スタンレーパークで発見した野生のベリー6種まとめ(サーモンベリー/ハックルベリー/レッドエルダーベリー/シンブルベリー/サラルベリー /オーバルリーフブルーベリー)
先日、バンクーバー在住の友人からとある野生のベリー(ワイルドベリー)の存在を教えてもらった野菜ソムリエHiro!
色々と調べてみると、ここカナダBC州バンクーバーでも様々なワイルドベリーを発見できることが分かりました。(BC州は自然の多さが魅力なのです!)
そこで7月上旬に、年間800万人以上が訪れる4km²という広大な公園かつバンクーバーの一大観光名所「スタンレーパーク(Stanley Park)」に行ってきました。
大して下調べしなかったのですが、「水場の近くに行けば何かあるのでは?」と考えて、今回はスタンレーパーク内にあるビーバーレイク(Beaver Lake)周辺を探索してきたので、そこで見つけたベリー6種類を紹介します。
この記事の目次
1.サーモンベリー(Salmon Berry)※生食OK
バンクーバーにある公園で収穫したサーモンベリーです。
日本ではなかなか見かけないのでは無いでしょうか? pic.twitter.com/4cohIbJB9b— カナダの野菜ソムリエHiro🇨🇦 (@hiro_vegetable) July 6, 2020
まず発見したのは、果実が赤、黄、赤紫に色づく不思議なサーモンベリーです。バラ科の果物で、太平洋沿岸あたりとアイダホ州に自生しているようです。
野菜ソムリエHiroは先日までサーモンベリーの存在を全く知らなかったのですが、調べてみると北米では一般的に野生で育っているベリーの一種で、生で食べたりジャムやパイに利用されていることが分かりました。
サーモンベリーは上の写真のような鋸歯状の緑の葉で、果実も王冠を被っているような風貌。枝にはけっこう棘があるので、果実を収穫する際はぷにっとした果実を持って引っ張るようにしました。
実ができるのは5月上旬~7月下旬にかけてで、他の一般的なベリーに比べて一足先に実をつけます。
湿度の高い森や小川のそばなど湿地を好んで育つので、今回ビーバーレイクの周りに行くとたくさんありました。ただ、7月上旬に訪れたので、大きな実を見つけるのにけっこう苦労しました。
推測ですが、多くは既に公園内の鳥や動物が食べているのではないかと思いました。
(薄い黄色のものは未熟のサーモンベリー。熟すと黄金色で光沢があります)
ちなみにWikipediaによると、ネイティブアメリカンは、サーモンと一緒にサーモンベリーを食べていたりしたそうです。
また、サーモンベリーという名前は、「イクラに似ているため」or「サーモンの遡上時期に実るため」など諸説ありますが、正確なものは分かりませんでした。
ここで、バンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学(通称UBC)の林学部による動画でサーモンベリーについて詳しく紹介されていたので、シェアします。
英語が分からなくてもなんとなく「サーモンベリーってこんな感じなんだ~!」っていうのが掴めるかと思います( ◠‿◠ )
ちなみにFacebookにサーモンベリーの写真を投稿したところ多くの方から「日本でも見たことがある!」というコメントをいただいたので、北米だけかと思ったのですが、日本にも自生しているようです!
木いちごの🍁もみじいちご🍁
はっけん〜(* ´・` *)-◯
もみじみたいな葉っぱのいちご🍓おいしいまる〜 pic.twitter.com/CNVUCLsYQ7— Marushippo(まるしっぽ) (@marushippo_info) June 5, 2018
その後色々と調べていると、日本に自生している「モミジイチゴ(こちらは黄色オンリー)」がサーモンベリーが激似だったので、サーモンベリーと間違えないようにしてくださいね(^-^;
2.レッドエルダーベリー(Red Elderberry)※有毒
(枝ごと折れて地面に落ちていたレッドエルダーベリー)
レッドエルダーベリー(和名はセイヨウアカミニワトコ)もスタンレーパークで発見しました。7月上旬で実がかなり小さめだったので、まだ成熟していないような印象を受けました。
レッドハックルベリーはギザギザの葉で白い花(臭いらしい)が咲きます。土壌水分状態は中程度~湿潤が栽培に適しているため、ビーバーレイク周辺にはけっこうたくさん実っていましたよ。
上の写真のようにたくさんの明るい赤い実が密集してつくのが特徴ですが、ネットで画像検索すると、実のまわりの枝がもっと紫のはずなのですが、今回見つけたのは黄緑でした。未熟だからでしょうか・・・?
また、調べてみるとレッドエルダーベリーの果実と花以外は有毒とのことでした。果実には有毒の種が含まれているので、普通に考えると種を取り除けば食べられないことはなさそうですが、あんまり食べない方がよさそうです。
収穫時には有毒であることを全く知らなかったので、食べなくてよかった~と思いました汗
こちらもバンクーバーのブリティッシュコロンビア大学の林学部による動画があったので、紹介します。エルダーベリーがどのように育っているのかがよく分かります↓
ちなみに、赤色ではない濃い紫色の「エルダーベリー」は万能の薬箱とも呼ばれ薬用に用いられたりしているので、同じエルダーベリーでも違いが面白いと思いました~。
このエルダーベリーって山とかにはえてるやつかな?
