野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

北米で手に入るちょっと珍しいりんご5種類を食べてみた(Sweetie / Snap Dragon / Pazazz / JUICI / Koru Apple)

   

突然ですが、カナダをはじめ北米に暮らしていると日本ではまず見ないようなリンゴに出会うことができます!

特にりんごの季節である秋頃から冬にかけては、スーパーなどに行くと「お、初めて見るりんごの品種!」というものが毎年何種類かは経験上必ずあります。そして、野菜ソムリエHiroは新しいりんごを見つけると必ず購入して試食するようにしています♪

98001281_262607278125745_6633284995320381440_n

そこで今回は、2019年の秋~2020年の春頃までにカナダで出会ったちょっと珍しいりんご5種類について紹介!実際に食べてみた感想もあわせてお届けします~!

1. スウィーティーりんご(Sweetie Apple)

まずはバンクーバーの韓国系スーパーHMartで発見した Sweetie Apple。若干タマゴっぽいカタチのりんごです。

s1

調べてみると2005年にニュージーランドで生まれたりんごで、「PremA280」というのが正式な品種名で、Sweetie はブランド名であることが分かりました。

最近ではニュージーランド以外にアメリカでも栽培されていますが、特定の果樹園しか栽培できないようです。

スウィーティーというと、イスラエル産の緑色の柑橘「Sweetie」が思い浮かびますが、こちらもスウィーティーは愛称みたいなもので正式な品種名はオロブランコなので、似てるっちゃ似てますよね。

親品種は欧米で人気の「ロイヤルガラ(Royal Gala)」とニュージーランド生まれの「Braeburn」です。ロイヤルガラより少し早く熟すりんごです。

s7

実際に Sweetie Apple を食べてみると、果肉がとてもシャキシャキしていましたが、硬すぎるわけではなく絶妙でした。味わいははちみつのような甘さに程よい酸味で、ふじに近いと思いました。

親品種のブレーバーンも個人的にふじに近いものを感じるので、当たり前?全体的に非常に好印象のりんごでした。ニュージーランド産の Sweetie Apple もぜひいつか食べてみたいです。

甘味 ★★★★
酸味 ★★
固さ ★★★★

 

2.ジューシーりんご(JUICI Apple)

j1

JUICI Apple はアメリカ・ワシントン州で生まれたまだまだ新しいブランドりんご。初めての商業的流通は2017年です。

親品種は、先ほども登場したブレーバーン(Braeburn)と、北米で大人気のハニークリスプ(Honeycrisp)です。

片親のハニークリスプ(Honeycrisp:甘味がかなり強い品種)によく似た食味を持つりんごですが、JUICI Appleは甘味と酸味のバランスが良いのが特徴といわれています。また、果皮も薄め、そして貯蔵期間がかなり長いとされるりんごです。

上のインスタグラムの Starr Ranch Growers (ワシントン州ウェナチーの農園)と 種苗場 Willow Drive Nursery がいっしょに約10年の月日をかけて JUICI を開発していて、Starr Ranch Growers のみが栽培しているりんごです。

出回り期間は11月頃から3月にかけてです。野菜ソムリエHiroは2020年の1月下旬頃にカナダのスーパーで発見しました。

j7

食べる前からとても赤々とした美しい見た目で高評価でした。さらに名前が「ジューシー(英語で本来はjuicyですが・・・)」なので、「あー、ジューシーなりんごなんだろうな~」と期待も大!

実際に JUICI Apple を食べてみると、親であるハニークリスプみたいに濃い甘さがすごく際立つリンゴだと思いました。酸味は少ないけど、名前に恥じない感じでかなりジューシー感がありました。

ちなみに歯ごたえは見た目から想像していたほど硬くはなく平均ぐらいでした。

甘味 ★★★★
酸味 ★★
固さ ★★★

 

3. スナップドラゴンりんご(Snap Dragon Apple)

ニューヨーク州でCrunch Time Apple Growersたちによって限定的に栽培されているスナップドラゴン。元々はCornell Universit(コーネル大学)のリンゴ育種プログラムによって10年の年月をかけて開発されたものです。

片親はハニークリスプであることが明らかにされていますが、もう片方は名前の無い品種です。

IMG_8248

野菜ソムリエHiroが暮らすカナダのバンクーバーでは、八百屋チェーンである Kin’s Farm Market が独占契約で販売していて、「スナップドラゴン買えるのはキンズだけ」みたいな広告を見てすぐに買いに行きましたw

購入したもののパッケージを見ると「モンスタークランチ(モンスター級に歯ごたえがいいぞ、的な)」と書かれていたので、歯が折れるのではないかと食べる前に心配になったりんごでもあります。

sd3

そして、実際にスナップドラゴンりんごを食べてみると、そこまで硬くなかったです・・・(笑)
正直なところ、ふじりんごの方が硬い気がしました(爆)

また、スナップドラゴンを食べる直前に日本産のシナノゴールドを食べていたのですが、スナップドラゴンの甘味はシナノゴールドとは全然違っていて、甘味といっしょに酸味が映えるような感じでした。噛んだ瞬間に果汁がぶわっと出てくるところが好き!

