原産地は?味は?珍果物ワンピ(黄皮)を実際に食べてみたまとめ
2022/11/06
皆さん、上の果物を見たことがありますか?
野菜ソムリエHiroはつい先日まで、この果物を全く知らなかったのですが、その名も「ワンピ」と言います。
今回は、このワンピを実際に購入!たっぷり調べてみたので、その内容を皆さんにお伝えします。実際に食べてみた感想もお伝えします~!
この記事の目次
レア果物ワンピ(黄皮)をカナダのスーパーで発見!
2019年7月下旬、アジアの野菜果物を多く扱うバンクーバーのスーパー Foody World に行ってきました。(カナダなのに、いつ行ってもお店の中がアジア人ばかりのところですw)
そこでたまたま見つけた果物が、黄色の皮と書いて「黄皮」でした。
ネットで和名を調べると「ワンピ」と呼ばれていることが判明!プライスカードに書かれていた Longsat はランサという別の果物で、ワンピの英名は「wampi」または「wampee」でした(汗)
初めて見たときは、「これ、いつもよく見かける龍目(ロンガンorリュウガン)かな?(小さいライチみたいな印象)」と思ったのですが、ロンガンはまるまるとしたカタチ。逆に黄皮はどんぐりみたいなカタチをしているので、見分けがつきました。
緑々しい枝付きで販売されていて、値段カードには中国から空輸便と記載。
1kgで $ 19.45 ということでけっこうお高めな印象でしたが、初めて見る果物に大興奮だった野菜ソムリエHiro。そりゃもう速攻で購入しました。(上のパック1つでたしか8ドル前後でした)
原産地は?栄養価は?ワンピ(黄皮)について調べてみた
ここからはワンピについて調べてみたことをまとめてお伝えします。
ワンピは中国南部原産。(東南アジアともいわれています)ミカン科でワンピ属の果物で、原産地などの熱帯・亜熱帯地域で栽培されています。
上の写真から分かる通り、小さなたまご型の果実は黄色(正確にいえば茶褐色)の果皮に覆われています。だから名前が黄皮なんですね~。果肉はライチとかロンガンをイメージしてもらえると分かりやすいかもしれません。白いような透明なような、ぶどうみたいな見た目の果肉です。
中国の果物ワンピ(黄皮)を食す!見た目からは到底想像できないがめちゃ美味い❗️亜熱帯地域かつ夏限定の珍味だそうね。 pic.twitter.com/j9e4gWwPnz
— オオイデ (@HeTaReISM) July 10, 2019
中国やベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシアなどでは人気で、夏の間だけ出回っています。夏が旬の果物なんですね~。
また、先に挙げた国よりは人気が劣りますが、インド、スリランカ、そしてオーストラリアのクイーンズランド、アメリカのフロリダやハワイでも栽培されているようです。香港の新界(しんかい)でも栽培されていますよ。
★フロリダ:7月、8月に熟す
★東南アジア:6月~10月に熟す
★オーストラリアのクイーンズランド:11月、12月に熟す
通常は種が1~5個ぐらい(多いw)入っているのですが、種無しのワンピもあるようで、種無しのものは果実が大きくジューシーさも通常の品種より感じられるとのことです。(食べてみたい・・・)
そう、実はワンピ、他の果物と同じく品種が色々とあるんですね~。
Purdue Universityのウェブサイトには、1936年に翻訳および出版された中国の本に書いてあったといわれる7つの品種が紹介されていたので、日本語の意訳とともに引用させていただきました。
‘Niu Shen’ (“cow’s kidney”)–sour in flavor;
“牛の腎臓” – 甘酸っぱい‘Yuan Chung’ (“globular variety”)–sweet-subacid;
“球状の品種” – 甘酸っぱい‘Yeh Sheng’ (“wild growing”)–sour;
“野生育ち” – 酸っぱい‘Suan Tsao’ (“sour jujube”)–is very sour, of poor quality;
“酸っぱいなつめ” – めっちゃ酸っぱい、品質悪い‘Hsiao Chi Hsien’ (“small chicken heart”)–sweet subacid;
“小さい鶏の心臓” – 甘酸っぱい‘Chi Hsin’ (“chicken heart”)–sweet; “best flavor of all”;
“鶏の心臓” – 甘い “すべての中で最高の味わい”‘Kua Pan’ (“melon section”)–sweet-subacid.
