紅果肉のリンゴ!カナダやアメリカで出回るLucy Rose Appleを食べてみた
2024/04/29
突然ですが皆さん、リンゴはリンゴでも「果肉が紅いリンゴ」はあまりスーパーで見かけないのではないでしょうか?
2022年10月下旬、バンクーバーの人気スーパー Save On Foods を訪れて、リンゴ売場を見ながら「あ~、今日もリンゴが美しくて幸せ・・・(悦)」などと思っていたら、見たことの無いリンゴが目に飛び込んできました。
その名も「Lucy Rose(ルーシーローズ)」と「Lucy Glo(ルーシーグロー)」です。
リンゴで通常価格 $4.99/lb はけっこうお高いイメージですが、セールで $2.99/lb になっていたこともあり、速攻で両方購入。
カナダのスーパーで見つけたアメリカ産のリンゴ「 Lucy Rose Apple」の写真を撮りました。中身が赤とは知らずに購入してカットするとこの色合いで、心がとろけました。見た目もそうですが、まろやかな甘みで酸味が少なめという味わいも個人的に気に入りましたよ。オススメします。 pic.twitter.com/4s7JBTvHIc
— 野菜ソムリエHiro🇨🇦🌈 (@hiro_vegetable) November 12, 2022
そのときはどんなリンゴかも分からなかったのですが、Lucy GloもLucy Roseも切ってみると驚きの紅果肉でした。
そこで今回は「Lucy Rose Apple」について調べた内容や、実際に食べた感想などをまとめてみました。
この記事の目次
ルーシー・ローズ(Lucy Rose Apple)ってどんなリンゴなの?
生まれた歴史
ルーシーローズは、ルーシーグローと同じく、米国ワシントン州プロッサー(Prosser)のリンゴブリーダーのビル・ハウエル(Bill Howell)さん(写真上)が開発したリンゴです。
ビルさんはワシントン州立大学で研究技術者として長く働いていた方で、20年以上にわたって紅果肉のリンゴの品種を他の品種と交配させて、食味の良い紅果肉のリンゴの研究を重ねていました。
そんな中、1990年代にワシントン州の果樹園で赤い果肉のリンゴ「エアリーレッドフレッシュ(Airlie Red Flesh)」と「ハニークリスプ(HoneyCrisp)」を自然交配。交配種は紅果肉のリンゴだったものの、当初は「風味に問題がある」ということで、さらなる改善のため10年以上研究が続けられたといいます。
そして、ついにビルさんが納得する風味と色合いのリンゴが2種類が完成。specialtyproduce.comによると、当初は「Howell TC2」「Howell TC3」と名付けられました。
その後、マーケティング会社の Chelan Fresh と提携し、一つは果皮が薄ピンク色で果肉が紅色の「Lucy Glo」、そしてもう一つは果皮が赤く、果肉が紅色の「Lucy Rose」とブランド名が付けられ、商標登録されました。
ルーシー・グローとルーシー・ローズは2018年にリリースされ、まずはサンプルが流通業者に送られたようです。翌年 2019年には商業市場に導入され、以後生産量を増やしています。
名前の「Lucy」については調べても由来が良く分からなかったのですが(ビルさんのご家族の名前?)、「Rose」はなんとなくですが、バラ色のような果肉から来ているのではないかと思います。(※推測です)
第5世代の農家である Hawkins Gebbers さんが農園でルーシーブランドのリンゴについて語っている動画もありました↓
どこで栽培されているの?収穫時期は?
ルーシーブランドのリンゴは、米国ワシントン州中部のカスケード山脈(北アメリカ大陸の西海岸沿いを南北に走る山脈)のふもとで栽培されています。
北中央ワシントンにある家族経営の農家の集まりであり、ルーシーブランドのリンゴなどを扱うマーケティング会社のChelan Freshのウェブサイトによると、なだらかな山の斜面、肥沃な谷、澄んだ川、そして暖かい晴れた日と涼しい夜という理想的な果物栽培条件の土地のようです。(米国のリンゴの主産地といえばワシントン州です!)
