野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

旬や食べ方は?ボリビアとオーストラリアで知られる果物アチャチャまとめ

   

皆さん、アチャチャ(Achacha)という珍しい果物をご存知でしょうか?

日本ではなかなかお目にかかれない(というか日本未上陸かも?)果物なのですが、先日野菜ソムリエHiroはカナダで入手することができました。

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そこで今回は、アチャチャについて知っておきたいことを6つに分けてまとめてみました。

 

1.ボリビア原産の果物で現地での名前はアチャチャイル(Achachairu)

アチャチャは南米にあるボリビア原産の果物といわれているトロピカルフルーツです。ボリビアといえばウユニ塩湖が有名な場所というイメージがあるかもしれませんが、国土の半分はアマゾン地帯で、国内の果樹園などで栽培されているようです。

ボリビア第2の都市であるサンタ・クルス・デ・ラ・シエラ(Santa Cruz de la Sierra)地域には6,000本のアチャチャの木があると推定されているそうです。

ボリビア現地では実はアチャチャではなく、アチャチャイル(Achachairu)と呼ばれています。アチャチャイルというのは、ボリビアの先住民言語とともに公用語のひとつであるグアラニー語で「ハニーキス(Honey Kiss)」という意味だそうです。

蜂蜜のような甘い口づけと聞くと、食べたくなっちゃいませんか?

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また、植物学的には Garciniahumilis に分類され、世界3大美果に数えられるマンゴスチンのいとこ的存在です。そのため、ボリビアのマンゴスチン(Bolivian Mangosteen)とも言われます。

ちなみに、以下がマンゴスチンです。少し硬めの果皮があり、中に白い果肉があるところもアチャチャとよく似ているんです( ◠‿◠ )

m19(マンゴスチン)

a33(アチャチャ)

 

2. ボリビア以外で大規模でアチャチャを栽培しているのは、オーストラリアの農園だけ

ボリビアで知られているアチャチャですが、過去には海外に向けて商品化はされていませんでした。

そんな中、オーストラリアのブルース・ヒルズさんとヘレン・ヒルズさんという夫婦が南米に5年間住んでいた際、ボリビアを訪れたときにアチャチャの味に魅せられたそうです。

ブルースさんは地元オーストラリアのメディアに対して、ボリビアを訪れた際「アチャチャが街角で売られていたのには驚いたが、ボリビアの首都ラパスではアチャチャは知られていない。」と語っています。また、ヘレンさんは「私はそれを食べるのをやめられませんでした。 」と述べています。

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その後、果物の可能性を確信したヒルズ夫婦はボリビア政府からオーストラリアでの植物育種者の権利という形で、果物を栽培および輸出するための特別な許可を取得。

なんと、2036年までオーストラリアでアチャチャを商業化する唯一の権利を所有しています。(一体いくら払ったのか気になります汗)

そして2003年にはアチャチャの種子をボリビアから輸入開始。クイーンズランド州タウンズビル(Townsville)の南、ジルー(Giru)の近くに101ヘクタールの古い砂糖農園も購入し、準備を整えてアチャチャの栽培をスタートしました。

また、オーストラリアの略語のトレンドを意識して、アチャチャイル(Achachairu)の最後の3文字が削除され、アチャチャ(Achacha)という楽しい(?)名前が採用されました。

それから初めて作物として収獲できたのは約6年後の2009年。

今では年間約200トンのアチャチャ果実を収穫する世界最大規模の農園に成長していて、シドニーやメルボルン、ブリスベンなどのマーケットで販売されるほか、英国や中東、アジア、そしてカナダにも輸出されることもあるようです。

実際野菜ソムリエHiroが生まれて初めてアチャチャを食べたのは、2016年2月。そのときはカナダでオーストラリア産のアチャチャが販売されていたんですが、それがまさかブルースさんとヘレンさん夫婦の農園で栽培されたものとは、当時全く思っていませんでした。

ちなみに、2016年~2021年10月まで、野菜ソムリエHiroが暮らすエリアでアチャチャを見かけることは残念ながらありませんでした。

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ちなみにヒルズ夫妻がアチャチャ唯一の登録栽培者なので、今もヒルズ夫妻の承認無しにオーストラリアでアチャチャを商品化できる企業はいないそうです。なんかすごいですよね。

以下の動画では、アチャチャの農園と選果場も確認できますよ。規模の大きさが伺えます。

 

 

3.アチャチャの見分け方は?保存方法は?

