長寿の神果!天然甘味料「羅漢果(ラカンカ)」知っておきたいことまとめ5
2022/10/26
皆さん、下の写真の果物をご存知ですか?
「この丸くて茶色いもの、一体何なの・・・?」という方も多いかもしれませんが、中国で非常にポピュラーな果物「羅漢果(ラカンカ)」です!
今回は、羅漢果を大特集。どのように食べるのか、どんな魅力があるのかなどをまとめて5つに分けて紹介します。
この記事の目次
1. 羅漢果(ラカンカ)は中国の桂林地域が世界の生産量の9割を占める
中国広西チワン族自治区に位置する桂林(けいりん)を原産とする羅漢果はウリ科ラカンカ属の多年生つる植物です。
(※英語版Wikipediaでは、中国南部とタイ北部が原産とされています)
羅漢果には昼と夜の大きな温度差、セレン(元素の一つ)に富み緩やかな土壌環境が必要といわれていて、現在も主に原産地である桂林で栽培されています。(桂林の西南部に位置する永福県、融安県、臨桂県が主な産地で、世界の生産量の9割を占めるといわれていて、羅漢果は桂林市の特産品としても知られています)
既に何百年も栽培されている歴史のある果物で、中国の桂林地域の広西にある13世紀の中国の僧侶の記録で最初に羅漢果について言及されているといわれています。
熟すと緑色になってツヤのある見た目になる羅漢果は、9~11月頃に収穫されます。以下の動画に羅漢果が実っている様子が確認できるので、チェックしてみてください。
中国の言葉では「luó hàn guǒ」、英語では「Monk Fruit(モンクフルーツ=僧侶の果物)」と呼ばれています。羅漢果という名前の由来は、色々諸説がありますが、羅漢果を見つけた羅漢僧にちなんで名付けられたともいわれています。
また、ラカントSのサイトによると、羅漢果は重点保護植物に指定されていて、生の羅漢果を中国の外へ輸出するのは厳しく管理されているようです。
中国系移民がとても多いカナダ・バンクーバーで暮らす野菜ソムリエHiroも、乾燥させた羅漢果は簡単に手に入るのですが、まだ生の果実は見たことがありません(泣)一度でいいから生の羅漢果を見てみたいものです。
(バンクーバーのチャイナタウンにあるハーブショップのようなところで簡単に手に入る羅漢果)
2.羅漢果は「不滅の果実」「長寿の神果」「オリエンタル・ゴッド・フルーツ(東洋神果)」と呼ばれている健康食品。その効能は?
ラカントSのもととなる「羅漢果」の故郷、中国桂林。
羅漢果の畑にお邪魔してきました!
羅漢果は、「長寿の神実」と呼ばれている貴重なもので、世界でただひとつ、中国桂林でしか作ることができないんです。#ラカント #ラカントS #桂林 #GUILIN #羅漢果 #糖質オフ #ロカボ pic.twitter.com/CXGe02XJ29— 榎本美沙 (@misa_enomoto) September 22, 2019
昔から中国で漢方として利用されてきた羅漢果。野菜ソムリエHiroが手に入れた羅漢果のパッケージには、「羅漢果はビタミンC(400-500mg / 可食部100g中)、グルコシド、フルクトース、グルコース、タンパク質などが豊富」と書かれていました。(※おそらく生の果実の話です)
さらに、以下のような効能に関係があるといわれています。
■ 血糖値を安定させる
■ 便秘の解消
■ 解熱
■ 肝臓の不調
■ 胃の不調
そのため、「不滅の果実」「長寿の神果」「オリエンタル・ゴッド・フルーツ(東洋神果)」と呼ばれることもあります。
先ほどもお伝えした通り、かなり古くから中国で羅漢果が薬用・食用として利用されてきたこともあり、身体にも安全というイメージも定着しているようです。
3. 見た目が茶色の理由は乾燥させて出荷させるため。見た目が黄金の「黄金羅漢果」もある
遅くなりましたがおはようございます。昨日羅漢果ってこんなに堅固な殻に覆われ城壁のようだなと思いました。中国では「長寿の神果」として重宝され、生の輸出が禁じられ日本では乾燥物しか手に入りません。来週はこの羅漢果を使ってのイベント楽しみです。今日も18時まで、よろしくお願い致します。 pic.twitter.com/5Lotx717Wg
— Cha-ngokushi (@Changokushi) September 23, 2017
先ほども触れた通り、羅漢果は生の状態では通常出回っていません。通常は乾燥させたものが世界に出回っており、元々熟した緑色の羅漢果は通常の方法で乾燥させると果皮も中の果実も茶色になります。
乾燥させた羅漢果は薄い殻の中に、乾燥した果実と種が入っている感じになります。(種がいっぱい入っているのでびっくりします)殻は手だけでも割ることができます。
下の動画では、生の羅漢果を乾燥させる様子が映されています。(なぜか黄色っぽいものが多いのですが・・・)
しかし、黄金羅漢果も2014年頃から出回っていて、茶色のものよりクオリティが高いことが知られています。
以下、こちらの(おそらく)中国系ハーブショップのウェブサイトに記されていた羅漢果の違いについての部分を意訳してみました。(というより会社の中国出身の同僚に頼んで意訳してもらいました汗)
直火で乾燥させるため、糖度が低くなり苦味も強い。栄養価が(ほぼ)欠損している。
第2代羅漢果(中の果実の色が第一代と異なる)