以下の動画では、ルーシーブランドのリンゴを育てている農家の方が、リンゴの木にネットをかけている様子を確認することができます。ネットをかけるのは、太陽によるストレスを避けるため&鳥除けとのことです。
ルーシーブランドのリンゴを育てている農家の多くは、第3世代や第4世代の方たちで、100年以上にわたって家族でリンゴを栽培している農家もいるとのことです。
Lucy GloとLucy Roseは10月頃に収穫され、10月~2月頃まで店頭に並ぶ秋~冬季節限定のリンゴとなっています。
野菜ソムリエHiroが実際にカナダ・バンクーバーのお店でLucy GloとLucy Roseを見つけたのは10月下旬でした。それから12月頃まではリンゴ売場に並んでいたように記憶しています。
また、2022年12月中旬にアメリカのロサンゼルスに旅行に行った際は、Trader Joe’s というお店でたくさん Lucy Glo が販売されていたのですが、Lucy Roseの姿は見られませんでした。
ヨーロッパでも流通していたりするようですが、まだ珍しいリンゴに分類されそうです。今のところシーズンになると北米の厳選されたスーパーなどで取り扱われていて、日本で流通しているかは残念ながら不明です。(個人のTwitterで聞いてみたところ、日本でLucy Roseを見た方はいない感じでした)
Lucy Rose Appleを食べてみた感想
Chelan Freshのウェブサイトによると、Lucy Rose は「ほんのりベリーの香りがする甘いフレーバーで、外側は美しい赤い肌、内側は自然な赤。サクサクした食感のスナックリンゴでサラダやデザートづくりにも適している」と記されていました。
果皮はルーシーグロ―と同じく滑らかですが、ピンクを混ぜたような赤さで可愛かったです。(Pink Lady Appleの色合いに似ていると思いました。)下の写真を見てもらえば分かるのですが、白い斑点のような模様も入っていましたよ。
商品シールにも「自然に果肉が紅色(Naturally Red Inside)」と記されていました。初めてルーシーローズを手に取る人にも、リンゴの特徴が伝わりやすくていいですよね。
早速縦半分に切ってみると、ご覧の通り見事な色合いの果肉が顔を出しました!この紅果肉にはアントシアニン(抗酸化作用に関係するといわれる)が含まれているようで、なんだか得した気分になりました。
たまたまだと思いますが、果肉の赤みは一緒に購入したルーシーグローの方が濃いような気がしました。ルーシーローズは優しい赤のように感じました。
実際食べてみた感想は、Lucy Gloとは全然異なる味わいでした!
Lucy Roseの方が甘味が少しまろやかで、酸味も少し弱めだと思いました。硬さはLucy Gloより少しだけ柔らかめでしたが、十分歯応えがありましたよ。
また、口の中に独特の香りが広がったのですが、たしかにベリーの香りっぽいでした。
個人的には、以下がLucy Roseの大きな特徴かと思いました。
- 美しい果皮
- まろやかな甘みとベリーっぽい香り
- 優しい紅色の果肉
LucyブランドリンゴのInstagramにも、たくさん紅果肉を活かしたスイーツやサラダの写真がありましたよ。Chelan Freshのウェブサイトには、Lucyリンゴを使ったレシピがいくつか掲載されているので、確認してみてください。
また、糖度を測ってみると14.5度!(りんごの平均糖度は13度前後と聞きます)Lucy Gloは同じ紅果肉のHidden Rose Appleの味わいにとても似ているように思ったのですが、Lucy Roseは全然味わいが違って面白いなと思いました!
甘味 ★★★★☆
酸味 ★★☆☆☆
硬さ ★★★☆☆
最後に:Lucyブランドのリンゴは今後も誕生予定
ということで、Lucy Roseについて今回はお伝えしました。カナダやアメリカにお住まいの方は、シーズン(10月~2月頃)にぜひ探してみてください。
SNSを見ていると、日本にも最近紅果肉のリンゴが少し増えてきたように感じるのですが、北米でももっと流通量が増えるといいなと思います!
ちなみに、Lucyブランドは今後も新しいものが誕生予定とのことなので、次は一体どんなルーシーリンゴが発売されるのか今から楽しみです!
【公式サイト】