【まとめ】タイやフィリピンで人気の果物サントル(Santol / Cotton Fruit)を食べてみた!
突然ですが、見た目が美味しそうじゃない果物ってあるじゃないですか。
例えば、ジャックフルーツだったり、ドリアンだったり。(個人的主観)アジアにはそういう「見た目が悪い分、味がいい」みたいな果物が多い気がします。
そんな中、先日ある果物をカナダ・バンクーバーで見つけたんです。それがこちら↓
見た目だけだと、「かぼちゃだよね・・・?」っていう感じなんですけど、いいえ、違うんです。果物なんです(笑)
ということで今回は、この不思議な見た目の果物「サントル(Santol)」についてまとめてみました!実際に食べた感想もお届けしま~す!
この記事の目次
はじめに:サントル(Santol / Cotton Fruit)をカナダで発見した話
2019年5月下旬、バンクーバーで人気のお買い物スポット Granville Island のパブリックマーケットに行ってきたのですが、そこで見たこともないような果物を発見したんです。それがサントルでした。(最初は野菜かと思った笑)
サントルを手で持ってみると、そこそこいい重さでした。(同じ大きさのかぼちゃよりは軽かったです)そしてポップには以下のように書かれていました。
Santol “Cotton Fruit”(サントル “コットンフルーツ”)
Rich, sweet, tart and creamy taste (リッチで甘くて、酸味もあってクリーミーな味わい)
$ 15.00 each (1つ15ドル)(※日本円で 1,200円くらい)
「ひとつ15ドル?!高ッ?!」と最初思ったのですが、今まで一度も見たことがなかったので、速攻で購入しました。「コットンフルーツ」っていう名前も気になりますよね~!
早速家に帰ってサントルについて調べてみたので、ここからはサントルの基本情報をお届けします。
別名コットンフルーツ?サントルって一体どんな果物なの?調べてみた
ซื้อทุเรียนไม่ซื้อกระท้อน ก่อนตายต้องได้กินแต่ห้ามบีบกระท้อนนี่สะเทือนใจ 555 pic.twitter.com/B0drzFoO7d
— kendo_reporter (@kendo_reporter) 2019年5月26日
サントルの原産地は西マレーシア地域といわれていて、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイなど東南アジア地域で広く栽培されている果物です。また、スリランカやインド、北オーストラリアなどでも栽培されているようです。
日本語で色々調べてみると、大半が「タイ or フィリピンでサントルを食べてみた」という記事だったので、特にこの2カ国で人気なのかもしれません。
国によって呼び名も変わり、例えばフィリピンではサントルと呼ばれるものの、タイでは「krathon」or「sathon」、マレーシアでは「kecap」、ナイジェリアでは「Udara」と呼ばれています。
กระท้อน(クラトーン又はガトーン)。英語名はサントル。
もう少しで、熟します。
芳香は、フルーティーで、酸味と甘みが。 pic.twitter.com/PD1ZRHUcDu— Rak Thai (@thai_lak) 2017年5月26日
種類は果皮が黄色のサントルと赤いものに分けられ、黄色が主に栽培されているようです。赤い果皮のサントルをインスタグラムで探してみたのですが見つからなかったので、けっこうなレアものかもしれません。
また、サントルは果皮が少し固い(果皮に細かい線が入っているのも特徴)のですが、品種によって果皮の固さが異なるといわれています。タイでは「Teparod」 「Barngklarng」「Tuptim」 「Eilar」などの品種が出回っているそうです。(食べ比べしてみたい!)
The Santol, also known as cotton fruit, is another exotic Thai delicacy and is often used as an ingredient in Som Tam Salad. #ThaiDelicacies pic.twitter.com/On3wdXrkOa
— Tourism Thailand (@tat_india) 2016年12月1日
さらに面白いのが、サントルを半分に切ると上の写真のようになっているんですね。内果皮がかなり厚いのが分かります。(ちなみにほとんどの品種で内果皮も食べられます。)
真ん中にある白いものが果肉で、この部分がコットン(綿)みたいに見えないこともないです。
中央果肉部の味わいを英語版 Wikipedia では「桃のような風味とリンゴみたいな食感が組み合わされた果物」と表現されていました。
今回はけっこう熟しているであろうものを切ったので、果肉が少しドロっとしていたのですが、もっと若い(であろう)ものの写真を見ると、白い果肉部分がマンゴスチンに似ていることが分かります↓
@go2Thailand @Review_Thailand ได้เวลาของกระท้อนแล้ว 25 มิ.ย.-6ก.ค. ที่ลพบุรี ห้ามพลาด http://t.co/iUwyCKSuPl pic.twitter.com/u8dW5dMls1
— เที่ยวไหนต่อ (@touronthai) 2015年6月5日
このことから、グアムなんかでは「ワイルドマンゴスチン」とも呼ばれているようです。
当たり前ですがサントルの旬は地域によって違っていて、マレーシアでは6月・7月頃に熟し、フロリダでは8月~9月頃、そしてフィリピンでは7月~10月頃に収穫されているようですよ。
そんなサントル、実際に食べてみました!
