野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

カナダで中国産のさつまいも(なると金時)を発見。食べてみた感想

   

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2022年3月、バンクーバー各地にある中国系スーパー Sungiven Foods を訪れました。このお店はアジア圏から珍しい果物を仕入れてくれるので、個人的にお気に入りなんです。

特に日本のさつまいもを不定期で扱っていたりするので、重宝しています。今までにも、種子島産の「安納芋」や茨城のブランドさつまいも「紅和み」、そして宮崎県産のブランドさつまいも「葵はるか」を過去に扱っていたこともありました。

そしていつものように青果売り場をうろうろしていると・・・・?!

バンクーバーのスーパーで中国産のさつまいも(なると金時)を発見

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お、さつまいも。よく見ると、

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「鳴門金時紅薯」と書いてあるー--!!!

なると金時が売られているとは微塵にも思っていなかったので、とても驚きました。

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よく見てみると、箱に

「Naruto Kintoki Variety from Tokushima Japan」
日本の徳島からのなると金時という品種

「Sweetness up to 25° after baking」
調理したら糖度最大25度

「Direct from Hainan China」
中国海南から直送

と書かれていました。そう、まさかの中国産だったわけです!個人的になると金時が中国で栽培されているとは考えたことが無かったので、もうほんとにびっくりしました。

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そして、2kg 箱で 9.99 カナダドル(日本円で936円くらい)とお値段もなかなかリーズナブル。
(もし日本産のものだったら、もっと高いはず・・・!)

275421953_1797198817338432_8926626336515226802_n(見た目だけのクオリティでいうと、日本産が数倍上のように個人的に感じました)

バンクーバーに暮らしている方であれば分かると思うのですが、バンクーバーでは「なると金時」がそんな簡単には手に入らないんですよね。

野菜ソムリエHiroが故郷の岡山で暮らしていたときは、「さつまいもといえばなると金時」のイメージだったのですが、ここカナダBC州バンクーバーに来てからは品種・ブランド名が書かれていない「Sweet Potato」が主流なので、中国産だとしてもなると金時を見つけることができて嬉しかったです。

中国で栽培されているものが、徳島からライセンスを買っているものであることを願います。

 

ここで少し「なると金時」について解説。商標についても調べてみた

徳島県の温暖な気候の中で育てられるさつまいも「なると金時」。高系(こうけい)十四号の改良種として誕生したといわれています。

この改良種が現在鳴門海峡などの砂地で栽培されていて、厳しい規定を満たしたものが「なると金時」の総称で知られています。栽培地域によってJA里浦の「里むすめ」などのブランド名もついています。

野菜ソムリエHiroも岡山のスーパーで働いている頃、よく里むすめを販売していて、さつまいもの中で一番人気でした。黄金に輝くような果肉とホクホクとした食感、十分な甘みで本当に飽きないんですよね。

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そして気になる商標についてなのですが、公益社団法人 徳島県物産協会のこちらのページによると、以下のように記されていました。

指定された地域(徳島県鳴門市・徳島市・板野郡)のみで生産されたものしか『なると金時の名を冠することができず、徳島の温暖な気候と、これら指定地域の良質な砂地を利用して盛んに栽培されています。

平成19年4月20日、特許庁より地域団体商標『なると金時』として登録が認めらました。
(商標登録:第5043110号)

公益社団法人 徳島県物産協会

そうなんです。野菜ソムリエHiroも知らなかったのですが、徳島の限られた地域で栽培されたものでしか「なると金時」と名乗れないんですね。(名前からしてそんな感じはしていましたが・・・)

つまり、今回見つけた中国産のさつまいもはなると金時という品種を栽培していることに間違いは無いかと思うのですが、「なると金時」とは本当は名乗ることができないみたいです。

中国のWikipedia的サイトのBaiduで「鸣门金时红薯」と調べてみると、一番最初に中国海南でなると金時を中心に育てているさつまいも農家の方を取り上げた記事が上がってきたので、一応リンクを貼っておきます。文章が読めなくても、現地でのさつまいも畑の写真も確認できますよ。

ちなみにこちらは出典無しのWikipedia情報になりますが、日本の農家さんがパプアニューギニアの先住民になると金時を持ち込み、現地での生産が行われているというケースもあるようです。色々難しいですね・・・。

 

バンクーバーで購入した中国産なると金時を焼き芋にして食べてみた

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何はともあれ、今回バンクーバーで手に入れた中国産のなると金時を焼き芋にして食べてみました。作り方は簡単。

 
1. なると金時をよく洗って土を落とす
洗うとなると金時らしい美しい紫色の果皮が堪能できます。しばし眺めてから次のステップに移ります。
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2. なると金時にキッチンペーパーを巻いて、表面を水で濡らす。その上からアルミホイルで包む

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3. 摂氏160度(華氏だと320度)で約1時間焼く
菜箸でひとつ刺してみて、簡単に刺せるようであれば完成です~♪
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4. 焼き芋完成!
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オーブンによっても違うと思うのですが、我が家のオーブンで1時間焼くと上の写真のようになりました。輝く黄金色!!!!これぞなると金時カラーですよね~( ◠‿◠ )♪

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食べてみると、やっぱりホクホク感がありまして、安納芋などねっとり系のさつまいもとは食感が全然違いました♪

あと、個人的にはなると金時は「うおおお!この焼き芋、甘すぎるっ!」みたいな感じではないと思っているので、程よい甘さとホクホクした食感で、一度にたくさん食べられるような味でした~!

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ちなみに別の日に再度焼き芋をつくったのですが、そのときは「オーブンで1時間焼く⇒オーブンを止める⇒そのままオーブンの中で2時間くらい放置」をしてみると、食感もかなり変わって、ねっと~りな食感に。これはこれで甘くて満足のいく味わいでした♪

そのときの写真がこちら↓

ということで、バンクーバーにお住まいの方は今後 Sungiven Foods が中国からなると金時を仕入れている可能性もあるので、お店に行ったらたまにでもいいので、チェックしてみてください。(できることなら、次は徳島県産のなると金時を仕入れて欲しい・・・!)

そして日本にお住まいの方はもちろん、徳島県産のなると金時をたっぷり楽しんでください!!

 - 鳴門金時 ,