【普通の羅漢果より糖度も栄養価も上?】黄金羅漢果(Golden Monk Fruit)まとめ
2022/10/26
先日、中国で昔から薬用にも使われている果物「羅漢果(らかんか)」についての記事を掲載しましたが、記事を書きながら羅漢果の魅力に改めて気付いた野菜ソムリエHiro。
そして、その記事の中で通常の茶色い羅漢果とは一味違う黄金羅漢果についてもちょこっとだけお伝えしました。
そこで今回は、黄金羅漢果を見つけた際の話や実際に羅漢果茶にして飲んでみたその味わいなど、黄金羅漢果についてまとめてみました。
この記事の目次
はじめに:黄金羅漢果をカナダBC州バンクーバーの中国系スーパーで見つけた話
2020年5月下旬にバンクーバーの中国系大型スーパー「Foody World」に行ってきた野菜ソムリエHiro。いつも通り青果コーナーを楽しんだ後レジに向かっていると、途中で目に飛び込んできたのが「黄金羅漢果」の文字でした。(運命?…///)
こちらはバンクーバーの中国系スーパーマーケットで偶然見つけた黄金羅漢果(Golden Monk Fruit)です。
一つずつ丁寧に包装されていて即買いでした。 pic.twitter.com/Z3957u8Ya3
— カナダの野菜ソムリエHiro (@hiro_vegetable) June 5, 2020
1箱に12玉の乾燥羅漢果が入って、セールで19.99ドル(6月5日現時点で1,633円くらい)でしたが、通常価格は 29.99ドル(2,450円くらい)のようでした。
以前チャイナタウンで見かけた普通の茶色の羅漢果は2玉で1ドル(=1玉0.5ドル)のレベルだったので、単純計算で黄金羅漢果は1玉1.66ドルくらいになり、普通の羅漢果の約3倍のお値段でした。
このとき羅漢果は知っていたものの、黄金羅漢果の存在など全く知らなかったので、「えらいきれいな羅漢果だな・・・?一つひとつ包装されて、きちんと箱にも入ってるし、値段もけっこう高い・・・。一体何者なんだ・・・。ギフト用?」と初見で思いました。
そうは思ったものの、バンクーバーのチャイナタウンでも見かけることがなかった(多分)珍しい黄金羅漢果を発見ということで、即買いしてしまいました♪
黄金羅漢果の魅力とは?普通の羅漢果との違いを解説
ここからは、黄金羅漢果の魅力を紹介します。
今回購入した黄金羅漢果の箱(↑)には「産地:桂林永福」と書いていましたが、そうなんです。
羅漢果はそもそも中国広西チワン族自治区に位置する桂林(けいりん)を原産とする果物で、桂林の西南部に位置する永福県、融安県、臨桂県が主な産地。なんと世界の生産量の9割を占めるといわれています。
なので、産地表記が桂林永福というのは、むしろ一大産地で育てられたという安心感がありました。
また、箱の裏にはご親切に英語表記もあったので、意訳してみました。(※Luohan Fruit は羅漢果のことです)
Luohan Fruit is grown in the mountains and valleys with subtropical climate. It requires short sunshine, large temperature difference between day and night, selenium-rich, and loose and deep soil environment. Yongu County of Guilin is the place of origin for Luohan Fruit, which is also a well-known local speccialty for the famous tourist city of Guillin.
Luohan Fruit is sweet and fragrant nd has high nutritonal value. It is rich in Vitamin C(Containing 400-500mg/ 100grams of fresh fruit), glucoside, fructose, glucose, protein and lipids. With its high nutritional value, it is also known as the “Oriental God Fruit”.
Luohan Fruit is among the first batch of ingredients approved in China for both dietary and medicinal purpose. Its main functions are as follows.
1. Stimulating mucus secretion to moisten the throat and lung ;
2. Stimulating insulin secretion to regulate blood glucose;
3. As a low-calorie sweet substance being 300 times weeter than sucrose, it is an ideal sugar substitute for diabetic patients and obese individuals.引用:購入した黄金羅漢果の箱より
漢果樹は亜熱帯気候の山や谷で育ちます。短い日差し、昼と夜の大きな温度差、セレン(元素の一つ)に富み、緩やかで深い土壌環境が必要です。桂林永福県は羅漢果の原産地で、 羅漢果は有名な観光都市 桂林市 の地元の特産品としても知られています。
羅漢果は甘くて香りがよく、栄養価が高いです。ビタミンC(400-500mg / 新鮮な果物の可食部100グラム中の値)、グルコシド、フルクトース、グルコース、タンパク質、脂質が豊富です。栄養価が高いことから、「オリエンタル・ゴッド・フルーツ(東洋神果)」とも呼ばれています。
羅漢果は、食物と薬用の両方の目的で中国で承認された最初の成分です。 主な機能は以下の通りです。
1.粘液分泌を刺激して喉と肺を潤わせます。
2.インスリン分泌を刺激して血糖値を調節します。
3.ショ糖よりも300倍甘い低カロリーの甘味物質で、糖尿病患者や肥満者にとって理想的な砂糖代替品です。
ここだけ読んでも、なんだかスゴイ果物であることが分かりますよね・・・!
