野菜ソムリエHiroは普段から珍しい果物に目がないのですが、たまに本当に食欲のそそらない見た目の果物を発見するんです。先日出会ったのが、こちら。
どうですか。食べたいと思いますか、このトゲトゲ(泣)
写真の果物の名前はスネークフルーツというのですが、サラクとも呼ばれています。
実は以前も一度購入したことがあるのですが、先日たまたま新鮮そうなやつを購入することができたので、今回はこのスネークフルーツについてたっぷりまとめてみたいと思います。
また、「食べたくねぇ~・・・」と思いつつ、ちゃんとスネークフルーツの味についても確かめたので、どんな味か気になる方は最後まで読んでくださいね!
この記事の目次
初めに:スネークフルーツ(サラク)と野菜ソムリエHiroの馴れ初め
野菜ソムリエHiroが初めてスネークフルーツに出会ったのは、今からかれこれ約1年前の2018年夏だったのを記憶しています。珍しい果物をよく品揃えているグランビルアイランドのパブリックマーケットのお店に行った際、スネークフルーツを生まれて初めて発見したんですね~。で、
「ええええええええええ!何コレーーーーーーーー!!見た目ヤバいやつーーーー!!!果物に見えないーーー!!!」
って一人で勝手に叫んだんですね。
しかも、そのとき虚勢を張ってスネークフルーツを購入したはいいものの(17ドルくらいした)、どうしても見た目が気持ち悪くて食べられなかった苦い想い出があるんです(汗)食べ物の神様、本当にすいません・・・。
そんな想い出すら記憶から薄れてきた約1年後の2019年6月、バンクーバーで人気のアジア系大型スーパー T&T にスネークフルーツの姿を発見しました。
今回は袋に包まれての登場となりましたが、あいも変わらず食欲のそそらない見た目に心が折れそうになりました。漢字での名前も「蛇皮果」ってそのまんま過ぎる・・・。(← ヘビが苦手な人)
しかもやっぱり1房17ドルくらいで「さすがスネークフルーツ、なかなか高いじゃないか」とも思いましたね。(1カナダドル80円とすると1,360円くらい)
しかし、一度食べずに腐らすという最悪の行為をしているだけに、もう失敗はできないと覚悟を決めて、17ドルのスネークフルーツをお買い上げ。(自らの間違った行為を)供養するつもりで食べることにしました。(ちなみに追熟しないので、購入後すぐに食べるのがベター)
(※やっぱりそこそこお値段張る感じでバラしたスネークフルーツも販売されていました)
原産地は?品種は?実際食べる前にスネークフルーツ(サラク)について調べてみた!
ということで、実際にスネークフルーツを食べる前に、まずは恐怖心を無くすために(けっこうガッツリと)予習してみたので、調べた内容をシェアします。
まず、スネークフルーツはあだ名のようなもので、本来の果物の名前は Salak といいます。茎が超短いヤシの一種で、ヤシ科サラカヤシ属に属しています。
和名はサラカヤシ(or サラッカヤシ)ですが、上記の英語 Salak をそのまま音で訳してサラクと呼ばれるのが一般的な模様。
原産地はインドネシアのジャワ島で、現在はインドネシアはもちろん、マレーシアやミャンマー、タイ、インド等でも栽培されているとのこと。
調べてみると、なんと日本でも昭和初期頃に東京でスネークフルーツが販売されていた記録があるそうです。(現在日本で栽培されているのかは謎)
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上のインスタグラムの写真のように、スネークフルーツは房状に実る果物で、果皮が小さな鱗で覆われているように見えることからスネークフルーツというあだ名になっているんですね。
表面には短いトゲがありますが、指でそのまま触ってもチクチクする程度で、深くトゲが刺さって血が出るという感じのトゲではありません。(でもできることなら手袋的なものをつけてから触るのが安心なので、手袋装着をオススメします。)
また、スネークフルーツには品種が色々とあって、アンボイナ系、リーオウ諸島系、ジャワ系などに分かれていて、ジャワ系が最高品質といわれています。
果皮の色も黒い褐色のようなものから、上の写真のような茶色っぽいものもあります。カタチも品種で異なって、球形っぽいスネークフルーツもあれば、角ばったようなものも存在しています。(一度全部お目にかかりたいですね~)
以下の写真と上でお見せしたスネークフルーツとでは、かなり見た目に違いがあるのがわかると思います。(以前ハワイのフランキーズ・ナーサリーで見せてもらったスネークフルーツです。)
英語版Wikipediaによると、最も人気の品種が2つあるとのことなので、以下に紹介します。
ジャワ島のジョグジャカルタ地域で重要とされている Salak Pondoh。インドネシアで非常に人気の品種で生産量が1999年から5年間で年間生産量が倍増しています。完熟前でも甘い香りが漂う品種。
Salak pondohはさらに3つの種類「pondoh super」「pondoh hitam(黒果皮)」「 pondoh gading(象牙、黄色っぽい果皮)」に分かれます。
2. Salak Bali (from バリ島)
