばちゃんは「アロニアをスムージーに入れたりすると摂取しやすくていいわよ~」と言っていました。たしかにこれなら渋抜きしていなくても、少量であれば気にならずに飲めるかもしれません・・・!(※想像です)

Instagramでいくらか加工されたアロニアの写真を探してみました。

アロニアのボディローションまであるとは・・・!!

 

最後に:老化防止に関係ありそうなアロニア、まずは一度食べてみてください!

ということで、アロニアの魅力が皆さんに伝わったのであれば幸いです!

野菜ソムリエHiroは現時点でアロニアの冷凍・解凍を繰り返しているところなので、終わったらジャムにしようかと考えています。

老化防止に効果があるのではないかといわれるアロニア、日本在住の方で試したことが無い方は、ぜひ一度試してみてください♪