(バンクーバーのチャイナタウンで見かける普通の茶色い羅漢果)
また、なぜ通常の茶色い羅漢果と黄金羅漢果の違いはというと、加工方法が異なるためというのは、以前の羅漢果まとめでもお伝えしました。
以下、こちらの(おそらく)中国系ハーブショップのウェブサイトに記されていた羅漢果の違いについての部分を意訳になります。
直火で乾燥させるため、糖度が低くなり苦味も強い。栄養価が(ほぼ)欠損している。
第2代羅漢果(第1代より明るい色合いになる)
電気オーブンで乾燥させるため、直火より色が保たれる。糖度は第1代よりも高いが、焦げのため苦味は同程度にある。栄養価は50%以上保たれる。
第3代羅漢果(黄金の果皮で中の果実も白い ※これが黄金羅漢果)
2014年から始まった低温脱水技術で乾燥させている。羅漢果本来の色合いが残り、糖度がほぼ保たれる。さらに、栄養価が98%以上残る。
ということで、栄養価については特に証拠もあるわけでもないのですが、黄金羅漢果は乾燥状態に加工されても、羅漢果が元々持っている栄養価をほぼキープしているみたいです。
また、普通の羅漢果は加工による焦げで苦味があるのですが、黄金羅漢果は低温脱水加工のため苦味がほぼなく、むしろフルーティーな味わいのも魅力。
今回購入した箱に栄養価も一部記載されていたので、シェアします↓
ちなみに魅力が多い黄金羅漢果ですが、欠点もあります。それは、加工方法のため殻が割れやすく、輸送中に壊れやすいこと。
低温脱水の際に水分蒸発を促進するために、黄金羅漢果の上部には穴が開けられています。そこに害虫が入り込む可能性もあるので、購入の際は裸売りではなく、個別に包装されたものを選ぶと良さそうです。
あと、低温脱水には通常より製造コストがかかるため、お値段も高めとのことでした。
(実際に手に入れた黄金羅漢果にも、水分蒸発を促進する穴が上下2カ所開いていました)
黄金羅漢果を実際に羅漢果茶にして飲んでみた感想は?
(果皮にうっすら産毛みたいなものがありました。あと、良く分からないのですが、柿の種みたいな匂いがしました)
ということで、今回購入した黄金羅漢果を羅漢果茶にして飲んでみました~!
まずは、羅漢果をいくつかのピースに割る必要があるので、皿を用意してそこに叩きつけました(汗)別に細かく砕く必要はないので、ざっくりでOKです。
黄金羅漢果(らかんか)を叩きつけて殻を割る、の図。 pic.twitter.com/4RvdQfvlWc
— カナダの野菜ソムリエHiro (@hiro_vegetable) June 5, 2020
このとき、殻の中の果実部分(もちろん乾燥している)の白い粉ができたので舐めてみたのですが、「甘い・・・和菓子のようなおしとやかな甘さ・・・(?)」と思いました。
殻部分も一応舐めてみたのですが、殻はただの殻で特に味はしませんでした(泣)あと、果実部分には種がいっぱい入っていたのも初めて食べたときは驚きでした~。
黄金羅漢果(らかんか)の中はこんな感じ。ちょっと肌色っぽく見える部分は全部種です。種がけっこう入っています。 pic.twitter.com/BQPgcTeW5Q
— カナダの野菜ソムリエHiro (@hiro_vegetable) June 5, 2020
そして、羅漢果の下準備(ただ割るだけ)ができたら、あとはお茶を茹でる要領でOK!一応以下の感じで作りました。
さっき砕いた羅漢果・・・1つ
水・・・1.2リットル
作り方
1. 鍋に水と砕いた羅漢果(果皮と果実両方)を一緒に入れて茹でます。(羅漢果の破片を後で取るのが面倒な方は、お茶パックを使うと便利です。羅漢果1玉でだいたい3パック程度になりました)
2. そのまま茹でていくと、羅漢果の成分が溶けだして、水の色がだんだん変わってきます。味を確かめながら、お好みのところで火を止めてください。甘味が濃すぎる場合は、飲みやすいと思えるまで水を加えて調節してください。(野菜ソムリエHiroは20分くらい茹でてます)
そして、完成品がこちら↓
黄金羅漢果を水で茹でると、琥珀色?黄金色?の羅漢果茶ができます。
なんとなく、個人的にはナッツみたいな香りがしました。 pic.twitter.com/bajdH1KDiK
— カナダの野菜ソムリエHiro (@hiro_vegetable) June 5, 2020
そう、普通の茶色い羅漢果を水で茹でるとコーヒーみたいなダークな感じになるんですけど、黄金羅漢果の場合は美しい琥珀色のようになるんですね~。
実際に黄金羅漢果茶を飲んでみた感想ですが、いや、とても飲みやすいです。
香りはナッツっぽくて(?)ちょっと白砂糖とは異なるのですが、本当に砂糖水を飲んでいるみたいな気分になりました。ナチュラルスイートネス♪(ちょーーーっとだけ苦味を感じるかも?)
さらに茹でると、もっと羅漢果から成分が溶けだして、もっと濃い色になって味も濃くなるのですが、ここはもう個人の好みによるかと思います。どのくらい茹でるのがちょうどいいか、ぜひご自身で好みのタイミングを見つけてみてください(´▽`)
最後に:羅漢果は日本でも簡単に手に入るので、まだ試したことが無い方はぜひ一度トライ!
ということで、黄金羅漢果は普通の茶色い羅漢果の上位互換版みたいな感じだということが伝わったでしょうか?
まだ羅漢果を試したことが無い方は、ぜひ一度その味を試してみて欲しいと思います。また、「茶色い羅漢果を昔いただいたけど、苦みが好きじゃなかった」という方も、黄金羅漢果なら美味しくいただけるかもしれません!
羅漢果はAmazonなんかでも販売されているので、興味があればチェックしてみてくださね~!