台湾高雄生まれの巨大品種!金煌芒果(キンコウマンゴー)まとめ。食べた感想も
2022/10/25
以前2019年夏に野菜ソムリエHiroは台湾へ旅行したのですが、そこで台湾は超絶マンゴー天国であることを身をもって知りました。
(台湾・台北の卸売市場「第二果菜批發市場(濱江果菜市場)」でマンゴーを物色する野菜ソムリエHiro)
旅行中には細長いカタチの赤々とした「西施芒果」と、たっぷりと太った黄金の「凱特芒果(ケイト種)」を発見!
しかし、台湾にはもっと色んな品種のマンゴーがあることを知っていたので、「次は絶対もっと色んなマンゴーが手に入る時期に行くぞ~!」と、今も思っているんですね。
バンクーバーに数カ所ある中国発のスーパー Sungiven Foodsに行ってきました
アジアの Trader Joe’s的イメージでちょっと洒落た品物も扱っていて大好きなんです pic.twitter.com/6lAncgHOtn
— カナダの野菜ソムリエHiro (@hiro_vegetable) July 28, 2020
そんな中、先日7月下旬に個人的に超お気に入りの中国系スーパー Sungiven Foods に行ってきました。すると、なんと台湾の中でもマンゴー産地として有名な高雄からカナダまで直送されたマンゴーが販売されていたんです!
それがこちら。
うおおおおおお!!
カナダで台湾で人気の金煌マンゴー見つけましたよーー!!!
食べたかったやつーー!!! pic.twitter.com/97JUeqilMb
— カナダの野菜ソムリエHiro (@hiro_vegetable) July 28, 2020
そーーーーーなんです!以前から個人的に「食べてみたいなぁ・・・」と思っていた金煌芒果(キンコウマンゴー)を遠く離れたカナダで発見してしまったんです!!!!(大興奮)
値札には英語で「Taiwan Chin Huang Mango」と書かれていて何のこっちゃだったのですが、中国語できちんと「台湾金煌芒果」と記されていて、よく見るとマンゴーが入っていた陳列箱にも金煌芒果ときちんと記されていました♪
しかも超巨大マンゴーなのに1つ 6.99ドル(日本円で約550円くらい)だったので、もう迷いなしに購入。
(絶対1kg以上ある重量級の金煌マンゴーさん)
ということで今回は、金煌マンゴーがいったいどんな果物なのかまとめてみました!実際に食べた感想も併せてお届けします!
この記事の目次
台湾高雄生まれの人気品種!金煌芒果(キンコウマンゴー)について調べた内容まとめ
本日は金煌マンゴー pic.twitter.com/e6i1tPBnR3
— 大塚実GO (@ots_min) May 27, 2019
それでは早速、金煌マンゴーが一体どんなマンゴーなのか調べてみた内容を大きく3つに分けてご紹介します。
実はすごーーーい人がつくったマンゴーだったんですよ。
1. 台湾高雄で黄金煌さんが生み出したマンゴーが、今や台湾庶民に愛されるマンゴーに
台湾のマンゴーといえば大きくて黄色がきれいな金煌マンゴーを見るとなんだかうれしくなります。高雄の山の方の六亀で黄金煌さんが作った品種だそうなので見ると高雄客運に乗って六亀のバスターミナルや宝来温泉に行きたくなるのですがともあれまずは食べたいものです。https://t.co/uAuaI2zKDy https://t.co/SfaNhs343S pic.twitter.com/bLJB7nnDIi
— 乗後景 (@jougokei) June 8, 2020
現在、台湾ではアップルマンゴーの「愛文」を筆頭に様々なマンゴーが出回っていますが、その中でも一般的なマンゴーとして知られているのが「金煌(キンコウ)」マンゴーです。
黄金色の美しい果皮を持ち、大きいものは1kg~2kgにもなる大玉の金煌で、生みの親である高雄県六亀郷で暮らしていた黄金煌さんの名前が由来です。
以下の動画は金煌の父である黄金煌さんの物語がドキュメンタリーとしてまとめられています。内容を要約してお届けします。
昔、黄金煌さんは退役後にキャッサバ(タピオカの原料です)を栽培していましたが、あまりお金にならなかったこと、そして当時鳳山試験所がマンゴーを推し広め始めていたこともあり、1960年頃からマンゴーを栽培することを決意。
