鍋野菜として大活躍の春菊。
歴史
地中海沿岸原産。関西では菊菜ともいう。
日本には室町時代に渡来したと思われる。江戸時代に食用として栽培がスタート。
春になるとトウが立ち、黄色い花が咲くことが名前の由来。
産地
主要産地は、千葉、大阪、群馬、栃木など。
大葉種は中国地方以北では、あまり生産されていない。
時期
周年出回る。10-3月が需要が多い。
11-3月ごろまでが旬だと思われる。
見分け方
葉がみずみずしく張りがあるもの。
葉先がしおれていないもの。
香りの強いもの。
茎が細く短めのものが軟らかい。
切り口が新しいものを選ぶ。
色が濃いものは苦味も強いはず。淡い緑色のものを選ぶ。
葉色が黄色いものは窒素不足らしい。
栄養
カロテン4500ug/100g(ほうれん草、小松菜より多い)
ビタミンC 19mg/100g
ビタミンB、カリウム、マグネシウム、鉄分を含む。カルシウムは100gの牛乳とほぼ同量。
独特の香り成分(ベンズアルデヒドやアルファピネンなどの約10種類の成分)は、自律神経に作用。胃腸の働きを促進、消化吸収をよくする作用があるらしい。たんやせきも鎮める。
春菊のビタミンCは収穫後、急速に減る。
料理
牛肉の独特の臭みを消すことができるので、すき焼きにぴったり。
鍋に入れるときは葉と茎を切り分け、茎を先に入れ、茎が柔らかくなったころに葉を入れるとよい。
油脂分があり香りが強いものとの相性がよい。
鍋物、おひたし、味噌汁の実、天ぷら。
アクが少ないので、下茹で不要。
旬のものなら、葉先を手でちぎり、生のままドレッシングで食べても風味がよくおいしい。
茎は茹でて和え物やサラダにするとよい。
保存
新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫。4-5日で使い切るべき。
ゆでて冷凍もできる。
販売のポイント
・鍋料理には欠かせない
・基本即日完売。日持ちしない。
・冬は鍋物野菜でまとめる。夏場には和風野菜の近くに陳列。
・特に冬から春にかけて栽培されたものがパリッとしていて、しかも軟らかいそう。
その他情報
・関東以北では中葉(写真のもの)、関西では大葉(葉肉が厚い。葉の形は大きく丸い)が好まれる傾向がある。
・大葉品種は、香りが弱い。中葉は香りが強い。小葉種も香りが強いが、収穫量が少ない。
・葉の切れ込みの浅い大葉種、切り込みの深い中葉種、小葉種がある。中葉種が主力。
・ヨーロッパでは観賞用植物として栽培される。食用として扱っているのは東アジアのみ。
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正直、鍋に使う野菜、と捉えていたのですが、
調べてみると、もっと食べ方もたくさんあるんですね。
すき焼きに入れるのは理にかなっていたんですね。
また、東アジアでのみ食べられていることも知りませんでした。
独特の苦味がヨーロッパでは受け入れられないのかもしれません。
岡山では、地元産のものは大葉品種をよく見かけますが、
大葉は肉厚ながら、香りが弱いのですね。
今回購入した福岡県産のパッケージにレシピがあったので、掲載させていただきます。