野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

隠されたバラ色果肉!北米で出回るHidden Rose Appleを食べてみた感想

突然ですが、最近野菜ソムリエHiroが個人的にSNSでよく目にしていた果物の中に、「Hidden Rose Apple(ヒドゥン・ローズ・アップル)」というりんごがありました。

直訳すると「隠されたバラ色のりんご」的な感じなんですが、その名前の通り見た目からは想像できないくらいバラ色(赤色)の果肉なのが特徴なんですね~。以下をご覧ください。

果肉全体がバラ色ーーーー!!!(驚)

残念ながらバンクーバーでは全く見かけないリンゴで、いつも写真を見る度に「いつか手に入れてみたいな~」と思っていたのですが、先日ついに入手することができました!

そこで今回は、Hidden Rose Appleが一体どんなリンゴなのか、そして実際に食べてみた感想をお届けします!

※動画でも食べた感想を喋ってます↓

 

Hidden Rose Apple(ヒドゥン・ローズ・アップル)をバンクーバーの八百屋 Grand Marpole Market で購入した話

早速ですが、野菜ソムリエHiroがどうやってカナダBC州バンクーバーでHidden Rose Appleを見つけたかをまずお話します。

実は、先日ピンクパイナップルを購入した際にお世話になったバンクーバーの卸会社 Exotic Orchard Produceが、「Hidden Rose Appleを仕入れたよ」とインスタストーリーに投稿していたんです。(※既に投稿は消えています)

そこで、「Hidden Rose Appleを探してたんです!どこで買えるんですか?」と速攻で尋ねてみると、「Grand Marpole Marketか、うちの会社から直接買えるよ」と教えてもらったわけです。

Exotic Orchard Produceとの実際の会話がこちら↓

そこでバンクーバー市の南にあるアジア系の食料品店 Grand Marpole Market に週末行ってみました。
(実は週末前、仕事終わりに行ってみたらGoogleに書いてる営業時間より早く閉まっていて買えなかったので、2度目のチャレンジ)

上の会話から3、4日経っていたので「まだ残ってるかな・・・」と心配していたのですが、お店に行ってみるとそもそも売り場にHidden Rose Appleがありませんでした(笑)

なので、お店のおばちゃんに「Hidden Rose Appleを探してるだけど・・・」と伝えると「あぁ、あるわよ。ちょっと待ってて。」と、バックヤードから1箱持ってきてくれました。

で、上のツイートにも書いたのですが、バラで売ってくれるのかと思ったら、箱ごとそのままレジに持っていかれて「品質問題無しね!はい、48ドル!毎度アリ!」的なことを言われ、強制購入イベントに突入w

でも、絶対手に入れたいと思っていたので、財布のひもが緩みました~。憧れのHidden Rose Apple、ついにゲットです!

(購入直後のHidden Rose Apple)

ちなみに「48ドルって高くない?」と最初思ったのですが、1箱に22玉入っている=単純計算で1玉2ドル(日本円だと178円くらい)だったので、全然悪くないと思えるお値段でした♪

 

Hidden Rose Appleってどこで生まれたの?歴史を調べてみた

Hidden Rose Appleは太平洋岸北西部オレゴン州に拠点を置く特別な農産物を扱うディストリビューター Dragonberry Produce が販売しているりんごです。

今回購入した箱にもDragonberry Produceのロゴや文字が入っていました。

実はHidden Rose Apple自体、1960年代に米国オレゴン州エアリー(Airlie)にある果樹園で発見されたのが始まりといわれています。

その果樹園の所有者はラッキー・ニューウェルさんとオードリー・ニューウェルさん(Lucky / Audrey Newell)で、果樹園内で偶然育っていた木(品種は Newell-Kimzey)に実ったリンゴを噛んでみると、内側がピンクがかった赤であることが分かったそうです。(そのときの木はまだ若かったとのこと)

※野菜ソムリエHiroがよく参考にしている Specialty Produceのページには、誰が最初にこのリンゴを発見したかについて議論が交わされているそうです。

ただ、その後は果樹園内で栽培・消費され、1966年にはニューウェルさんたちは大きな土地に移り住むため、その木があった80エーカーにもなる果樹園を売却しました。

なんとそれから20年後、 その売却された果樹園のフィールドマネージャーだったLouis Kimzeyさんが、果樹園を歩いていて大きな木からリンゴを収穫して噛んだとき、この特別な木を再発見(新品種であることを認識)するカタチとなったそうです。

その後、Louis KimzeyさんはEric Schwartzさんといっしょに研究と繁殖のために接ぎ木を開始。そして1992年にHidden Rose Appleの最初の果樹園が設立されました。

そのため、Eric Schwartzさんが最初にHidden Rose Appleの栽培を始めた人として知られています。

 

