野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

砂糖のような甘さ!シュガーローフパイナップルについて知っておきたいこと5つ

   

皆さん、果肉が白いパイナップルを食べたことはありますか?

白果肉パイナップルといえば、ハニークリーム・パイナップルやピーチパインなどがありますが、非常に甘くジューシーな「シュガーローフ・パイナップル(Sugarloaf Pineapple)」を皆さんご存知でしょうか?

s8

今回は、日本ではあまり知られていないシュガーローフ・パイナップルについて知っておきたいことを5つに分けて紹介したいと思います。
(実際に食べた感想はこちらの記事にまとめました)

 

1. シュガーローフパイナップル(Sugarloaf Pineapple)はハワイ以外でも栽培されている

シュガーローフはパイナップルの品種の一つです。シュガーローフが西アフリカで生まれた品種という人もいれば、ハワイのラナイ島で「スムースカイエン」の突然変異種として発見されたという人もいます。つまり、100%確かな起源は分かっていないようです。

「シュガーローフ」という名前の由来は、角砂糖やグラニュー糖が導入されるまで円錐形に固められて売られていた砂糖を指すといわれています。名前からして砂糖のような甘さのパイナップルであることが伝わってきますよね。

IMG_6585(ハワイのWhole Foods Marketで販売されていたカウアイ・シュガーローフ・パイナップル)

野菜ソムリエHiroがシュガーローフパイナップルに出会ったのは、2022年11月。ハワイ・オアフ島にあるオーガニック系スーパー Whole Foods Marketでした。

量り売りで1玉 $4.99 / ポンド で販売されていて、購入したものは1玉13.62ドル(1アメリカドル130円とすると約1,770円)でしたよ。日本のブランドパイナップルに比べたら安いかもしれませんが、北米の一般的なパイナップルと比較すると、そこそこ高いと思います。

そのときはハワイでのみ栽培されている品種かと思ったのですが、実はSpecialty Produceによると、シュガーローフパイナップルはハワイだけでなく、フロリダ南部、西アフリカ、ルワンダ、および南アメリカの一部で栽培されているとのことでした。

そして、特にハワイの「カウアイ島」と西アフリカの共和制国家「ベナン」で商業的に栽培されているようです。

地図(↓)で見ると、カウアイ島もベナンも同じような緯度に位置していることが分かります。Specialty Produceによると、十分な降水量があり、気温が華氏 40 度を下回らない地域でのみ育つといわれています。

また、以下のように栽培地域によって呼び名が少し異なるとも記されていました。

  • 南米:Pan de Azucar(パン デ アズカール)
  • ブラジル:Brazilian White pineapple(ブラジリアンホワイトパイナップル)
  • ハワイ:Kona pineapple(コナパイナップル) Kona Sugarloaf(コナ シュガーローフ)

こうして様々な地域で栽培され輸出もされているようですが、多くは現地で消費されているようです。(カナダでは見たことがありません・・・)

 

2. ハワイ・カウアイ島ではブランド化された「Kauai Sugarloaf Pineapple」が栽培されている

この記事を見てくださっている方の中には、「ハワイでシュガーローフパイナップルの存在を知った」という方も多いかもしれません。(野菜ソムリエHiroもその一人です)

ハワイ・カウアイ島にあるHole in the Mountain Farmでは、25万株ものシュガーローフを栽培しています。

Hole in the Mountain Farmのシュガーローフはブランド化されていて、「カウアイシュガーローフパイナップル(Kauai Sugarloaf Pineapple)」という名前で販売されていて、ローカルのマーケットなどで手に入ります。

そして、アメリカ本土にお住まいの方はHole in the Mountain Farmの運営するオンラインサイトでも購入可能ですよ。

 

農園の歴史を少し辿ってみると、農園主のヒューバー夫妻(ポールさんとジュードさん)は1997 年に大学の友人といっしょに農場を購入。最初はモロアア(Moloaʻa)の数百エーカーの土地に、サンライズパパイヤ、ランブータン、リュウガン、アボカドを育てていたそうです。また、当時40エーカー以上の土地にシュガーローフを植えて収穫し、毎週LAに輸出していたとのことです。

その後、友人とのパートナーシップが終了し、夫婦は残された38エーカーの土地を使って、シュガーローフやリュウガン、マンゴーなどを栽培。他のパイナップルの品種には手を出さず、25年以上にわたって今もシュガーローフを栽培しています。

 
シュガーローフパイナップル栽培は手間がかかり、熟すまでに18~24ヵ月かかります。農園では2日ごとに畑を歩いて、熟したものを手で収穫。日焼けを防ぐために果実を紙で覆うこともあるそうです。

1年中収獲されていますが、ピークシーズンは夏中旬~下旬になります。

ちなみにHole in the Mountain Farmは、現地のファーマーズマーケットにも毎週出店もしていて、シュガーローフパイナップルを購入できたり、シュガーローフパイナップルのジュースもいただけるようですよ。

 

3. アフリカのベナンではシュガーローフパイナップルが西アフリカで最初の地理的表示(GI)として認定

もう一方で、別の産地であるベナンのシュガーローフパイナップルについても少し調べてみたのですが、実は2021年にベナンのシュガーローフは西アフリカの国で最初の「地理的表示」(GI:geographical indication) に認定されたそうです。

ここで「地理的表示(GI)とは何ぞや?」と思ったので、調べてみました↓

地理的表示(GI: Geographical Indication)とは
 農林水産物・食品等の名称であって、その名称から当該産品の産地を特定でき、産品の品質等の確立した特性が当該産地と結びついているということを特定できるものです。地理的表示として登録が認められた産品には、地理的表示と併せて登録標章(GIマーク)を付すことができます。

