野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

中国産の種無しライチ特集!食べてみた感想や単為結果について解説

   

皆さん、「ライチは大好きだけど、種が無かったらさらに最高なのになぁ」と思ったことはありませんか?

野菜ソムリエHiroなんて「ライチは絶対種がある果物」と思っていたので、今まで種無しライチがあることすら想像していなかったのですが、先日カナダ・バンクーバーで種無しライチを発見してしまったんです(驚)

ということで今回は、種無しライチを特集!

実際に種無しライチを食べてみた感想といっしょに、種無しライチについてネットで調べてみた内容をまとめてお届けします。

最初に:バンクーバーの中国系スーパーで中国産「種無しライチ」を見つけた話

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先日6月中旬に、バンクーバーにある中国発のスーパー Sungiven Foods に行ってきました。実はこのスーパー、この前安納芋(バンクーバーで超レア)を販売していたお店!

そんなわけで今回も「珍しい野菜果物ないかな~?」という期待を持って入店。店内(青果売り場)を物色していると、、、

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「た・・・た・・・種無しライチ(Seedless Lychee)・・・・?!?イラストも種が無い・・・?!」

と一瞬固まってしまいました。パッケージには「収穫から72時間以内に中国から直接空輸されました」と書いてあって、フレッシュさを訴えていました。

1パック500gで $25.99 (日本円で2000円くらい)とかなり高価でしたが、種無しライチを食べたことがなかったので、迷わず購入しました♪

 

単為結果って何?海南に種無しライチの固有種?中国産種無しライチについて色々と調べてみた件

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購入した種無しライチを食べてみる前に、持ち前のネットパトロール力を駆使して種無しライチについて調べてみました。

そもそもライチは中国南部からベトナム北部あたりが原産地。特に中国では昔からたくさんの品種が栽培されていて、台湾やタイなど世界各地で現在栽培されている品種の多くは、中国が起源となっているといわれています。

つまり、「ライチといえば中国」というくらい、中国はライチとの関係が深いんですね~。特に海南(ハイナン)、広東(カントン)では樹齢1,000年以上のライチの巨木があって、今も実を付けているという記述もあります。

また、広東省だけでも200以上のライチの品種があるそうで、日本や野菜ソムリエHiroが暮らすカナダで見かけるライチは、世界から見ればほんの一部であることが容易に想像できます。

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ライチは品種がたくさんある中で、種がそもそも大きい品種や小さい品種もあって、小さい種は「鶏の舌(チキン・タング)」と呼ばれています。種が小さいほうが可食部が多くなるので、チキンタングのライチは値段も通常より高めに設定されるようです。

そして、今回見つけた種無しライチの品種を日本語・英語で調べてみたのですが、品種名は最後まで分かりませんでした(泣)

ただ、調べていくなかで単為結果性の強い品種のライチである可能性が高いという結論にたどり着きました。

この「単為結果(たんいけっか)」を簡単にいうと、受粉せずに種がないまま果実をつくる性質のことを指します。そして、単為結果の果実は普通種が無いんですね。

京都大学農学部のハウスで栽培されている(or されていた)ライチの品種「Chakrapat」には種子が直径2mm以下の種子の痕跡しかない果実が見つかり、これが発生する要因は単為結果である可能性が高いという表記もネットで見つけました。(リンク:ライチの単為結果性に関する研究 – 京都大学

余談になりますが、現在販売されているバナナやパイナップルも単為結果の果実なので、種が無いんです。

さらに、世界の野菜果物に関するニュースサイト「Freshplaza」にも中国産の種無しライチに関する記事(↑)があり、中国のハワイと呼ばれる海南島(ハイナン島)には、種無しライチの固有種があるそうです。

記事の中でチェンマイ群(Chengmai County)に347ヘクタールの種なしライチ農園をもつ Hainan Luqiao Agriculture and Farming Development のチャン・リー氏の説明があったので、一部意訳してお届けします。

(一部意訳)