りんごって味が似ているようで、品種によって実は全然味が違うのがやっぱり面白いですよね。

sd11

甘味 ★★★★
酸味 ★★★
固さ ★★★★

 

4. パザーズりんご(Pazazz Apple)

97990791_1545533658954992_7534765082761232384_n

パザーズりんごは、ミネソタ州で始まった果樹園 Honeybear Brands の新しいりんごで、みつばちを使ってハニークリスプと未知の栽培品種との自然交雑から生まれました。(誕生までになんと10年かかっているそうです)

現在はアメリカやカナダの家族経営の農家の方々によって栽培されていて、同じくアメリカやカナダで入手可能なりんごになっています。

上のビデオで、Honeybear Brands 社長のFredさんがパザーズりんごについて語っている(英語)ですが、Pazazzのことを「りんご界のゲームチェンジャー(革命を起こす、的な)」と言っていたところをみると、相当品質に自信ありというのが伺えます。

ちなみに、Pazazz Appleは通常10月に収穫され、その後貯蔵されたものが7月頃まで出回ります。

pa1

野菜ソムリエHiroが Pazazz Apple を見つけたのは、カナダの大型スーパーにて。カナダ産のものでした。

実際に食べてみると、親であるハニークリスプみたいに蜜っぽい甘味が強い品種でした。糖度が高いハニークリスプと違うのは、Pazzazはそこに酸味も十分にのった感じでした。

また、歯ごたえもシャキッとしていて、非常に好印象なりんごで、また買いたいと思わせてくれるレベルでした。今後に期待!

pa7

甘味 ★★★
酸味 ★★★
固さ ★★★★

 

5. コルりんご(Koru Apple)

View this post on Instagram

You have to try our delicious KORU® apples ASAP!

A post shared by Starr Ranch Growers (@starr_ranch_growers) on

ニュージーランドのネルソン近くに暮らすGeoff Plunkett氏の妻の母親が庭に投げ込んだリンゴから苗が育ったと信じられている KORU Apple。 ふじとブレーバーン(Braeburn)が偶発的に混ざり誕生したりんごといわれています。

当初はニュージーランドの原住民であるマオリの言葉で「Kotabaru Apple」と呼ばれていました。その後、「Plumac」という名前を経て、現在の「KORU(コル)」に落ち着きました。コルはマオリの言葉で「シダの葉を広げること」という意味があるそうです。

k1

KORU Appleも栽培先が限られていて、ニュージーランドの McGrath Nurseries をはじめとして、この記事で2番目に紹介した JUICI Appleの生みの親である Starr Ranch Growersも KORU Apple を栽培しています。

Starr Ranch Growersのウェブサイトには KORU について以下のような面白いことが記されていました。

KORU® is complexly sweet, with subtle tartness and notes of honey, orange juice, spice, and vanilla. It has also been described as cidery, due to its juiciness.

Starr Ranch Growers

(意訳)
KORUは微妙な酸味とハチミツ、オレンジジュース、スパイス、バニラを混ぜたかのような複雑な甘さです。また、そのジューシーさから、リンゴ酒のような味わいとも表現されています。

なんかすごいですよねw

また、ウェブサイトを見ると「冷蔵庫で最大4ヶ月間保存できる」「カタチが崩れにくいので、アップルパイづくりに最適」「カットしても茶色になりづらいので、サラダにもよい」などと書いてあって、かなりの優等生かもしれません。

k13

野菜ソムリエHiroがアメリカ産の KORU Appleを実際に手に入れたのは2019年12月頃で、普通のスーパー以外でもコストコなんかにも並んでいた記憶があります。

一口噛んでジューシーさが分かるようなりんごで、しっかりした歯ごたえが魅力的でした。また、皮が少しだけ硬い印象を受けました。甘味はGood(英語かぶれw)で酸味がそこそこあるので、甘すぎるリンゴが苦手という方にもオススメできるかと思いました。

全体的に日本のふじりんごに似ているかと思いましたが、酸味が少しだけふじより高めなんじゃないかと感じました。リピートアリかナシでいったら、断然あり!!

甘味 ★★★★
酸味 ★★★
固さ ★★★★

 

最後に:りんごは世界中に7,000種類以上といわれている件

97884680_572029340382239_1516280548211818496_n

ということで、野菜ソムリエHiroがカナダで見つけた5種類のりんごを紹介しました。

今回紹介したものはカナダでは定番でよく見かけるりんごではなく、スポット的に入荷したようなちょっと珍しいものばかりだったので、カナダにお住まいの方は「見つけたら買ってみようかな~。」くらいに考えておいてください汗

上記5種類の中で個人的に一番気に入ったものを挙げたかったのですが、どれも甲乙つけがたい品質のりんごだったので、今回は引き分けということで(笑)

世界には7000種類を超えるりんごがあるといいますが、死ぬまでにあとどのくらい新しいりんごに挑戦できるのか・・・!今後も新しいりんご探しの旅は続くのでした~( ◠‿◠ )


奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 Kindle版


りんご だんめん図鑑 (日本語) 単行本


リンゴを食べる教科書 健康果実のひみつ (日本語) 単行本(ソフトカバー)

 - Juici, Koru, Pazazz, スイーティー, スナップドラゴン