これでスッキリ!カリン(花梨)とマルメロの似ている&違うところ11個まとめ
果物が好きな方でなくても花梨(カリン)の名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
のどに良い果物として知られていて、カリンを配合したのど飴などもよく売られていますよね。中国では、「杏一益、梨二益、カリン百益」なんていう言葉もあるほどです。(スゴイ…)
(カリン)
それでは皆さん、「マルメロ」という果物は知っていますか?
実はかりんとマルメロは非常に似ているため、知らない間にマルメロのことをカリンと思っている人も多いんです。
(↑これはマルメロ)
そこで今回は、野菜ソムリエHiroが「カリンとマルメロの似ているところ&違うところ」を合計11項目に分けてまとめてみました。
この記事を読めば、今後カリンとマルメロの判別がつくはずなので、ぜひチェックしてみてください(´▽`)
この記事の目次
1. カリンとマルメロの違うところ6つ
それではまず、カリンとマルメロの違うところから見ていきましょう!
1-1.原産地が違う
★カリンは中国原産
まず最初に、かりんは中国北部の湖北が原産のバラ科ボケ属の落葉樹です。
英名は「Chinese quince」で、その他に別名として「木瓜(もっか)」、「安蘭樹(あんらんじゅ)」、中国では「香木瓜」とも呼ばれている果物です。
江戸時代に日本にやって来たといわれていますが、正確には不明(汗)
また、そのころは鑑賞用として育てられていたので、食べたりはしなかったといわれています。
★マルメロは中央アジア(イランやトルコ)原産
バラ科マルメロ属のマルメロは中央アジア原産の果物なので、かりんの原産地中国からはけっこう離れています。正確には不明なのですが、イランやトルコ地方が原産ではないかといわれています。
和名の由来はポルトガル語の 「Marmelo」。これはギリシャ語の「melimelon(≒蜂蜜のリンゴ)」が由来になっています。「蜂蜜のリンゴ」ってなんだか素敵ですよね( ◠‿◠ )
ヨーロッパではギリシャ、ローマ時代から育てられていたとのことなので、かなり歴史のある果物です。日本には1634年に長崎にもたらされたといわれています。
1-2.見た目が似ているようで違う( 特に表面の綿毛の有無 )
★かりんは綿毛が無い
カリンは基本楕円形(※楕円形じゃないのもありますが)で大きい果物です。上の写真のように、表面の綿毛がないのが特徴的。
長さは6~10cmくらいです。
お店に並んでいるかりんは、表面にツヤとハリがあるもので、香りが強いものを選んでみてください。傷があるものは避けましょう!
黄色くなったものが熟しています。
★マルメロは綿毛がある
上の写真は野菜ソムリエHiroが実際に撮ったファーマーズマーケットで売られているマルメロ。果皮の表面に綿毛がたくさんあるのが分かると思います。
また、マルメロは見た目が西洋梨みたいな感じなところも、写真から分かると思います。
成熟すると果皮がどんどん黄色くなっていき、香りも強くなります。綿毛は洗えば落ちるので、かりんと間違われることが多いんですね(´ι _` ; )
ちなみに、長野県諏訪地方だとマルメロのことをカリンとして販売したりしているので、注意が必要です。
個人的に「マルメロとかりんは別物だから、ダメー!!」と思うのですが、もう広まっちゃったし(泣)、諏訪市の公式サイトによると市のマスコットキャラクターや路線バスの名前にも使われ、諏訪市のシンボルになっているとのことなので、それはそれで嬉しい部分もあります( ′⌄‵ )♪
なかなかカリンって日本で一般に浸透していない印象を受けるので、(正しい知識とともに)もっと広まればいいなーと個人的に思っています。
1-3.栽培品種も異なる
★かりんは特に決まった人気の栽培品種があるわけではない
かりんの栽培品種は特にこれといって選抜されたものはないといわれています。
★マルメロの栽培品種はスミルナなど色々ある
【本日入荷品②】
信州長野産
「スミルナ(マルメロ)」
1袋 250円! pic.twitter.com/GD2xHd6Acr— やおや植木商店 (@yaoya_ueki) 2014年10月24日
打って変わって、マルメロの栽培品種には「チャンピョン」や「スミルナ」、そして「アップルクインス」など色々とあることが知られています。
先ほども紹介した諏訪地方の特産として育てられているマルメロ(かりんの名で売られているけども)は、主にスミルナが売られています。