私たちの種無し(シードレス)のライチの品種は新しいものではありません。種なしライチは自然に存在していて、育種ではなく自然による進化の結果です。

海南では、何百年も前から野生の種無しライチの木があって、種無しライチの木は受粉が無い単為結果で実ができます。

通常のライチと比較すると、種無しライチの木は収穫量が比較的低くなります。通常のライチの木の収穫量の約40%程度と推定されています。

また、果実は6月初旬にマーケットに販売されて、25日間のみ入手可能です。ほとんどの種なしライチはペアで成長します。皮が薄く、果肉がしっかりしており、糖度が高いのが特徴です。

ライチの保存可能期間は室温でわずか3日です。しかし、海南では夏の気温は38〜39度まで上昇することがあります。果物の品質をよりよく保てるように、種無しライチの栽培者は温度は約15度になる午前1時~5時に収穫します。

海南の種なしライチのほとんどの品種は、Chengmai County から来ています。その理由は、火山の近くにあるためで、土壌には野菜や果物の成長に役立つセレンが豊富です。

日本語意訳:元のソースはこちら

そもそも海南地域では紀元前200年頃には既に相当ライチが栽培されていたそうなので、そう考えると種無しライチがあっても不思議ではない気がしませんか?( ◠‿◠ )

また、2018年6月26日のChina International Fruit & Vegetable Fair (ChinaFVF)のニュース記事に「海南の種無しライチがシンガポールに輸出された」と書かれていて、「これは種無しライチが中国から輸出された初めてのこと」と記されていたので、種無しライチが世界で手に入るようになったのは、まだまだ最近のことのようです。

ということで、「ぶどうみたいにジベレリン処理(種を無くす)をしているのではないか?」という想像よりも、「自然の種無しライチの品種を今回手に入れたんだろうな~。嬉しいな~。」と個人的に勝手に思っていますw

 

実際に手に入れた中国産種無しライチを食べてみた感想

さてさて!中国からわざわざ遠いカナダまで空輸でやってきた種無しライチをいただいてみたので、簡単ながら感想をお届けします。

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まずは外見なのですが、普段見かけるライチより一回り大きかったです。ぷっくりと太っていて、いかにも白果肉部分が多そうでした。種無しなら尚更!

「フグみたいな膨らみ方してるなー」っていうのが第一印象でした汗

いっしょに購入した「ノーミーチ」という品種のライチの果皮より少しゴツゴツとした肌触りでした。

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水をかけて写真を撮ってみると、こんなに美しい外見になりました。ライチの見た目って芸術的ですよね( ◠‿◠ )

そして、半分に切ってみると、、、

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種が無いーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!(そして皮が薄い)

当たり前ですが、種がありませんでした♪

でも種子の痕跡?みたいな部分は残っていて、食べたときにそこだけ少し硬かったです。でもそこまで気にせず飲み込めます!パクパク食べているうちに、全く気にならなくなりました汗

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張りのある果肉はぷりぷり。でも食感は柔らかかったです。

肝心の味わいはというと、甘味が十分にのっていて、いっしょに少し酸味もある感じでした。噛んだら果汁がじゅわっと溢れて非常に満足。

あとやっぱり種がない分、なんか果肉が多いと思って、すごい得した気分。種を捨てる手間もなくて、幸せでした~。

皮を剥くときにヘタの部分をいっしょにくりぬく感じで剥くと、若干硬い部分もいっしょにとれて食べやすいかと思いました( ・◡・ )

 

最後に:ちなみにオーストラリアでも種無しライチがつくられています

ということで、いかがでしたか?
種無しライチが食べたくなったのではないかと思います。

種無しライチについて調べていく中で、日本語のパッケージのもの(↑)も見つけたので、少量ながら日本にも輸入されている可能性もあるかと思います。ぜひ探してみてください。

また、最近はオーストラリアの方が中国からライチの苗木を購入して地元で栽培し。19年かけて種無しライチを開発したとのニュースも出ています。

オーストラリアでの種無しライチの開発に成功したのは、現地で初とのことですよ。

今後もしかしたら日本でも種無しライチがたくさん流通する日も来るかもしれませんね。もしお店などで見かけたら、ぜひ一度購入してみてください♪


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