野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

カナダで自然薯掘り!? ヤーコン・長芋・大浦太ごぼう農家さんを訪問!

2016年12月4日(日)、カナダのBC州にあるサレーで自然薯掘りをするという農家さんを訪ねました。日本でもなかなか見かけないような野菜のオンパレードで興奮ッ!

 

ヤーコンで始まる出会い

そもそもの発端は最近始めたTwitterからでした。
11月20日に偶然お店で発見したヤーコンの写真を投稿したのですが、なんとそのヤーコンの生産者「ハーロックさん」(仮名)が見つけてくださったんです。

そして、「12月4日に自然薯掘りをするから、なんならサレーにある農場に見に来てもいいよ」と誘っていただいたのでした。(なんという優しさ!)

 

バーナビーから1時間かけてサレーまで

ということで、朝6時に起きて、ドキドキしながらサレーまで行ってきました。
(といってもハーロックさんにKing George駅まで来てもらい、農場まで車で送迎していただきました。本当にありがとうございます。車運転できなくてすいません。)

農場は、King George駅から車で焼く15分ほど行ったところにありました。
そして、農場の地主でもある日本人の O さん(以下、オーさん)にご挨拶。お世話になります。

軍手や長靴まで用意していただいて、本当に致せり尽くせりなのでした。
それでは、早速収穫スタートです!

 

まずはヤーコンの収穫

まずは目玉の自然薯掘りの前に、ハーロックさんにヤーコンの収穫を見せてもらいました。

★ヤーコンを知らない方のために少し解説

・根にオリゴ糖が多く甘みがある変わった野菜。

・アンデス山脈一帯では、伝統的に先住民によって、よく知られたナス科のジャガイモのほか、カタバミ科など様々な科にまたがった芋状の根菜類が栽培化されてきたが、ヤーコンもそのひとつである。

収穫後1-2か月の保存によって分解してオリゴ糖となり、甘みが生じる。生で食べると、かすかにポリフェノールに起因する渋みを感じるものの、甘くしゃきしゃきした、ナシの果実に近い食感を持つ。

・サツマイモに似ていて、サツマイモのように肥大するが、栄養生殖器官としては機能しておらず、これだけ植えても芽(不定芽)は出ない。

・炒める、煮る、揚げるなどの加熱調理もされる。加熱すると、加熱したヤマイモに似た食感となる。

プロバイオティクスに役立つと考えられ、煎じて一種のハーブティーとして利用される。

Wikipedia

これ(↑)、皆さん何だか分かりますか?ヤーコンの塊茎です。

そして、ハーロックさんがヤーコンの塊茎を豪快に引っこ抜くと、立派なヤーコンがたっぷりができていました。

どん!
見事ですねぇ~。日本では1回しか見たことがなかったヤーコンがどっさりと実っていたのでありました。(感動!)

ちなみにハーロックさんによると、ヤーコンは刺身なんかで食べても美味しいそうです。
確かにウィキペディアにも「生で食べると梨のような味がする」と言っていましたし、今度試してみようと思います。

また、ヤーコンは収穫後にすぐ食べるのではなく、貯蔵することで甘みが増す野菜ということを教えていただきました。少しお裾分けしていただいたので、後日食べるのが楽しみです。

 

自然薯掘り

ヤーコンの収穫を終えた後、自然薯掘りがいよいよスタート!

とはいえ、自然薯は元々地面の下で育つわけですが、ヤーコンに比べて縦にえらい長いので、掘るのが大変。

ということで、ハーロックさんとOさんはわざと収穫しやすいように、盛り上げた地面をつくって、そこで自然薯を栽培していたわけなのでした。
(バンクーバーのスーパーで商品を運搬する際に使っているパレット(丈夫な木の板)をもらってきて、土が崩れるのを防いでいました)

で、パレットをひとつずつ外し、土をまるで化石を探すみたいに掘って、自然薯を収穫していました。これなら、地面深くまで一生懸命掘る必要がないですもんね。


(写真中央が自然薯)

ただ、掘っていく中、アクシデントで折れてしまうものもちらほら。立派なものがたくさんできていたので、なおさら悔しかったです。


(土の断面からのぞく長芋)

そして、実は色々な種芋が混じっていたらしく、収穫できたのは、

・長いも(中国原産種)
・イチョウ芋(南方原産種)
・自然薯(日本原産の在来種)

という3種類。

特に長芋と自然薯の違いを見分けるのがなかなか難しいもので、素人目にはどちらが長芋でどちらが自然薯か分からない感じでした。

良い機会なので、ここで見た目で山芋を見分ける方法を復習しておきます。
ちなみに、自然薯、大和芋、長芋等を総称して「山芋」と呼ぶんですよね。

山の芋4種の見分け方

長芋の見た目
長形
切り口が長芋は扁平になりやすい
肌が薄めで白っぽい
太め

大和芋の見た目
イチョウのカタチや手の平に似ているので、すぐに見分けがつく

︎自然薯の見た目
肌が濃い目の色
天然ものは真っ直ぐに育たない
細め

︎ちなみに・・・和稔じょの見た目
毛や毛穴があまり無いので、肌がすべすべ
見た目がキレイ

※「粘り」の強さは以下の順です。自然薯 > 大和芋 > 長芋の順
(和稔じょはどこに入るのか謎です。ご存知の方、ぜひ教えてください)

最終的に、4,5箱にたっぷりの自然薯などが収穫できました。

それを洗えば、こんな感じに。
皆さんはどれが長芋でどれが自然薯か分かりますか?

そこまで肌の色が濃い目のものがなかったので、全て長芋といえば長芋で通じるレベル。。。ただ、自然薯はまっすぐに育たないので、くねくねと育っているものは自然薯ともいえるかもしれません。

つまり、やっぱり洗っても素人目にはあまり見分けがつくものではありませんでした(´;ω;`)クヤシィ…

それでも、自然薯掘りを見学できたのは、本当に良い経験となりました。
 

大浦太ごぼうの収穫

自然薯の収穫が終わった後、Oさんが大浦太ごぼう(これもかなりレア野菜)の収穫を見せてくださいました。

大浦太ごぼうとは
千葉県八日市場市大浦地区で栽培されてきた、太くて短根のごぼう。日本一のごぼうと呼ばれることも。
繊維質が少なく、肉質は柔らか。京料理など高級料理に使われる。煮物に最適。

こちらは機械を使って、地中をザクザクと掘ります。
すると、ごぼうがわんさか出てきました。

Oさんが手に持っているものも、ただの木の枝ではなく、全部大浦太ごぼうです。

カタチこそ悪いものの、正真正銘の大浦太ごぼう。
日本(岡山)でもお目にかかったことがなかったので、感動!
ごぼうの収穫現場というのも、生まれて初めて見たので、新鮮。Oさんのご厚意に本当に感謝でした。

 

まとめ

ということで、まさかバンクーバーで、ヤーコンや自然薯、大浦太ごぼうのようなレア野菜たちに出会えるとは思いませんでした。

このような機会を与えてくれたハーロックさん、そして見学させてくれた O さん、本当にありがとうございました。

しかもその後、色々な野菜をお裾分けまでしていただき、本当にし・あ・わ・せ。

たくさん勉強になりました。
そして、「採れたての野菜はやっぱりいいなぁ。」と実感した一日となりました。

それぞれの野菜の詳しい情報については、後日まとめようと思っておりますので、お楽しみに。