野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

カランツ / カシス(知識まとめ)

      2016/04/26

gooseberryRED0709no3
gooseberryGOLD0709no2

gooseberryBLACK0710no1

品名

和名:フサスグリ
英名:Currants カラント/カランツ

・フサスグリは漢字で「房酢塊」と書く。
・カラントという名前は古代ギリシャの都市国家の港[Corinth(コリント)]から運ばれていた干したぶどうが黒色種の果実と似ていたためだそう。

植物学上の分類

ユキノシタ科 スグリ属(Ribes)

歴史

北半球の涼しい地域生まれで、その種は北ヨーロッパ、北アジア、そして北アメリカで見つけられる。
・属ごとに原産地が違うのだが、おおまかに捉えるとヨーロッパ北西部と中央アジアが原産地といえるはずである。
・何千年にもわたって現地の人々によって使われていた。
ヨーロッパでは少なくても1500年代から健康食品としての価値が認められ、バルト海沿岸諸国を中心に栽培されている。
・日本へは1868年(明治元年)に導入。

品種

・3つのメインカラーがある。赤、白、ピンク。
・赤スグリから白やピンクのものが分離される。

ブラックカラント→カシスと呼ばれて親しまれている。

レッドカラント→酸味が強い。ジャム、ジュースに使われる。

ホワイトカラント→甘酸っぱい。ジャムや果実酒に使われる。

特徴

・カランツは苦く、しばしばつんとくる味わいだが、十分に熟すととてもジューシー。
 白色種などは生食されるが、黒色種は独特な香りがあり、加工が主となる。
・栄養豊富で風味に富んでいるがその小さなサイズから栽培のコストを考えると新鮮なものはめったにスーパーなどでは手に入らないそう。(バンクーバーでは手に入りますが)

産地

日本でも野生種が自生しているが、果樹として改良されたものはない。

時期

日本での収穫時期が7-8月といわれているので、夏が旬と思われる。
(※バンクーバーでも7月から店頭に並ぶようになった。)

見分け方

張りのあるものを選ぶ

栄養

黒カランツが一番高いビタミンCを含む(155-215mg / 100g)
赤カランツのビタミンC含有量(58-80mg/ 100g)
フラボノイドが豊富。 (140-200mg/100g)
カリウム、鉄、カルシウムとマグネシウムも豊富。
赤カランツは食物繊維も豊富。

機能性

・黒色は強壮剤、咳止めドロップ、風邪薬などにも利用される。
・ジュースは健康果実飲料として全国で人気。
・黒色種のポリフェノールには、4種類のアントシアニンが知られているが、その中でも高い抗酸化性を持つデルフィニジン類が多いため、目の疲れを改善する効果を持つ機能性食品として注目される。

料理

・生でも食べられるが、ふつうはほかの果物と一緒にデザート作りに使われる。
・ゼリーやジャム、チーズケーキ、パイに向いている。ペクチンと豊富に含んでいる。
レッドカラント、ブラックカラントはともに肉料理のソースに使われる。
・ワインにも使用される。GravesやRhineワインに風味が似ているといわれる
黒カランツはフレンチリキュールのクレーム・ド・カシス(Crème de Cassis)のカシスとして有名。
・ブランデーの”Noir de Bourgogne”としても知られる。またブドウとの混合ジュースに使われる。
 

保存

あまり日持ちはしなさそうである?
そのまま冷凍できるそう。

その他情報

・黒色種はアメリカマツの重要病害の感染源となるため、アメリカでは栽培が制限されている

 

Hiroのメモ書き

日本のスーパーでは見かけたことがなく、バンクーバーに来てはじめて知ったのですが、
フェイスブックに写真をのせたところお友達の方々から「庭で育ててます」だったり、「ケーキの材料で使います」だったりと、みなさんご存知だったようで、逆に自分の無知さが浮き彫りに(笑
(あと「クランツ」かと思ったら「カランツ」だったり。。。)

黄色に見える品種も一応白品種なのですね。
黒色が圧倒的に栄養価値が高そうです。世界的に健康食品として扱われるのも納得なのでした。
 

 - カランツ