地理的表示産品情報発信サイト

こちらの IPR DAILY の 記事では、最近の調査によると、地理的表示(GI)認定された食品は平均して 43% のプレミアム価格がかかると書かれていました。(※地理的表示について分かりやすくまとめられているページはこちら

また、記事には「ベナンでは人々の38%が農場で働き、45%が1日1.90ドル未満で生活している国である」「このGI認定による価格の上昇が、ベナンの農家にとって大きな違いを生む可能性がある」ともありました。

上の2021年のTwitterの投稿は、ベナンのシュガーローフパイナップル農家のTamou Alphonseさんについてなのですが、果実を収穫するには17ヵ月かかり、メンテナンス費用が高いため、利益が出ていないという内容でした。

その後地理的表示(GI)認定によってどこまで価格が変わったかの具体的な情報は得られなかったのですが、ベナンのシュガーローフ農家の方たちが以前より裕福になっていることを願いたいですね・・・。

 

4. 感動レベルの味わい(※超主観的で申し訳ないのですが、野菜ソムリエHiroはめっちゃ感動)

s11

シュガーローフパイナップルは糖度の高さと白~クリーム色の果肉であることが特徴といえます。また、果肉が他の品種に比べて柔らかく、繊維が少ないことでも知られています。

先ほども紹介したハワイ・カウアイ島でブランド化されている「カウアイシュガーローフパイナップル(Kauai Sugarloaf Pineapple)」を初めて食べたときは、個人的にその味に大感動してしまいました。

s17

糖度が非常に高いだけでなく酸味もちゃんと感じられて、果汁が多かったので、ジューシーさが100点満点!口の中で広がる香りもとてもよく、しつこくない甘さなので、一度に1玉丸ごと食べられてしまう味わいだと思いました。

いっしょに試食をした同僚の方たちも口を揃えて「今まで食べたパイナップルと全然違う!」「最高のパイナップル」「ほんとに砂糖みたいに甘い」と、すごく高評価でした。

さらに芯の部分も柔らかくて、食べても全く気になりませんでしたよ~。

もちろんベナンなどハワイ・カウアイ島以外の地域で栽培されているものはまた品質が異なるかとは思うのですが、シュガーローフの糖度の高さを全世界のパイナップル好きに知って欲しいと個人的に思っています。


 

5. よいシュガーローフパイナップルの見分け方は?熟度について

シュガーローフ パイナップルは円筒形で、重さは平均 4 ~ 6 ポンド(1.8kg~2.7kgほど)。

糖度が基本的に高いシュガーローフパイナップルは、手に取ると見た目より重く感じるかもしれません。(砂糖は水より重い)なので、基本的には見た目よりもずっしりと重いものを基準に選ぶと良いかと思います。

s2

また、ハワイ・カウアイ島では基本的に十分熟したものが収獲されていますが、シュガーローフは熟しても果皮は緑のままです。果皮は緑がかったもので「目」の中央部分が黄色いものを選ぶことが推奨されています。

果肉が黄色のパイナップルの場合は、果皮が黄金色のパイナップルをあえて選ぶ方も多いかと思いますが、ハワイ・カウアイ島のシュガーローフパイナップルにおいては、果皮が黄金色になっていたら既に最盛期を過ぎて発酵を始めていることを示しているとのことでした。

IMG_6583

ちなみに、パイナップルは収穫後に熟さないので、購入したらすぐに食べるのをオススメします。

シュガーローフは糖度も高く、一般的なパイナップルより果肉が柔らかいこともあり、傷むのが早いようです。購入から数日以内に食べるのがベストで、保存する場合は冷蔵庫に入れて、1週間以内に食べるようにしましょう。

 

最後に:ハワイ・カウアイ島に行けばシュガーローフパイナップル畑が見られるツアーに参加可能

最後になりますが、先ほども紹介したハワイ・カウアイ島のモロアア(Moloaʻa)と呼ばれる地域(カウアイ島のリフエ空港から北へ車で約30分)にある Hole in the Mountain Farm では、木曜日の午前9時のみ農園ツアーが行われています。

つまり、たくさんのカウアイシュガーローフパイナップルを間近で見られるんです!

ツアーでは島のパイナップル歴史について学んだり、パイナップルの植え付け方法を学び、ツアー参加者が植え付け作業を体験できる機会もあります。

また、シュガーローフパイナップルを畑から収獲して、そのまま一玉持ち帰ることができるそうですよ。

さらに、カウアイシュガーローフパイナップルの試食だけでなく、シュガーローフパイナップルでつくられたドリンクも試飲も!

収獲したてのシュガーローフパイナップル、一度味わってみたいですよね~!気になる方は(私です)、Hole in the Mountain Farmのウェブサイトのツアーページを確認してみてください。

ツアー時間は約2時間で、費用は2023年1月現時点で大人一人につき85ドル。(10歳未満の子どもは45ドル、4歳以下の子どもは無料)

午前のツアーが満席の場合は、午後のツアーの開催も検討されるとのことですよ。

s4

ということで、いかがでしたか?
シュガーローフパイナップルがどんなものか、なんとなくでも伝わったのであれば、幸いです。

「まだ一度も食べたことがない」という方は、ぜひ手に入れてみてください!

Kaua`i Sugarloaf™ Pineapple
【公式サイト】

Speciality Produce
Sugarloaf Pineapple

 


ソフトパイン (フィリッピン産 ) 1kg パイナップル ドライフルーツ


はごろも 甘みあっさり パイン(パウチ) 180g×4個 (4255)

 - シュガーローフ