中国山東省煙台市の黄金ふじりんご(Golden Fuji Apple)を食べてみた
2024/05/20
少し前の話ですが、2021年5月にカナダBC州バンクーバー各所に展開するお気に入りのアジア系スーパー Sungiven Foodsに行ったときのことです。
なんということでしょう。「黄金ふじりんご(Golden Fuji Apple)」と書かれた箱を見つけたわけです。
初めて見たとき思考が一瞬停止して「ん?ふじなのに黄金色とかあるの?」と混乱してしまったのですが、実物を見るとたしかに黄金色であることが分かりました。世界は広いですね~!
1箱ほぼ20ドルというお値段でしたが、このとき見つけたものは鮮度が落ちていたので、購入せずにいたわけです。
そして後日、また別のアジア系スーパー Foody World に行くと、再度黄金ふじりんごを発見!しかも鮮度良好で価格も約16ドル(前回発見したものより4ドルも安い)ということで即購入しました~!
そこで今回は、黄金ふじりんごが一体どんなりんごなのか、そして実際に食べてみた感想をまとめてお届けします。
この記事の目次
黄金ふじりんご(Golden Fuji Apple)は中国山東省煙台市特産。なぜ黄金色になるの?
まず最初に、上の写真の値札に「山東煙台」と書かれていることを頼りにネットで調べてみました。そして、黄金ふじりんごは中国山東省煙台市(さんとんしょう・えんたいし)の特産であることが分かりました。(中国の他の場所でも栽培されている模様ですが、主産地は煙台市です)
Wikipedia情報になりますが、煙台市は山東省第二の産業都市と知られ、景観の良さから観光客にも人気の土地とのことです。煙台市の地図はこちら↓
そもそも皆さんご存知の通り、ふじりんごは果皮の赤さが特徴ですが、この黄金ふじりんごは日光を当てない&袋ごと収獲することで黄金色に育てるとのことです。(freshplaza.comの記事に、袋がかけられた状態で収穫された写真があるので、チェック!)
なので、品種自体はいつもの果皮の赤いふじりんご。成長の過程で袋で覆われているためにこの色合いになるようです。
別名はその色合いから「バターりんご(Butter Fuji Apple)」「クリーミーふじりんご(Creamy Fuji Apple)」です。
(実際に購入した黄金ふじりんごです)
また、煙台市で育てられる黄金ふじりんごは通常の赤果皮のふじりんごより1か月ほど長く樹上で成熟させるため、ハチミツのような甘い味わいになるといわれています。
そのため、収獲は晩秋~冬頃となります。freshplaza.comによると、通常のふじが10月下旬頃に収穫されるのに対し、黄金ふじりんごは11月中旬に収穫が始まるそうです。
ここまで調べて、「あれ、手に入れたの5月じゃん。普通ふじは秋に収穫するもんだよね?」と気付きました。(これは勝手な憶測でしかないですが)きっと晩秋or冬に収穫してからずっと貯蔵していたものが5月にカナダで出回ったんじゃないかと考えました。
ちなみに知らない人もいるかもしれないのですが、ふじりんごは日本だけでなく世界中で人気の品種で、中国やアメリカでも多く栽培されています。
特に中国は世界最大のりんご生産国で、中国で栽培されているりんごの大部分はふじといわれています。
その中で黄金ふじはかなり割合が少ないのですが、ここ数年消費者の購買意欲を刺激し人気が高まるとともに、黄金ふじりんごの品質に注目する農家が増えているそうです。
今もハイエンドの市場向けに栽培・出荷されているとのことですが、今後も人気が高まり知名度が上がれば、黄金ふじりんごをもっと世界で見られる日も来るかもしれませんね。
実際に食べてみた感想⇒香りの良さと砂糖水のような甘さ
本当は収穫後あまり時間が経っていない黄金ふじりんごを食べてみたかったのですが、今回手に入れたものは果肉が十分しっかりしていて状態良好だったので、期待十分に食べてみました~!
実はこの黄金ふじりんご、最初お店で見つけたときから、甘い香りが売り場に漂っていたくらい、香りが強かったんです。
食べる前から、すごくいい気持ちにさせてくれました。
切ったらこんな感じ。果肉も美しいですね~♪
実際食べてみた感想は、味わいは王林みたいに甘みがかなり強くて、酸味がかなり少なかったです。熟成って言葉がぴったりだと思いました。さすが普通のふじりんごより1か月ほど長く樹上で栽培されているだけあります!
歯応えはそれなりにありましたが、普通のふじりんごに比べると、若干柔らかかったかもしれません。でも、ちゃんとシャキシャキした歯ごたえが楽しめました。
かなり砂糖水のような甘さで、また口の中の香りも良好!非常に満足させてくれるハイクオリティのリンゴだと思いました。
ちなみに糖度計で糖度を計ってみると15度でした~!(ふじで15度以上は十分な高糖度♪)
最後に:日本にはまた別の黄金(こがね)ふじがあるって知ってた?
最後になるのですが、今回中国の黄金ふじりんご(Golden Fuji Apple)を調べていると、日本にも「黄金(こがね)ふじ」りんごがあることがたまたま分かりました。それがこちら↓
「黄金ふじ」
黄色いけれどこれも「ふじ」なんです!
「ふじ」だから蜜も入りやすいし甘くて美味しいです。
でも珍しいのでなかなかお目にかかれませんが…💦https://t.co/kkpXgkUwYM#りんご #黄金ふじ #りんご品種 pic.twitter.com/lI4oyRUBOm
— りんご大学 (@ringodaigaku) November 26, 2021
上の投稿はリンゴの知識が詰まっているりんご大学さんによるもの。
日本の黄金ふじはふじりんごはふじりんごでも、ふじの枝変わり(突然変異の一つ)とのことで、1998年に青森県弘前市の竹内さんが自身の畑で偶然見つけたそうです。
その後育成され、今は少量が日本で出回っているそうです。つまり、中国山東省煙台市の黄金ふじりんごとは別物ですね。
Twitterで調べてみると、王林のような黄緑っぽい果皮のものが多いように見受けられました。蜜も入ってますね・・・!いいな~!
青森県の大手青果卸さんが取り扱うりんごの中でも
0.0003%の#黄金ふじ生産者もほとんどいない貴重な貴重な果実
ほぼ全てが地元流通
ふじの突然変異で見ての通り蜜入りも期待でき
酸も程よく濃厚な美味です✨ pic.twitter.com/BfyTR70oxB— 🍇豊洲市場ドットコム🍣 (@tsukijiichiba) November 19, 2021
ということで、カナダにいながらはるか遠い地の中国山東省煙台市で栽培された黄金ふじりんごが食べられる環境に感謝!いつか現地に行って、木に実っている黄金ふじりんごを見てみたいな~と思う今日この頃です。(有袋ですが・・・)
日本にお住まいの方は、ぜひ日本の黄金ふじも探してみてください!かなり希少みたいです!