【トマトの70倍のリコピン】ベトナムで人気のガックフルーツ(ナンバンカラスウリ)を食べた記録まとめ
2020/04/19
あなたは上の写真の大きなトゲトゲ果物を知っていますか？
この果物、名前をガックフルーツ(Gac Fruit)と言います。
今回は、ガックフルーツをカナダで運よく購入することができたので、実際に食べてみました。その感想をお届け。また、気になる栄養価を含めどんな果物なのかもガッツリ調べてみたので、あわせてお伝えします。
ずばぬけた栄養価で、なぜガックフルーツがスーパーフルーツと言われているのか、その理由が分かりますよ。
この記事の目次
ガックフルーツ(ナンバンカラスウリ)ってどんな果物なの？
まずはガックフルーツについて一緒に学びましょう。
ガックフルーツはベトナム原産。今は東南アジアや中国南部、そしてオーストラリアの北東部などで栽培されている果物です。（ガックはベトナムの言葉で gấc ）
和名は「ナンバンカラスウリ」で、その他にも以下のような様々な呼び名があります。
■ ベイビー・ジャックフルーツ(baby jackfruit)
■ とげ瓜(spiny bitter gourd)
■ 甘瓜(sweet gourd)
■ コチンチン(cochinchin)」
ベトナムでは農村の家などで栽培されていたりと一般的な果物ですが、北米や日本ではまだまだ知られていないガックフルーツ。(友人のカナダ生まれのベトナム人の女性に「ガックフルーツって知ってる？」と聞いたら、「もちろん知ってるわよ。」と言われました。)
未熟なものは緑色で、熟しているガックフルーツの果皮は暗い橙色になります。つまり、上の写真のものは十分に熟しているということ。果皮には短いとげが八方に広がっていますが、素手で持っても大丈夫です。
ガックフルーツはつる性の植物。
天候状況や環境によって変わりますが、１つの木で1シーズンに30～60程度のガックフルーツが収穫されるといわれていて、完熟すると果皮がかなり橙色に近くなります。
また、収穫時期は12月と1月なので、旬が比較的短い果物といえます。今回なぜ夏にガックフルーツが手に入ったのかは正直謎なのですが、ラッキーだったということにしておきます。
リコピンはトマトの70倍！？恐ろしいほどに栄養価が高いスーパーフルーツ「ガックフルーツ」
その栄養素から「天国からの果物(Fruit from Heaven)」とも呼ばれているガックフルーツ。なんとも素晴らしい響きですよね。
特にリコピンの含有量がすさまじく、トマトに含まれるリコピンの70倍といわれています。
また、βカロテンはニンジンの10倍含んでいます。
以下、ガックフルーツのジュースブランド「xoi」のウェブサイトから引用です。
According to studies from UC Davis (California, USA) and the University of Newcastle (New South Wales, Australia), the scientific secret behind Gac fruit’s healing power is its amount of lycopene and beta-carotene. These researches show that gac fruit approximately contains:
70 times more lycopene than tomatoes
10 times more beta-carotene (pre Vitamin A) than carrots
40 times more vitamin C than oranges
30 times more zeaxanthin than corn
Essential fatty acids: omega 3, omega 6, omega 9
ガックフルーツの栄養素の研究結果を意訳すると、
・βカロテンはニンジンの10倍以上
・ビタミンCはオレンジの40倍以上
・ゼアキサンチン(目の網膜に含まれるカロテノイドの一種)はとうもろこしの30倍以上
・必須脂肪酸：オメガ3、オメガ6、オメガ9も含む
さらに、ガックフルーツの仮種皮に含まれる油脂には高濃度のビタミンEが含まれているといわれています。
以上の理由から、抗酸化作用や免疫の増強、目の健康を保つ目的でガックフルーツを食べるはかなり良いことかもしれません。
事実、過去にベトナムの子どもたちが栄養失調で苦しんでいた際、ガックフルーツを食べること促進したことで十分な栄養を得ることができたケースもあります。（参考：Gac: a Fruit from Heaven by by Thuy-Le Vuong ※英語です）
