みょうが(知識まとめ)
2016/05/09
(写真は花みょうが)
品名
みょうが
Japanese Ginger
植物学上の分類
ショウガ科ショウガ属
歴史
日本原産(または、東アジア、中国原産という表記もみられる)。
一般に出回っているのはつぼみの部分(ミョウガの子ともいう)。
現在中国ではほとんど栽培されていないので、日本特有の野菜といってもよい。
歴史は古く、3世紀にかかれた「魏志倭人伝」にも記載されている。
物忘れの激しいお坊さんの名前が茗荷の名前の由来だとか。(物忘れに効く根拠はない)
品種
地方ごとに在来種が土着しているそう。
みょうがの開花前の若い花序(花穂)。
・みょうが竹
みょうがの若い茎の部分をもみ殻に埋めるなどして、日光に当てないように栽培したもの。旬は春。
太すぎるものは筋っぽい。ほんの少し日にあてて赤みを帯びさせている。細長い形をしている。
夏に花をつけるので夏みょうがという。収穫は早いが、小さく収量も少ない。
・中生、晩生種
収穫は遅いが、大きく収量も多い。
花ミョウガには早生種を使い、ミョウガタケには中・晩生種を使用することが多いそう。
産地
主産地は高知。その他、秋田、群馬、山形など。
日本では本州から沖縄まで広い範囲で自然に生えている。
時期
旬は6-10月。露地ものの最盛期は8-9月。高知県産は周年出回っている。
夏みょうがは6-7月、秋みょうがは8-10月に出回る。
ミョウガタケは11ー3月、3-5月に出回るものがある。
見分け方
花みょうが
小さめでふっくらと丸みがあり(=ずんぐりした形)、ツヤがあるもの。
さわやかな香りがあるもの。紅色がきれいなもの。
実が硬くぎっしり詰まっているもの。
フカフカなもの、花が出ているものは鮮度が悪い。大きすぎるものは堅い。
ミョウガタケ
茎が白くて葉先が淡い赤色のものを選ぶ。
茎が茶褐色や緑になったものは、成長しすぎている。
栄養
香り成分「アルファピネン」などの精油が大脳皮質を適度に刺激し、ストレスを緩和し、眠気を覚ます効果がある。新陳代謝を活発にする働きがある。
からだのだるさを取ってくれる。食欲増進にもつながる。熱冷ましの効果がある。
アルファピネンは揮発性なので、生食のほうが薬効が高い。
血行を良くして発汗を促しからだを温めるので、冷え性や月経痛や不順に悩む女性の味方といえる
不眠症にも効くといわれる
カリウムが100g中210mg、食物繊維が100g中2.1g、他にカルシウム、ビタミンB1など。比較的栄養分は少ない野菜である。
料理
花みょうが
あくがあるので、切ったら水にさらす。長時間さらすと香りが逃げる。
薄切りにして麺類の薬味として。刺身のつま、天ぷら、サラダ、卵とじにも。
青じそと一緒に酢飯に混ぜ合わせると、夏にぴったりのさっぱりみょうがご飯に。
味噌漬け、塩漬け、甘酢漬け、煮物、味噌汁の具にも。
縦方向いに刻み、削り節としょう油をかけて生食でも美味しい。
他に丸ごと焼いて味噌で、らっきょう酢につけてもよい。
ミョウガタケ
針のように細かく切り、水に放しシャキッとさせ、刺身のけんに。
保存
湿らせた新聞紙に包み、冷蔵庫へ。丸ごとなら冷凍もできる。
甘酢漬けやピクルスにすれば日持ちする。
ポイント
・シャキシャキッとした食感と辛味、香りで食欲増進に。夏に積極的に摂りたい野菜
・ほのかな香りと独特の苦味で夏ばて防止に最適
・手軽に調理できるのが魅力。日本料理に欠かせない。
その他情報
・薬用効果がある。血行をよくして、からだを温める効果があるので入浴剤として使用すると良い。(粗く刻み陰干ししたものを使用する)疲労回復に効果がある。
・肩こり解消に役立つので、患部に貼ると効果的。
・江戸時代の名家の家紋によく見るみょうが。これは知らないうちに受ける神仏の
加護、冥加(みょうが)に通じて、縁起を担いだものとされる。
exa.「一つ花茗荷」「抱茗荷」
・自生種もあるが、 店頭に並ぶのは栽培種である。
・ウド、ジネンジョ、セリ、ふき、三つ葉、ワサビなどとともに、数少ない日本原産の
野菜のひとつである。
・日照にあまり左右されず栽培できる
・「みょうがを食べると物忘れをする」と言われる。落語のねたにもなっている。迷信。
Hiroのメモ書き
先日、初見80歳過ぎぐらいのお客様(おばあちゃん)から、
「みょうがってどう食べるの?」と聞かれて、調べてみた。
そういえば、薬味として使うぐらいしか記憶になかったです。
結果、栄養素的には突出したものはないものの、香り成分であるアルファピネンの存在がみょうがらしさにつながっているのだと思いました。
アルファピネンは揮発性なので、生食のほうが薬効が高い、ということは覚えておきたいです。
疲労回復や食欲増進など、やはり夏にぴったりな野菜だと思った。
また、お風呂に入れたり患部に直接付けたりすることで薬用効果があるのもおもしろいと思った。
安く手に入ったときは、ぜひ試してみたいと思う。
岡山で入荷するミョウガは高知県産のものしか見たことがないです。
紅色でぷくっと膨らんだ小ぶりでかわいいその姿は、芸術だと思います。