以下、諏訪市の公式サイトに記載されている内容を抜粋させていただきました。
マルメロの種類も在来種(本かりん、通称、和かりん)とスミルナ(通称、洋かりん)に分かれていて、約 200本のスミルナ、在来種がおよそ 2対 1の割合で諏訪湖畔に植えられています。
まぎらわしいのですが、本来の「かりん」(本かりんとは異なる)も諏訪湖畔に約 30本が植えられています。
色々調べてみると、スミルナはトルコ原産で芳香が弱いけど果肉が柔らかいので加工に向いている品種とのことでした。
ちなみに、上の引用部分にも書いていますが、本カリンはカリンではなくマルメロの一種なので注意です。
んー、ものすごく紛らわしいですね(苦笑)
1-4.葉のカタチが違う& 花も違う
★かりんの葉は縁がギザギザしている&花が濃いピンク
おはようございます😃
11/1誕生花、カリン
花言葉、可能性がある。別名カラナシ。バラ科で花は春、秋の果実も喉の炎症に効果があると有名です。金は貸すが借りんの縁起を担ぎ、庭の表にカリンを植え裏にカシノキを植えると商売繁盛に良いとか。カリンは楕円でマルメロは洋梨型で見分けがつきます。 pic.twitter.com/hPntzvZfl2
— もも (@blumen8783) 2018年10月31日
かりんの花期は3月〜5月頃といわれています。
上の写真はカリンの花と葉っぱなのですが、ピンク色の美しい花で葉は少しギザギザした感じ(細鋸歯)であることが分かるでしょうか?
★マルメロの葉は縁がギザギザしていない&花が淡いピンク
札幌雑景(札幌市南区)
マルメロの花 pic.twitter.com/J1pbmmFVei— koma (@niyan1go) 2018年5月28日
上の写真の通り、マルメロの葉の縁には細鋸歯がありません。
また、花の色もかりんの濃いピンクとは違い、淡いピンクor白という感じなんです。
お店ではなかなか葉っぱや花を見る機会はないのですが、頭の隅に置いておいてみてください( ◠‿◠ )
1-5.実の硬さ
★かりんは包丁で切るのが少し大変
かりんをたくさん、 たくさん、 たっくさん😅 頂きました、 かりんシロップにしたり、 かりんのお酒を作ったり、 ジャムにしたり、 楽しいお仕事が増えました💪 でも本当の気持ちは かりんは硬い😂 柏原よしえちゃん の歌で かりん かりん 実らぬ恋 て歌 ありましたよね、 口ずさみながら がんばろー😄
— まりぃ (@v26qSc5YPtCb7b0) 2018年10月30日
かりんもマルメロも石細胞(梨にも含まれるじゃりじゃり感を生んでいる細胞)が多いため、非常に硬いんですよね。かりんを切るのにも一苦労です。
★マルメロはカリンに比べると柔らかい(けど硬いのは確か)
#マルメロ
カリンによく似たマルメロ。ギリシャ原産で樹皮、葉の厚さ、花の色、毛深さなど微妙に違いがある。成熟した果実もカリンがガチガチに硬いのに対してマルメロは少し柔らかい。 pic.twitter.com/PcUlgDm5kR— クロネコのびーちゃん (@kuronekobchan) 2015年5月14日
野菜ソムリエHiroはカリンの硬さが100だとしたら、マルメロは70くらいだと思っています。(※個人差あり)
1-6.産地
★かりんは日本と中国で人気
日本では、先ほどから紹介している長野県諏訪市はもちろんのこと(マルメロが多いけど、カリンの木もある!)、箕輪町などで栽培されています。
また、Wikipediaによると、原産地でもある中国ではけっこう栽培が盛んな模様。
いつか、実際に現地で確認してみたいです。
中華人民共和国では陝西省白河県で栽培が盛んであり、「白河木瓜」が中国の地域ブランド(地理標志保護産品)に指定されている。他に山東省臨沂市でも栽培が盛んである。
★マルメロはトルコで人気
まるめろリスナーから頂いた、マルメロジャム!
トルコ産!!!?マルメロという果実、どんな味なのかずっと気になってたものが目の前に☆
嬉しい〜(≧皿≦)!!
明日の朝食はこれだな!! pic.twitter.com/yjqt1g4knq— 丸沢 丸 〈お笑いコンビ かにゃ〉 (@marusawamaru) 2014年12月13日
マルメロの生産量を世界で見ると、トルコが最も多く、その次が中国、次いでウズベキスタン、イラン、モロッコなどが続いています。
やっぱりかりんは中国、マルメロはトルコ、と原産地が強い印象です。
2.カリンとマルメロの似ているところ5つ
ということで、カリンとマルメロの違いがなんとなくでも分かったのではないでしょうか?