そんなスーパーフルーツ、ガックフルーツの抽出物はサプリメントやミックスジュース、パウダー、オイルなどとしても販売されていたり、その果実は昔から薬としても利用されています。
いやはや、生食用のトマトのリコピン含有量は100g中「3mg」程度といわれているので、その70倍となるとガックフルーツの場合、可食部100g中にリコピンが 300mg 以上含まれている計算になります。
これはすごいですよね・・・。想像以上。
どんな味なの？ガックフルーツ(ナンバンカラスウリ)を実際に食べてみた
ガックフルーツのことが色々分かったところで、実際に購入したものを食べてみました。
今回、アジア系スーパーでたまたま1玉だけ冷蔵ケースにおいてあったのものを購入。気になるお値段は、 $ 16.42でした。（日本円で 1,400円くらいなので、そこまで高くない？）
「天国からの果物」って言われるくらいだから、その味に期待大です！！ ( ･◡･ )♪
まずは、おそるおそる縦カットしてみました。すると、
なんということでしょう。(解決ビフォーア〇ター風)
中がおぞましいほどに真っ赤だったんです。この時点で自分が手術しているみたいな気分になりました。
実は、この赤い部分は種皮の外側をおおい、種皮のようにみえるもの。ガックフルーツは、この赤い部分(仮種皮という)を食べるんですよね。なんか不思議な感覚。
ちなみに、種は20個以上入ってました。
ということで、ぬちょぬちょしているガックフルーツの仮種皮を手で掴みました。仮種皮だけ食べたいのになかなか種を取り出すことができず、けっこう苦労しました。
しかも指に血がついたようになるので、さらに手術している気分に・・・。
がんばって仮種皮をめくろうとすると、上の写真みたいな感じに、ぺろーーーって皮がめくれます。（これがまた気持ち悪い・・・）
そして中の種を取り出すのですが、ちょっと見てください。この黒いやつが種なんです。
他の果物の種とは一線を画すようなカタチだと思いませんか？
実はこの種子、中国では「wood turtle seeds」と呼ばれています。んー、確かに亀っぽい・・・。
また、この亀みたいな種、昔から薬用として重宝されているようです。
いやー、世界は広い。（あと、手が赤い）
ということで、いよいよ実食です。（タトゥーが入ってるのは友人の手です）
野菜ソムリエHiroの想像では、色からしてすごいトロピカルな味を想像してたんですよね。ベトナム原産だし。(偏見)
甘くて酸味もあって、「んーー！フレッシュ♡夏最高ーっ！とろぴか～る☆恋して～る」みたいな。（あややファン）
しかし、そんな期待は速攻で裏切られ、実際はけっこうオイリーな感じで味はバターみたいなマイルドさでした(笑)
「すこーーーーーーーーしだけ甘いかな」とも思ったのですが、なんでしょう。ぬちょぬちょしたアボカドみたいな、そんな意味不明な感じ。甘味とか酸味とかどうでもよくなりました。
語彙力がなさすぎてうまく伝えられないのが悔しいのですが、とりあえず果物っていうよりはナッツみたいな味でした。参考になるでしょうか・・・？
ちなみにせっかくなのでこの黄色に果肉部分を食べてみたのですが、けっこうな不味さだったので、一口食べて止めました。
あえて例えるならば「えらいマズイキュウリ」そんな感じです。調べてみると、大抵の場合、この黄色の部分は捨てられるそうです。納得。
結局、2粒食べて満足したので、今度は残りの種子を使って、ベトナムで旧正月（テト）や結婚式などの慶事なんかに出されるというソーイ・ガック（xôi gấc）（濃い橙色の甘いおこわ）を作ってみようと思います。
また報告しますね～！
実際にソーイ・ガックを作ってみたので、記事をチェックしてみてください！
最後に：スーパーフルーツ「ガックフルーツ」は人生で一度は挑戦しないと損！
ということで、スーパーフルーツ「ガックフルーツ(ナンバンカラスウリ)」の魅力が伝わったら幸いです。
実は野菜ソムリエHiro、以前も一度中国系食料品店で一度見かけたことがあったのですが、それは既に果皮がプニプニしていて、150％ぐらい過熟で、食べる気になれなかったんですよね。
今回こうやってついに挑戦することができて良かったです。
もし、日本でガックフルーツを手に入れることができたら、ぜひみなさんも試してみてくださいね。個人的に「人生で一度は食べてみて欲しい果物」です。それぐらいに面白い果物でした( ◠‿◠ )
ニュースキン NU SKIN g3(ガックと、3種の果実（クコの実、シリ、サージ）をブレンドしたジュース)（900mL）
Momordica cochinchinensis – Gac Fruit – 5 seeds
