野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

蜜がたっぷりのリンゴを食べたい人にオススメの品種3つ(こみつ、はるか、こうこう)

      2020/05/13

近年世間を騒がしているリンゴといえば、信じられないほど蜜が入っているリンゴではないでしょうか?

通常、蜜が含まれやすいリンゴの品種で挙がるのは「サンフジ」「北斗」などです。

逆に蜜の入りにくい品種としては「つがる」「王林」「ジョナゴールド」「ゴールデンデリシャス」などがありますが、幻とも呼ばれる蜜入りリンゴ、気になりますよね。

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そこで今回は、野菜ソムリエHiroが蜜がたっぷり入るリンゴの品種を3つ紹介します。

特に最初に紹介する品種は、それはもうすさまじいほどの蜜具合なので、心して見てくださいね(?)

 

最初に:りんごの蜜って一体何なの?

まず「りんごの蜜って一体何なの?」と思う方もいるかと思いますが、単刀直入にいうと、リンゴの蜜はソルビトールという糖質アルコールの一種です。

ソルビトールは天然の甘味料で、実際には蜜の部分はそこまで甘くないことが分かっています。ただ、りんごに蜜が入っていると完熟している証拠になるので、

「蜜入りリンゴ=甘くて美味しい」

というイメージが付いているんですね ( ・◡・ )

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(過去記事)りんごの蜜を野菜ソムリエが徹底解剖!蜜が入りやすい品種は?選び方は?保存方法は?etc.

また、りんごの外見から蜜が入っているかどうかを見分けるのは不可能です。(蜜が入っているかどうか確かめる蜜センサーはありますが・・・)

ただ、サンフジや北斗などの蜜の入りやすい品種かつ以下のことを気を付けて選ぶことで、蜜入りリンゴを購入できる可能性は高まります。

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良いリンゴの見分け方
1. 全体的に赤く香りのよいもの
2. 軸が太いもの
3. 肩が盛り上がっているもの
4. お尻のくぼみが深いもの

しかし!

「絶対蜜入りリンゴが食べたいーーー!!!蜜入りリンゴじゃないと嫌ーーーーー!!」という方もきっといるはず。(昔の私です汗)

そこで、蜜がかなり入るといわれるリンゴ3品種を紹介します。

 

1.果肉8割以上に蜜が入ることもある究極蜜りんご / こみつ(高徳)

もう上の写真の通りなのですが、果肉の約8割に蜜が入ることもあるというリンゴの蜜好きにはたまらないのが「こみつ」です。

近年になってよく名前を聞くようになったリンゴですが、「こみつ」は商標名で本来の品種名は「高徳(こうとく)」と言います。

この高徳りんご、1985年には品種登録をされているので、実は既に30年以上の歴史があるリンゴです。

では、なぜ最近になって高徳の名前(厳密にいえば「こみつ」というブランド名)が世の中に知られるようになったのでしょうか?

その理由は、蜜が入る反面、高徳は小玉になりやすいリンゴで、なおかつ品質にもばらつきがあったので、市場から嫌われていたから。

「市場に敬遠される=流通しなくなる=栽培者が育てるのを止めてしまう」という悪循環に陥った高徳は、一時期は栽培者がほとんどいなくなったために、品種の存続危機もあったとか。

そんな中、高徳を青森県津軽石川農協(JA津軽みらい石川基幹支店)が売り出そうと辛抱強く品質管理をして、育ったリンゴの中でも一定規格以上のものを「こみつ」という名称でブランド化。(2007年に商標登録)

樹上で完熟させる高徳は収穫量も少なく、さらにその中から厳しい基準を達したものだけが「こみつ」と呼ばれているので、高徳は知る人ぞ知る高価なリンゴとしてのポジションを確立したのです。

黄色い果肉は糖度14度が基準といわれていて、「パイナップルのような甘さがする」「とっても甘い」「香りがとても良い」と人気も上々。

究極の蜜入りリンゴという言葉にも相応しく、多いときは果肉の8割以上に蜜が入っています。

実際にこみつに包丁を入れたことがある人は分かると思いますが、味わいとともに「大きな感動」が味わえるりんごではないでしょうか?


 

2.黄色いリンゴに蜜がたっぷり「こうこう」

「こうこう」というリンゴをご存知ですか?