電気オーブンで乾燥させるため、直火より色が保たれる。糖度は第1代よりも高いが、焦げのため苦味は同程度にある。栄養価は50%以上保たれる。
第3代羅漢果(黄金の果皮で中の果実も白い)
2014年から始まった低温脱水技術で乾燥させている。羅漢果本来の色合いが残り、糖度がほぼ保たれる。さらに、栄養価が98%以上残る。
(バンクーバーで手に入れた黄金羅漢果)
ということで、「第1代の羅漢果の栄養価って本当にほぼ無くなっているの~?(疑いの眼差し)」と思った野菜ソムリエHiro。一応ネットで調べてみたのですが、その点については情報を確かな得ることができませんでした(´;ω;`)ウゥゥ
ただ、乾燥させるプロセスで見た目や糖度も異なってくることが良く分かったかと思います。
4. 抽出物(エキス)は砂糖の300倍の甘さでゼロカロリーなので、ダイエットにもいい?白砂糖の代わりに利用される自然派甘味料としても利用される
皆さんの中にも「白砂糖が身体にあまりよくない」という話は聞いたことがあるのではないでしょうか?本当なのかどうかは様々な議論が交わされていますが、実際にステビアなど白砂糖に替わる甘味料を利用している方もたくさんいますよね。
そして、羅漢果の抽出物は砂糖の約300倍甘くてカロリーゼロといわれています。(普通に羅漢果を茹でるだけでも、砂糖の数倍、数十倍の甘さになるといわれています)
羅漢果を使った「Lakanto」という甘味料(カロリーゼロ)を販売している会社の以下の動画では、羅漢果は他の甘味料に比べて砂糖に非常に近い味わいを持っていると語られていました。(※残念ながら動画は現在非公開になっています)
また、野菜ソムリエHiroがバンクーバーで購入した黄金羅漢果のパッケージには、以下のように書かれていました。
As a low-calorie sweet substance being 300 times sweeter than sucrose, it is an ideal sugar substitute for diabetic patients and obese individuals.
ということで、普通に羅漢果を茹でた場合は甘くて低カロリーな飲料になるのですが、エキスを抽出して精製された加工品はゼロカロリーの甘味料であることが魅力となっています。
日本でも「ラカントS」(カロリーゼロ、糖類ゼロの植物由来の甘味料)など、羅漢果が使用された商品が出回っています。皆さんもスーパーなどで一度は見たことがあるのではないでしょうか?
糖尿病の方をはじめとして、ダイエット中の方や甘いものを控えているという方は一度試してみるのもいいかもしれません。
5.羅漢果の簡単な摂取方法
中国系のハーブショップなどで乾燥させた羅漢果を手に入れた際は、ぜひ羅漢果茶をつくってみてください。作り方は超簡単です。鍋に砕いた羅漢果と水を入れて茹でるだけ!
羅漢果って実を頂いたので
作り方にしたがって羅漢果茶作ったら綺麗な琥珀色になって黒糖の匂いがする、ほんのり甘くて美味しいなにこれ pic.twitter.com/X2lRwUJxTE— あやし (@a_ya_sh1) May 26, 2020
以下、野菜ソムリエHiroが羅漢果茶をつくる流れです。
乾燥した羅漢果・・・1つ
水・・・1.2リットル
作り方
1. まず羅漢果を砕きます。(そんなに細かく砕かなくてOKです)手を使ってまな板なんかに叩きつけると、簡単に割れます
2. 鍋に水と砕いた羅漢果(果皮と果実両方)を一緒に入れて茹でます。(羅漢果の破片を後で取るのが面倒な方は、お茶パックを使うと便利です。羅漢果1玉でだいたい3パック程度になりました)
3. そのまま茹でていくと、羅漢果の成分が溶けだして、熱湯の色がだんだん変わってきます。味を確かめながら、お好みのところで火を止めていただいてください。甘味が濃すぎる場合は、飲みやすいと思えるまで水を加えてください。(野菜ソムリエHiroは20分くらい茹でてます)
(黄金羅漢果を茹でると、色合いも黄金?琥珀色?になりました~♪)
野菜ソムリエHiroは初めて羅漢果茶を飲んだときは、「うわ、甘いしナッツみたいな風味があって、なんか癖があるな~!苦手かも~!(涙)」と思ったのですが、そのときは単純に水の量が少なくて味が濃すぎただけでした(爆)
水で薄めてみると、個人的にはとても飲みやすい砂糖水のようなイメージでしたよ。
もし、「1玉まるまるは多いかも~」という方は砕いたものの一部だけ茹でるのもOKですよ♪
最後に:羅漢果(ラカンカ)の加工品でもいいので、その砂糖みたいな甘さをぜひ体験してみてください
バンクーバーのチャイナタウンでは知ってる人は知っている果物(羅漢果)が常に店頭に並んでいるイメージがあります☺️👍 pic.twitter.com/ZG73sqkUBj
— カナダの野菜ソムリエHiro (@hiro_vegetable) June 5, 2020
ということで、いかがでしたか?
日本にもチャイナタウンがある場所もあったりするので、乾燥させた羅漢果を手に入れるのはそこまで難しいものではないかと思います。
普段からカロリーを控えている方や、風邪などの病気を患っている方、ぜひ一度羅漢果を利用してみてはいかがでしょうか?
Amazonにも羅漢果を使った加工品がいくつかあったので、一度チェックしてみてください。野菜ソムリエHiroも最近よく羅漢果茶をいただいていますよ( ◠‿◠ )