サントルを生で食べてみた感想
購入後1週間ほど常温で置いておいたら色合いが変わってきたサントルを実際に食べてみました。指の腹で果皮を押すと少しへこむレベル。(いつが食べごろなのかよく分からなかったため、少し寝かしてみました。)
果皮がなんか木の皮みたいな感じだったので、包丁で剥けるのか不安だったのですが、案外すんなりと包丁が通りました。中にわたのような果肉があるのは分かっていたので、アボカド式に中央のところだけ残して切ってみると、こんな感じ↓
その後、外の皮をりんごの皮みたいに剥いて、内果皮とコットンみたいな果肉を食べてみました。
まずは柿っぽい見た目の内果皮部分からの感想なのですが、多少甘いのですが、かなり酸っぱかったです(汗)
しかも外果皮をけっこう薄く剥いたためか渋くて、渋柿が甘柿に変わる手前を食べているような感覚になりましたw自らすすんでは食べないやつ(笑)
なので、外果皮を生で食べたい場合はそれなりに厚く剥いて食べた方がいいかと思いました。食感はカチカチではなく、それなりに柔らかかったです。
次に中央の白い果肉部分なのですが、見た目がシャーベットアイスクリームみたいな感じでドロっとしていました。
果肉部分はけっこう甘いと事前情報があったのですが、実際に食べてみるとそんなことはなかったですね(笑)
「おー、なかなか甘酸っぱい」という印象しか残らず、甘さ20% + 酸味80% みたいな感じ・・・。ワイルドマンゴスチンなんて呼ばれるので期待していたのですが、マンゴスチンの極上の甘さには全く及ばない感じでした。
ちなみに果肉部分には細長くて薄いタネがあって、その種の周りの果肉は繊維のようなもので噛み切れませんでした(汗)だから、ずーっと口の中でなめる感じ。
噛み切れないナタデココを食べているような気分になりましたね。
総評は「生で食べるなら絶対次は買わない(笑)」。(ごめんなさい!)
甘いスイカの糖度は13度くらいなので、それと比較するとサントルの白い果肉部分は糖度5度で、内果皮は3度くらいだと思いました。
ちなみに、内果皮は切ったところからすぐに酸化していたので、切ったら早めにいただきましょう!
ルームメイトのカナダ人にもサントルを試食してもらったのですが、「It’s not good…」って言ってました(汗)
サントルを生で食べる以外にどんな食べ方をするのか調べてみた
The Santol, also known as cotton fruit, is another exotic Thai delicacy and is often used as an ingredient in Som Tam Salad. #ThaiDelicacies pic.twitter.com/On3wdXrkOa
— Tourism Thailand (@tat_india) 2016年12月1日
ということで、初サントル体験は失敗?に終わったのですが、色々と調べているとサントルは調理によく使われていることが分かりました。
上のタイ観光局の投稿でも「サントルはよく Som Tam Salad の材料として利用されます」と書かれています。
(ソムタムはタイで一般的の料理。青パパイヤを使ったサラダ)
そこで、野菜ソムリエHiroがSNSで見つけたサントル料理を紹介します。
サントル料理を調べていくなかで、最もよく見た料理がこちら↑
見るからにかなりスパイシーな感じで辛そうですが、一度食べてみたいと思いませんか?
上の動画では作り方も紹介されていますが、いかんせんタイ語が分からない(汗)塩を使っているのか砂糖を使っているかさえ分からない。
そこで英語で調べたところ、ちょっと料理の見た目は違いますが、以下の動画を見つけました。
上の動画では、以下のような行程を見ることができました。塩や砂糖を唐辛子と混ぜていたんですね~!( ◠‿◠ )ん~、食べてみたい!
1.まずサントルの外皮を包丁でそぎ落とす
2.切り込みを入れたサントルを塩水に浸ける
3.塩とチキンパウダー、そして新鮮な唐辛子を混ぜ合わせる
4.よく混ざったら干し海老を加え、さらに混ぜ合わせる
5.それが終わったら大量の砂糖を加え、さらに混ぜ合わせる
6.完成したものを水から引き上げたサントルによく絡める(手で握って味を染み込ませていました)
7.一晩置いてお皿に盛りつけ、さらに5のパウダーを振りかければ完成。
8.白い果肉にもパウダーを絡ませ、いかにも美味しそうに食べる女性の姿が・・・!
さらにこちらは、果皮を剥いたサントルを魚醤(ぎょしょう)といっしょにいただいていますね~。味の想像がつかない・・・。
そして、もはやサントル大感謝祭のこちらの写真。英語で書かれている部分があったので、どんな料理なのか少し分かりました。(以下料理名を意訳)
・サントルスムージー
・海老とサントルのレッドカレー
・蟹と海老を使ったスパイシーサントルのソムタム(※ソムタムは代表的なタイ料理のひとつ)
・シロップに浸けたサントル
ここまで見ると、どうやらサントル、海老や蟹などのシーフードと相性がいいみたいです。
デザートもありなんですね~!そこで、サントルを使ったデザートづくりしている動画も発見しました。
スライスしたサントルをライムジュースに浸し、その後茹でた甘いシロップにサントルを浸けるだけ!
ということで、サントルは調理にぴったりの果物だったんですね~!次回手に入れた際はぜひ唐辛子のやつとシロップのデザートを作ってみたいと思っています。
というか、もはやタイやフィリピン旅行した方が早そうですね(笑)
まとめ:実はフルーツカービングにも人気!不思議果物サントルを一度お試しあれ。
いかがでしたか?サントルに挑戦してみたくなりましたか?タイやフィリピンに行ったことがある人は「よく食べてた」という方もいるかもしれませんね!
日本で手に入るのかどうかネットで調べてみたのですが、やはり情報が出てこなかったので、日本には未上陸かもしれません。
最後に、フルーツカービングによって美しくなったサントルをご覧ください。
美しいですね!
ということえ、まだサントルを食べたことがない方はぜひ一度挑戦してみてくださいね!
また、この記事を読んでいる方で「サントル知ってるよ~!こんな食べ方もします!」みたいな方がいらっしゃいましたら、ぜひ野菜ソムリエHiroに教えてください~!
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