次は、逆にカリンとマルメロが似ている部分を5つに分けて紹介します!
2-1.味が似ている
今年もたわわに実った「かりん(花梨)」
「かりん」は果物ですが、とても固く渋いため生では食べられません
青森では「マルメロ」と呼ばれてましたが、実は「かりん」と「マルメロ」はまったくの別物 pic.twitter.com/z9AOIda1PB
— 坂本倫次 (@Noririn2001) 2018年9月13日
かりんもマルメロも渋柿くらい、もしくはそれ以上の渋さなので、生食は無理です。
野菜ソムリエHiroも実際に一度生のマルメロに挑戦したことがあるのですが、一口で吐き出しました。ぺぇえええ!って(泣)
つまり、カリンもマルメロも加工することで本来の良さが活きる果物なんですよね。マルメロを生で食べる強者動画はこちら↓
2-2.香りもなんとなく似ている
El sol del membrillo
実が小さい時は天鵞絨のような産毛に覆われているマルメロ。
実が大きくなるにつれつるりとしてきて、所々に名残の産毛を纏っている。
ばら科の、いい香りの果実。 pic.twitter.com/loSr8OHToW— utopiano ユートピアノ (@utopiano) 2018年11月16日
カリンもマルメロも、独特の甘い芳香がありますよね。野菜ソムリエHiroも大好きな香りです。
残念ながら実際に生のカリンとマルメロを同時に比べたことはないのですが、加工食品の香りはけっこう似ているのではないでしょうか?
カリンもマルメロも未熟のものは室温で管理しておくと追熟が進むので、甘い香りが漂うようになりますよ。
また、室温でもなかなか腐らないので、インテリア&芳香剤として楽しむのも全然アリです。
2-3.食べ方が似ている
カリンもマルメロも、石細胞が多いため生では食べられません。ただ、先述した通り、加工することで素晴らしい風味になります。
例えば、以下の調理が一般的に人気です。
野菜ソムリエHiroもだいぶ前にマルメロジャム(というかソース的なもの)を作った経験があるのですが、よく洗って、皮つきのまま切ればOK!
種に薬用効果があるといわれているので、種はお茶パックみたいなものに入れて一緒に煮ました。
そして、煮詰めていくとすごく綺麗な赤色になるんですよ( ◠‿◠ )風味も最高で、ヨーグルトなんかにかけていただきました~。
2-4. 薬用効果が似ている
かりんは、昔から中国では漢方薬として喘息の治療やせき止め、利尿・疲労回復などに利用されていている果物。
マルメロも同様に古くに咽喉痛、赤痢、腸の出血などに利用されていました。
芳香のもととなっている精油成分(トリテルペン化合物)が、のどの炎症緩和に関係があるとされています。
だからのど飴にかりんがよく配合されているんですね~。でも実は、のど飴に使われているカリン成分の多くはマルメロとの噂もあるみたいです。
2-5.栄養価が似ている…?
最後に比べたのはカリンとマルメロの栄養価。似ているとはそこまで言い切れないところがあるのですが、以下の表をご覧ください。少し目立っている3つの栄養価をピックアップしました。
ビタミンC 100g中 25mg – 風邪の予防や老化防止に関係
カリウム 100g中270mg – 細胞の浸透圧を維持/水分の保持などに関係
不溶性食物繊維 100g中8.0g – 便秘の予防と改善に関係
ビタミンC 100g中 18mg
カリウム 100g中160mg
不溶性食物繊維 100g中4.4g
ということで、調べてみると栄養価ではどちらも実はそこまで優れているわけではなかったのですが、咳止めに効くといわれる薬用効果のため、「かりんってすげえええええ!」ということになっていたようです。
まとめ:これからはカリンとマルメロの違いを理解して購入しよう!
ということで、いかがでしたか?
カリンとマルメロが似て非なるものであることが分かったのではないでしょうか?
野菜ソムリエHiroも昔日本のスーパーでカリンを購入したことがあるのですが、それがマルメロと気付いたのは少し経ってからだった苦い(カリンだけに!)想い出があります。
もし、身近な人がカリンとマルメロを混同していたら、ぜひこの記事のことを教えてあげてくださいね!
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