実はこれ、ウイルスが引き起こす呼吸器症状の緩和に効果があるとされ、さらに摂取することによりインフルエンザからの復帰が平均して4日早まるという研究結果もある。
日本で見たことないが海外にはサプリがある様なので今度取り寄せてみようか… pic.twitter.com/rcjPVz7nXG
— ダビデ MS,ATC,XPS (@ATCism_JPN) April 12, 2020
3.レッドハックルベリー(Red Huckleberry)※生食OK
次に見つけたのはレッドハックルベリー。名曲 Moon River の歌詞にも出てくるので、名前だけは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
生で食べると野イチゴのような若干の甘味と酸味を感じた果物です。
木に最大1㎝ぐらいの赤い実が一粒一粒ぽつぽつと付いているのが可愛らしいと思いました。昔は沿岸の先住民族によって生で食べられていたり、潰して乾燥させて冬につくるケーキに利用されていたそうです。
また、レッドハックルベリーを魚の餌として利用していたことも!現代では生食のほかにジャムにされたりしています。
ブリティッシュコロンビア大学林学部の動画によると、レッドハックルベリーは緑色の枝と卵型の葉が特徴的で、花は黄緑~ピンくっぽいベル型になります。
また、よく似ているものにオーバルリーフブルーベリーとアラスカンブルーベリーという果物がありますが、どちらもレッドハックルベリーより葉が大きく、果実が青黒くなるので見分けがつきます。
Twitterで検索しても日本語のものがほぼ無かったので、もしかしたら日本では自生していないのかもしれません。BC州では一般的に見つかるベリーとして知られています。(他のものと同じくお店で売っているのは見たことがありません)
4.オーバルリーフブルーベリー(Oval Leaf Blueberry)※生食OK
湿った針葉樹林によく見られるというオーバルリーフブルーベリーも、ビーバーレイクの周りに少しだけですが発見することができました。木は最大で2mくらいになるそうです。
ピンクっぽい花をつけ、果実の見た目は、↓の写真のとおり普段よく見かけるようなブルーベリーになります。なので、初めてオーバルリーフブルーベリーを見つけた際はびっくりしました。
「えっ!ブルーベリーじゃない、これ?!でも葉っぱとか普段見かけるのと全然違う!」みたいなw
さらにブリティッシュコロンビア大学・林学部の動画によると、いつもスーパーマーケットで見かけるようなブルーベリーよりももっと風味が強いそうです。(今回収穫しなかったので、損した気持ちになりました~)
オーバルリーフブルーベリーは先ほどもちょこっと紹介した「アラスカンブルーベリー」という名前の別のブルーベリーと激似なのですが、以下で見分けることができます。
⇒その折った部分に毛がある場合、アラスカンブルーベリー
⇒毛が無ければオーバルリーフブルーベリー
5.シンブルベリー(Thimbleberry)※食用OK
北米の北西部・温帯地域(沿道や線路沿い、森林)で自生するキイチゴ属のひとつがシンブルベリーです。
見た目はなんとなくラズベリーと似ていますが、ラズベリーよりものっぺり(?)としていて、ほぼドーム型の果実が特徴的です。
果実の形が縫物で使う指ぬき(Thimble)に似ているため、Thimbleberry と名付けられているようです。
スタンレーパークのビーバーレイクの周りにほんの少しだけ木があって、木は最大で3mくらいまで育ちます。葉は大きくて、カナダの国旗にもある楓の葉のようなカタチをしています。
夏の中盤~終晩にかけて真っ赤に熟し、ジューシーで甘くなるので、今回訪れた7月上旬はちょっと早かったのかもしれません。(2時間くらいうろうろして、そもそも木が少ないのと、一粒しか赤く熟しているものを見つけられなかった)
また、先住民の方たちはシンブルベリーをほかの果実をあわせてお茶をつくったりしていたそうですよ。
シンブルベリーは棘がないので、収穫しやすいかもしれません。日本に自生しているかと思ったのですが、こちらもTwitterではほとんどつぶやきが見られませんでした。
6.Salal berry(サラルベリー) ※生食OK
最後に紹介するのはサラルというベリーの一種です。
BC州では一般的な常緑樹で、乾燥した針葉樹林によく見られますが、湿原林や海岸沿いにも生えています。葉はたまごっぽいカタチで光沢があって美しかったです。
夏にはピンク色の花が咲き、秋ごろに果実ができます。果実は赤黒いものから濃い紫色になります。
7月上旬にビーバーレイクの周りを訪れた際はまだ熟していなかったのですが、熟すと少しだけ甘味もあるそうですよ。
先住民の方たちにとって、サラルベリーは大事な食糧源だったようで、乾燥させてケーキに使用していたようです。また、果実の色を活かして染料にも利用されていたようです。
ビーバーレイクの周りにたくさんサラルベリーがあったので、次回秋頃に訪れた際に熟しているものがあるか確認してみたいと思います。
最後に:野生のベリーは鳥や動物の食べ物になるので、採り過ぎないように注意
ということで、今回はバンクーバー随一の公園スタンレーパークのビーバーレイク辺りで見つけたベリー6種類を紹介しました。
日本からこの記事を見てくださっている方の中には、「え、こんなのあるのか~知らなかった~」というベリーもあったのではないでしょうか?
野菜ソムリエHiroは野生の果物については全然知識がなかったので、今回のベリー探索でけっこう勉強になって、とても良い経験となりました( ・◡・ )♪
実はネットで調べている際に、未だ見たことが無いブラックラズベリーもスタンレーパーク内にあると書かれたページも見つけたので、行ってみようと思っています♪
他にもまだまだ知らない野生の果実がありそうなので、見つけたら随時報告しますね~!
【バンクーバー市のStanley Parkページ】
今回特に参考にさせていただいたページ:
★Northern Bushcraft
★SIERRA CLUB BC
★Coastal Plants of BC – UBC Forestry
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