「ふじ」と「弘大1号」という品種をかけたリンゴで、青森県生まれ。1999年4月に品種登録されています。

生まれ故郷である青森県南津軽郡藤崎町で生産されていて、10月下旬頃に成熟する品種です。

まだまだ流通量が少ないため、「希少なリンゴ」「幻のリンゴ」なんていわれています。

こうこうの外観は扁円形でまるまるとしたカタチをしています。

ただ、親がどちらも赤い果皮を持つリンゴなので、なぜ黄リンゴになったのかのかがミステリアス。でも深紫紅のような色合いが果皮に入ることもあり、それがまた美しいです。

もちろんひとつひとつ蜜の入る量が違うのですが、蜜がとても入りやすい品種として知られているので、蜜好きの方は要チェックのレア品種。

これ、蜜入りリンゴの『こうこう』なんだけど、見ての通りほぼ全部蜜 凄くないですか? リンゴゼリーじゃないですよ、生のリンゴを切っただけです いま北国はアップルシーズンで、近年人気があるのは蜜入りリンゴ。これは究極の蜜入りリンゴですよね❣️ とろけるような甘さの、に見えますよね 実は食べてみると見た目ほどには甘くなんです 蜜の部分は甘くないよとは聞いていましたが、ホントにその通りですがな それでもこの究極の蜜入りリンゴは衝撃的 作ったのは盛岡市黒川の北田正和さんだよ。いよッ、リンゴ名人 #こうこう #リンゴこうこう #究極の蜜入りリンゴ #蜜入りりんご #蜜入り #でも見た目ほど甘くはない # 見た目のインパクトも究極 #盛岡リンゴパラダイス #りんご名人北田正和さん #盛岡市 #盛岡市黒川

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ちなみにりんご大学の情報によると、「こうこう」という名前は、「食べる人や贈る人が以下のように好きな漢字を思い浮かべて欲しい」ということで、ひらがなになっているとのことです。

○弘前大学でできた黄色いりんごの「弘黄」
○幸せを呼ぶ黄色いりんご「幸黄」
○親孝行するときに贈るりんご、親孝行する人が食べるりんご「孝行」
○高校生が食べれば大学合格が、中学生が食べれば高校への合格間違いなし「高校」
○「こうこう」を食べればあなたの、わたしの人生が煌々と光り輝く「煌煌」

引用:りんご大学


 

3.開発に26年。糖度の高さが魅力の蜜りんご「はるか」

ゴールデンデリシャスのような黄色いリンゴに蜜が入る「はるか」という品種を知っていますか?

元々は、岩手大学農学部の横田清教授がゴールデンデリシャスの自然交雑種子を播種して選抜育成した新品種。正確な生まれは岩手県滝沢村です。

なんとはるかの開発には26年かかっているといわれていて、さらに「はるか」という名前、実は横田教授のお孫さんの名前から取られているんです。なんだか素敵ですよね( ◠‿◠ )

はるかの一番の特徴は、先ほど紹介した「こうこう」と同じく、黄色い果皮のりんごでありながら蜜が入ること。これって実は、かなり珍しいです。

また、糖度の高さが魅力で、糖度17度以上のはるかもあったといわれています。
締まった果肉に高い糖度、たっぷりの果汁が味わえるとあって、最近は贈答用として人気が高まっています。

収穫はフジリンゴと同時期になるので、晩成種のはるか。貯蔵性の良さも魅力です。

ただ、栽培が難しい品種といわれているので、収穫量が少なく市場に出回ることが少ないレア品種となっています。つまり、食べたことがある人はかなり幸運かもしれません。

ちなみに、はるかという名前の柑橘もあるので注意してくださいね。


はるか 林檎 送料無料 岩手県産 12~15玉 約5kg 優品 実測糖度17度超 蜜入り 希少種の黄林檎 南滝田果樹出荷組合

 

最後に:蜜入りりんごは包丁を入れる瞬間もたっぷり味わいたい!

いかがでしたか?

野菜ソムリエHiro的にはやっぱり「究極の蜜入りリンゴ」なんて呼ばれるこみつ(高徳)が、最も包丁を入れたときの感動を味わうことができるリンゴではないかと思います。

ちなみに海外では逆に蜜が入っているものは病気とみなされて敬遠されます。文化?の違いって面白いですよね。
日本人にとってはこんなに美味しそうにうつる蜜入りリンゴも、海外では嫌な顔をされるわけです。

一度食べたら忘れることができないような想い出をつくることができる、蜜がたっぷり入ったリンゴ、もしネットやお店で見つけたらぜひ挑戦してみてくださいね。

こみつを使ったジュースなんてのもありました・・・。贅沢すぎる・・・↓

 - こうこう, こみつ(高徳), はるか(りんご)