“メロンセクション” – 甘酸っぱい
ということで、Chicken heartと呼ばれる品種が一番品質が良さそうですが、かなり昔の本の内容なので、今はもっとハイクオリティのワンピがあるのかもしれません。知っている方がもしいたら、ご一報を。
昔は8種類くらいあったけど、今は数種類しか商業的に栽培されていないと書いてある英語サイト(gardeningknowhow.com)もあったりしました。ちょっと悲しいですね。
また、基本的にワンピは生で食べるのですが、ジャムやパイに使っても良いとのことでした。
さらに、ワンピの栄養価はビタミンCがかなり豊富でfruitsinfo.com によると、可食部100g中にビタミンCが 148mg も含まれていました。カリウムも可食部100g中に281mgと豊富!
「やばい、こりゃ酸っぱいやつだ・・・(冷や汗)」と思いながら、いよいよワンピを実食です。ドキドキワクワク
実際にワンピ(黄皮)を食べてみた感想
ということで、ワンピを食べてみました~!
まず外果皮について。果皮はつやつやではなくて、指でなでるとちょっとざらついた感じ。この時点でなんか香りがするんですね~。なんでしょう、漢方薬みたいな。「あ~、こりゃ中国から来たのが分かるわ~」みたいな感じでした(?)
また、ペロリと皮が簡単に剥けるかと思ったのですが、けっこう中の果肉に皮が張り付いていて、ライチより皮を剥くのがちょっとだけ大変でした。中には半透明の白い果肉がこんにちは!ぶどうみたいなぷるっとした感じでした。
結論から申し上げると、ワンピ、かなり酸っぱ甘い果物でした。
なんでしょう、ライチの果肉をレモン汁に1時間浸したようなイメージでした(´⊙ω⊙`)!
中国南部で採れる果物、黄皮を沢山頂いた。食べやすく甘酸っぱさと苦さが混ざってて好みの味。ブドウみたいに簡単に食べられるので完食してしまった! pic.twitter.com/eVe91iKxlx
— lino (@chanrinosan) August 12, 2018
また、食べたときに「この口に広がるほろ苦いような香り、一体何だっけな~。どこかで絶対味わったことがあるんだけどな~」とずっと頭を悩ましていたのですが、同僚の人に食べてもらったところ判明しました。
柚子(ゆず)なんです。ワンピを食べたら、口の中が柚子みたいな香りがするんです。これが一番驚きました!
ワンピのもう一つ驚いたことは、こちらの大きな美しい種。タマムシ色とでもいうんでしょうか。
この種が小さな果実に1個、2個、ときには3個も入ってました~。(種無しワンピを売場で見かけたこともあります)
ちなみに、職場で別の人にも試してもらったのですが、「すっぱっっっっ!!!!!!!!!!」って言ってました(笑)
酸っぱいのが苦手な人は、ワンピも苦手かもしれません。参考までに・・・w
カナダのスーパーで久しぶりにワンピ(Wampee)を見つけましたよ。今の時期にしか見ない果物で、以前食べた時はユズみたいな風味がありました。個人的に種の色が好きですが、たまに種無し版も見ます。以前も聞いたことがあるのですが、たしか日本ではほぼ手に入らない果物ではなかったかと思います…?! pic.twitter.com/UU2Wozt5em
— 野菜ソムリエHiro🇨🇦🌈 (@hiro_vegetable) July 23, 2022
最後に:アジア原産のレア果物ワンピは一度トライする価値あり!
ということで、不思議な珍果物ワンピを紹介してきましたが、いかがでしたか?一度は食べてみたくなりましたか?
TwitterなどのSNSで「ワンピ」と検索しても、服のワンピースか漫画のワンピースばかりがヒットして、果物のワンピはほとんど出てこなかったので、日本ではまだまだ知られていない果物であるというのが、個人的な印象です。
決して、「うわ!ワンピ最高!絶対食べた方がいい!」っていう感じではないのですが(笑)、今後もしワンピを見かけることがあれば、ぜひ一度試してみて欲しいと思っています( ◠‿◠ )すごく面白い果物ですよ~!