そして、最も台湾の気候に適したマンゴーを生み出すために研究をはじめ、最初は西洋種を栽培していましたが、ある日「台湾の品種を交配したらうまくいくんじゃないか」と思い、1966年から交配をスタート。
その後は失敗を繰り返して、約8年後にキーツ種とカイト種を交配させた金煌マンゴー(正式名は金煌1号)を誕生させました。
金煌マンゴー pic.twitter.com/dMlBQTf6Gs
— もとバンギャロリータ vs 吊雞master feat. 鵝・鴨 (@Jisyoku) August 13, 2015
そんな金煌マンゴーは、当時の台湾にマンゴー革命を起こしたといわれています。革命の理由は、金煌マンゴーは愛文に比較すると
・農薬の使用量も少なくて済む点
・収穫量が多い点(あとサイズも大きい)
・病気に強い点
などの理由から台湾に広まりました。
当初金煌マンゴーは高価な価格がついていて売り上げも良かったそうですが、多くの農家がこぞって栽培を始めたことで良くも悪くも価格が下がったそうです。
ちなみに接ぎ木が成功し始めたころ特許の申請をしようと思った黄金煌さんですが、その頃の農業法には特許権がなかったため断念。その後、黄金煌さんの努力で立法院が農業法を改正し種苗法を確立したそうです。
上の動画では「台湾の優秀な農家10人(台湾十大傑出専業農民)」として紹介されていて、台湾の農業界を変えた存在と言っても過言ではなさそうですが、そんな台湾マンゴー界のレジェンド的存在の黄金煌さん、85歳で既にお亡くなりになっていました。
黄金煌さんが亡くなった後も変わらず国民に金煌マンゴーが愛されているのが素敵ですよね。
2. 金煌マンゴーは樹上では完熟させず追熟させるタイプ
金煌マンゴー
キンコーマンゴー pic.twitter.com/TO5u2DYht7— この世界の片○仁 (@rn_kk_oka) August 17, 2017
金煌マンゴーのルーツが分かったところで、次は栽培に関して。
なんと金煌マンゴーは樹上で完熟させるには向いていないため、収穫後に追熟させるタイプのマンゴーということが分かりました。
つまり、バナナなんかと一緒で緑っぽい段階で収穫して後は黄色っぽく熟してくるのを待つんですね~。
ちなみに先ほど紹介したドキュメンタリー動画には、「おいしい金煌は7、8分熟れのときに収穫しなければならない」「ヘタと乳汁を取って、布団をかぶせて温め、成熟を促す」とテロップが出ていました。
また、上の動画は金煌マンゴーを収穫している農家の方を映したものなのですが、まだまだ緑色のマンゴーを収穫している姿が確認できます。
日本で人気の「太陽のタマゴ」などのアップルマンゴー(アーウィン種)は、樹上で完熟させることで甘味を最大限に蓄えることができるのですが、金煌マンゴーはまったく逆なんですね~。
そこがとても面白いと個人的に思いました( ◠‿◠ )
3. 日本でも沖縄県で少量だけ栽培されていて幻の果物と呼ばれることも
先日後輩が仕入れたときの沖縄キンコーは緑でしたけど、そちらのは黄色いですね。
私も5年ほど前に沖縄で見たものは黄色かったんだよなあ… pic.twitter.com/vAji2Cy6Ar
— 豊洲市場ドットコム (@tsukijiichiba) July 28, 2020
野菜ソムリエHiroは豊洲市場さんのTwitterをいつも楽しみに拝見しているのですが、先日沖縄で金煌マンゴーが栽培されていることを教えてもらいました!
ネットで検索してみると、日本でも沖縄で極少量の金煌マンゴーが栽培されていることが分かりました。つまり、日本に住んでいながら金煌マンゴーをトライするチャンスがあるということー!
さらに上の動画を見ると、なんと紅い金煌マンゴーを育てている方もいました。
「紅い金煌マンゴーなんてあるの?」と思って調べてみたところ、中国語版のWikipediaには「赤い金煌としても知られる玉文マンゴーはカタチとサイズが金煌によく似ていますが、皮と味は愛文(アップルマンゴー)似ています。」と書かれていました。
調べてみると、「金煌」と「愛文」の交配品種が「玉文(ギョクブン)」だったんですね~。一度食べてみたい・・・。
台湾からカナダへ直送された金煌芒果(キンコウマンゴー)を実際に食べてみた感想
ということで、カナダで手に入れた金煌マンゴーを実際に食べてみたので、その味をお伝えします!