Hidden Rose Appleという名前は品種名ではなくブランド名

ちなみに Hidden Rose Apple という名前は、2001年にEric Schwartzさんによって付けられた商標名(いわゆるブランドネーム)で、Dragonberry Produce によって販売されるようになりました。

しかし現在他にも同じ品種を育てている人もいるため、Hidden Rose Applesという名前を含めて、今まで以下のような名前で呼ばれているそうです。

★Airlie Red Flesh
★Newell-Kimzey(← 接ぎ木する前の元の品種ですね)
★Schwartz apples
★Mountain Rose apples

ここで問題なのが、Hidden Rose Appleは商標登録されているため、同じ品種を生産している他のりんご農家さんはHidden Roseという名前を使えないということ。

例えば、同じオレゴン州のりんご園 Kiyokawa Family Orchards で育てられているりんごは、同じ品種なのに「Mountain Rose」という名前で販売されているんです。

なので、消費者にとっては「え?同じりんごなの?別のりんごなの?」と混乱してしまいそうなのが現状です。

ちなみに現在、Hidden Rose Appleは特定の栽培者にのみライセンスが与えられていて、商標名(Hidden Rose Apple)で販売されている全てのリンゴはオーガニック認定を受けているのが特徴です。(Oregon Tilth Organization と the United States Department of Agricultureから認定)

言い換えれば、Hidden Rose Apple という名前を売り場で見たら、それは全てオーガニックのりんごなんですね。そこは分かりやすくて、消費者にとっても嬉しいポイントかもしれません。

 

Hidden Rose Appleが出回る季節は?

Hidden Rose Appleが出回るのは例年10月~11月頃までとなっています。

野菜ソムリエHiroが手に入れたのは12月初旬だったので、時期的には終わり頃に手に入れたことになります。

 

実際に食べてみた感想⇒超感動★

人生で初めてカットしたHidden Rose Appleがこちらです↓

キュートですね~( ′⌄‵ )♪

そして2個目にカットしたものがこちら↓

そう、2個目はより果肉のローズ色が強かったんですね。

切ったらこの鮮やかさそのままだったので、もうびっくりというか感動しましたよ。

購入したHidden Rose Appleの果皮の色はなんともいえない淡黄色のような色合いで、一部のりんごはほのかにピンクかかっていたり、赤色が果皮に入っているものもあって、まちまちでした。

また、グラニースミスアップルのような白いそばかすのようなものが果皮にあって、肌触りはレッドデリシャスアップルのようにツルツルでした。

そして特筆したいのが、香りがむちゃくちゃ良かったということ。カットしたものをコンテナー入れていたのですが、コンテナーを開けたらもう「あぁ、リンゴのいい香り~♪」感がすごかったです。

実際に食べた感想は、「え、新感覚かも?」でした。

何が新感覚かというと、口の中に広がる香りが日本にいた頃食べていたピオーネ(ぶどう)みたいに思えたからです。

ピオーネは岡山で人気の黒ぶどうで、野菜ソムリエHiroの祖父母が岡山でピオーネを育てているので、その味と香りは絶対忘れません。そんなピオーネみたいな味をカナダで感じることができて、なんだか感動してしまったんです。

また、Hidden Rose Appleの果肉はすごく歯応えがあってパリッとした感じ。食べていて新鮮さというか品質の良さが分かる気がしました。

甘さと酸味を比べると酸味が少し勝っているのですが、ワインのような深くて複雑な味わいで、生でも十分食べられると思いました。(Dragonberry Produceは「ストロベリーレモネードを思わせる独特の味わい」と書いていました)

ちなみにルームメイトにも食べてもらったのですが、「ぶどうみたいな香りはしないと思うけど(爆)、味はとってもいいね」と言っていました!

個人的にたくさんの人に食べて欲しいリンゴの一つに認定~!

 

最後に:ローズ色の果肉を活かした料理も楽しそうです

ということで長々と書いてしまいましたが、Hidden Rose Appleの魅力などが伝わっていたら幸いです。

Dragonberry Produceによると、Hidden Rose Appleは調理してもその鮮やかな色合いが残るそうですよ。

美しすぎるローズ色の果肉は生で食べるもよし、コンポートやジャムにするもよし、料理の付け合わせやサラダに使うもよしです♪

最後に、InstagramでHidden Rose Appleを使った料理を少し探してみました↓

日本で Hidden Rose Apple が出回っているのかは正直謎なのですが、日本にも同じように果肉が紅い品種が最近は増えてきているように感じるので、Hidden Rose Apple が手に入らないという方も、ぜひ果肉が紅色のリンゴを手に入れてみてください!

Dragonberry Produce
Organic Hidden Rose Apples®

Hidden Rose Applesのギャラリーがあるサイト
https://www.hiddenroseapples.com/