バリ島で一般的に売られているもので、地元民にも旅行者にも人気。大きないちじくくらいの大きさになり、歯ごたえがある一方でしっとりともしている。パイナップルとレモン汁を混ぜたような風味がする。
Salak Baliの中で最も高価な品種といわれているのが、 gula pasir(砂の砂糖、穀物の砂糖の意)。通常のサラクより小さいのですが、最も甘いといわれています。Sugar Salakなんて呼ばれることもあるみたいで、ワインづくりにも用いられるとのことです。
Salak Pondohの可食部100g中の栄養価もWikipediaに記載されていたのですが、鉄が 3.9mg も含まれていました 。
その他は大して強い印象はなかったのですが、強いて言えばビタミンCが 8.4mg、カルシウムが 38mg 含まれているようです。
ていうか、やっぱり鉄分が可食部100g中に3.9mgってスゴイです!以前記事にした果物の鉄分含有量ランキングでいえば、2位に入ります。
スネークフルーツ(サラク)を実際に食べてみたら、めちゃくちゃ驚いた件
ということで、スネークフルーツについて色々分かったところで、スネークフルーツを実食してみました。(まだドキドキしている野菜ソムリエHiro)
そもそもこんなトゲトゲしい見た目ですが、それぞれの果実はぷっくらとしていて可愛いと思えば可愛いですよね(そう思い込むことにしました)
ひとつ素手で果実をむしってみると、こんな感じでした。
じっくり見て「やっぱコレ可愛くないわ」と後悔したのですが、スネークフルーツの皮を剥いてみました。
写真の果実の先端部を少しひねると果皮はけっこう簡単に剥けました。
黄色?オレンジっぽい果肉がひょっこり顔を出しました。前情報が無かったら腐っているのではないかと疑っていたところですが、これでフレッシュな状態なんです。(果肉が白い品種もあります。どの品種なのかは謎ですが)
ちなみにこの時点で、けっこうトロピカルな香りがしましたね。見た目に反してやっぱりトロピカルフルーツなんです。さすがインドネシア。
果皮はこんな感じにべろべろーっと剥けます。けっこう果皮が薄いのが写真から伝わるでしょうか?
中から出てきたのは、2つの果肉片がくっついたスネークフルーツ。少し指で力を入れると、2つが簡単にはがれました。
後で気付いたのですが、スネークフルーツは密接した感じで果実ができるので、ひとつひとつの大きさが違うんですね。だから、皮をめくると、果肉片が1つのものもあれば、3つのものもありました。大きさによって異なっていたんですね~。
ではここからは実際に食べてみた感想をお届けします。
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サラクを実際食べてみると、最初に思ったのが「うわ!めっちゃフルーティー!!」でした。
しかも何かの果物に味がけっこう似ていると思って考えていたのですが、枇杷に食感と味わいが似てることに気付いたんです。でもスネークフルーツは枇杷よりもっとトロピカルでジューシーな感じでした。「リンゴに似ている」って色んなサイトに書いてあったのですが、全然リンゴ感がなかったので、品種によってけっこう味わいが異なりそうです。
酸味が70%、甘みが30%くらいなイメージで、酸っぱいミックスジュースが固形化したかのようでした。
果肉片の表面は薄----い皮でコーティングされてて、そこをなめても全然味がしません。でも、噛んだらスネークフルーツの味がよく分かりました。そこまで果汁が多いわけではありません。
また、けっこう大き目の種がひとつひとつの果肉片に入っているので、実際に食べられる部分はそこまで多くないように思えました。
結局、一度に6つぐらい食べたらもう満足してしまって、あとは同僚の方などにお裾分けしました。
同僚の方の意見では、「あ、こんな甘味料あるよね。中国のマッサージ屋さんに置いてあるお菓子の味に似ている。」と言っていました。(中国のマッサージ屋に行ったことがないw)
「スムージーに混ぜたら美味しそう。フレーバーとしてアクセントになる」との意見もいただきましたよ。
たしかにかなり爽快なトロピカルさっぷりなので、加工食品にも向いているかもと思い調べてみると、いくつかありました(インドネシアの言葉で読めないのですが・・・)↓
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砂糖煮やタマリンド(すごく甘酸っぱい)の代わりに調味料にもなっているそうですよ( ◠‿◠ )
最後に:スネークフルーツ(サラク)は一度トライする価値あり!
いかがでしたか?
個人的になんでもかんでも見た目で判断したらダメだなーと思いました。見た目の不味そうな感じとあのフルーティーさがまったく釣り合ってないんですよね(笑)
でもスネークフルーツはやっぱり少し癖の強いトロピカル感があるので、苦手な人は少し苦手な味かもしれません。でもそれも食べてみないと分からないことですからね!
ぜひスネークフルーツが手に入る機会があれば、購入してみてください( ◠‿◠ )♪
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