今回購入から約3日常温で保管しておいたものをいただいてみました。(皮にちょっとシワが入ったくらいです)
台湾産の金煌マンゴーがまさかカナダで手に入るとは…感激
果実デカすぎ、果実重すぎ、最&高 pic.twitter.com/DMcnALOt5M
— カナダの野菜ソムリエHiro (@hiro_vegetable) July 28, 2020
もうまず言いたいのはですね、金煌マンゴーって本当に大きくて重いんですよ!もう軽くダンベルみたいなイメージです(?)
「これ1つでどれだけ果肉が食べられるんだろう・・・」とヨダレを垂らしながらナイフを入れてみると・・・
美し~い黄金の果肉が顔を出しました。あぁ、この輝き、幸せ・・・。
動画でもぜひご堪能ください↓
台湾産のめちゃデカマンゴー 金煌(きんこう)の果肉の輝きをご覧ください。 pic.twitter.com/I6wv9KW8ex
— カナダの野菜ソムリエHiro (@hiro_vegetable) July 30, 2020
そして切れ目を包丁で入れたものがこちらです。幸せの頂点。
台湾産の金煌マンゴーを切ってみました。 pic.twitter.com/8WkUH3cnx1
— カナダの野菜ソムリエHiro (@hiro_vegetable) July 30, 2020
実際に食べてみると、まずそのほどよい甘味に驚きました。最近のマンゴーって「うわー!甘いー!」っていうものが多いのですが、金煌マンゴーはほどほどに甘くてそれがすごく新鮮な気持ちになりました。
アップルマンゴーの太陽のタマゴの甘さが100だとしたら、金煌マンゴーの甘さは60くらい。でも、甘くないわけじゃないんです、すごい「ほど良い甘さ」んです!(強調)
また、酸味はあまり感じなくて、繊維感がほぼありませんでした。なので、「あれ?マンゴープリン食べてるみたい。こんなに繊維っぽさを感じないマンゴー初めて・・・」って本気で思いました。
さらに、特筆すべきはやっぱりそのボリューム!!
マンゴー1玉でこんなに果肉を収穫できたのは人生で初めてって思えるくらい、果肉が詰まっていました。
しかもマンゴーって芯の部分があるから、芯が大きいとなんだか損した気分になりませんか?でも、金煌マンゴーは芯がすごく薄くてビックリ。だから余計に果肉が多めでした。
結局朝に半分くらい食べて満足度が既にすごくて、半分は翌日用に残すことにしました。(飽きずに丸々食べることができそうだと思いましたが、せっかくなので2日に分けましたw)
金煌マンゴー、また買いたいと思わせてくれるような品種でした。大好きです。
金煌マンゴーをカットして食べたけど、愛文マンゴーの方が匂いや味が濃厚。だけど金煌の方がさっぱりしてて飽きにくい。食感もいいし。あと1個の量が半端なく多い。
— るち将軍子ちゃん (@ruchi_showgun) July 7, 2013
最後に:黄金煌さんに感謝!でも、台湾にはまだまだ食べてみたい品種のマンゴーがたくさん
いかがでしたか?この記事を見て下さった方が少しでも金煌マンゴーに興味を持ってもらえたのであれば、本望です。
でもやっぱり、金煌マンゴーが生まれた台湾で、生みの父である黄金煌さんのことを思いながら一度食べてみたいな~と思っています。こんなに素晴らしいマンゴーをつくってくれて本当に感謝。
そして、先週は玉井の青果市場へも。今年は嬉しいことに豊作とのこと。愛文マンゴー以外にも、愛文マンゴーと金煌マンゴーを掛け合わせた「玉文マンゴー」、リュウガンの香りがする「黒香マンゴー」、桃のような見た目の「水蜜桃マンゴー」など、さまざまな種類が並んでいました pic.twitter.com/ranEcerlrl
— カタクラ マリ@台湾探見 (@formosamari) June 30, 2017
台湾のマンゴーは10種類もあります!
すごいね
全聯に3種類あった!#台湾フルーツ#台湾果物#台湾 pic.twitter.com/F6B4b6Dejt— けい です。 (@kdilu0112_wu) June 17, 2020
ちなみに台湾には金煌マンゴー以外にも
■ 玉文芒果(アップルマンゴー× 金煌)
■ 黒香芒果
■ 水蜜桃芒果
■ 西施芒果
などがあるので、全制覇するまでは死ねません(笑)
早く台湾でマンゴーを巡る旅をしたくてウズウズしています( ◠‿◠ )
最後になりますが、金煌マンゴーを食べたことが無い方は日本でも沖縄やオンラインで手に入る可能性は十分にあるので、ぜひ探してみてくださいね~!
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