アチャチャは上の写真の通り、未熟な場合は緑色です。その後、熟すと赤みがかったようなあんず色の果皮になります(↓)

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野菜ソムリエHiroが2回目にアチャチャを手に入れた際は、わざわざアメリカから取り寄せたのですが、それは収穫後の時間の経過のためか、濃い焦げたようなオレンジ色(ほぼ茶色)になっていましたが、味は特に問題ありませんでした(↓)

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また、アチャチャは一度収穫されるとそれ以上熟さないため、収穫後すぐに食べるのが一番美味しいと言われます。パイナップルなんかと同じ非クライマクテリックタイプの果物ですね~。

なので、アチャチャを購入できる機会がある場合は、購入した後すぐ食べてください。購入時には、なるべく傷の無いもの、果皮にツヤがあり張りのあるもの(=表面が乾いてしわが寄っていないもの)を選ぶと良いかと思います。

ちなみにアチャチャはトロピカルフルーツの一つなので、冷蔵庫に長時間入れるのはオススメしません。(トロピカルフルーツにとっては寒すぎる~)なので、密閉容器 or バッグに入れて湿度を保ちつつ、常温で保管するのが望ましいです。

ちょっと「ほんと?」と思ったのですが、クイーンズランド州農林水産省(Queensland Department of Agriculture)によると、アチャチャを冷蔵庫の外で保管すれば、4~6週間も品質を保つことができたということですよ。(気温・湿度条件で異なるかと思うので、参考程度に!)

食べる際は2時間前くらいにアチャチャを冷蔵庫に入れると味がシャープになるといわれ、より美味しくいただけるかもしれません。
 

4.アチャチャの旬の時期は?

アチャチャは夏の果物です!

オーストラリアは南半球で日本やカナダとは反対の季節になっているので、12月~3月下旬/ 4月上旬頃までが収穫時期となるそうです。

農園で収穫されたAchachaは、オーストラリアで購入できることはもちろん、海外にも輸出されていたりします。野菜ソムリエHiroが最初にカナダでアチャチャを購入したときは2月でした。

 

5.食べ方と気になる味は?まるでレモネードみたい?

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アチャチャを実際に食べた感想はこちらの記事にもまとめたのですが、個人的にはレモネードみたいな味がすると思いました。甘みがありつつも、すごく爽やかな酸味が心地よいんです。

マンゴスチンが「甘酸っぱい」なら、アチャチャは「酸っぱ甘い」です。果実の大きさにもよるのですが、食べられない種がいくつか入っています。

生で食べるのが一般的ですが、凍らせてシャーベットのようにして食べたり(アイスの実みたいですね)、少し冷やして食べるのもオススメです。

ちなみに原産国のボリビアでは、アチャチャの果皮を使って喉の渇きを潤す爽やかな味わいの飲み物がつくられるそうです。スパイシーな食べ物をいただくときによく合うらしいですよ~。

作り方
1.アチャチャの果皮を水に1~2日ほど漬ける
2.その後果皮を取り除く
3.砂糖シロップ or 生姜シロップ or ステビア or 蜂蜜などを好みの量加えて、甘さと渋味のバランスをとる
4.少し冷やして完成!

その他、スライスしてサラダに入れたりしてもいいみたいです。独自の酸味がいいアクセントになりそうです♪また、皮を剥いたアチャチャをグラス1杯のシャンパンに入れてもオシャレ。

アチャチャを使ったレシピはこちらから確認してみてください。

 

6.アチャチャの栄養は?

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具体的な数値までは調べられなかったのですが、アチャチャは抗酸化物質が豊富で、ビタミンCとカリウムが豊富。

また、他のトロピカルフルーツ(※何と比べたのかは不明)に比べて糖分が少ないため、糖尿病の人や糖質制限をしている人にもオススメとのことでした。

アチャチャの果皮にもベータカロチンやアルギニンなど多くの栄養が含まれているようなので、手に入れた際はぜひ上記で紹介したアチャチャの飲み物を作ってみるのもよいかもしれません。

 

最後に:オーストラリアの農園は訪問OK。アチャチャについて詳しくなれるチャンス

ということで、アチャチャについて少しでも理解が深まったのであれば幸いです!

以前の記事でも紹介したのですが、オーストラリアのブルース・ヒルズさんとヘレン・ヒルズさん夫婦のアチャチャ農園は訪問者を歓迎しています。

訪問するには事前に予約が必要で有料となりますが、夏の時期に行けば収獲したてのアチャチャも食べられるかもしれません(想像)

今後もし日本に輸入されることがあれば、日本在住の方もぜひ一度トライしてみてください!とっても面白い味ですよ!

オーストラリアのAchacha Farm
【公式サイト】


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