野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

ハワイのカカオ農園ツアーに参加して分かったこと7!21 Degree Estate Cacao Farm

   

既に他にも記事にもしているのですが、2022年3月末から4月初旬にかけて会社の方にお誘いいただいてハワイ・オアフ島へ旅行してきました。

そして、ハワイ旅行にあたって野菜ソムリエHiroは必ず見てみたいものがありました。それがこちら↓

そう、チョコレートの元になっているカカオ(Cacao)です!

今回は、ハワイ・オアフ島カハルウ(Kahalu’u)にあるカカオ農園「21 Degree Estate Cacao Farm」のツアーに参加して分かったカカオやチョコレートのこと、そしてツアーの内容について紹介したいと思います。

皆さんがこの記事を読んで、ハワイ旅行する際にぜひカカオ農園のツアーが候補に上がるようになると嬉しいです。個人的にツアー内容は10点満点中10点です!

 

最初に:ハワイ・オアフ島カハルウにあるカカオ農園「21 Degree Estate Cacao Farm」について

2022年3月29日、ハワイ・オアフ島ホノルルの北、カハルウにある 21 Degree Estate Cacao Farm(21ディグリー・エステイト・カカオ・ファーム) を訪れました。

カハルウは豊かで肥沃な土地であることから、「オアフの穀倉地帯」としてネイティブ・ハワイアンに知られていたエリアとのこと。ただ、今の時代では地元の人たちでも知らない人が多い地域らしいです。

21 Degree Estate Cacao Farmは家族経営のカカオ農園。アメリカで最も魅力的なカカオ農園を目指しているということで、オアフ島の緯度にちなんで 21ディグリー(21度)と名付けられています。

c28

農園のオーナーはマイケルさん(写真左)マリアさん(写真右)。マイケルさんは元々海軍の飛行士として 22年間勤務した経験を持ち、奥さんのマリアさんも空軍に務めていたそうです。

二人は結婚後、子ども達を成長させることができる美しく特別な場所、そして新しい創造的な仕事ができる場所を探し、現在の農園がある場所を見つけました。その約1年後の2014年9月にカカオ農園をスタート。(始める前はジャングルみたいな環境でカカオ農園でも無くて、二人ともカカオを育てるのが初めて)

カカオを育てることを決めた理由は、当時ハワイで急成長していた農産業だったこと(1990年ぐらいからハワイでカカオに注目されてカカオ栽培が始まったそうです)、そして二人とも何よりチョコレートが大好きだったからとのこと!なんだか素敵な話ですよね。

ちなみにハワイはアメリカで商業的にカカオを栽培している唯一の州とおっしゃっていました。

 

カカオ農園のファームツアーってどんな内容なの?

c70

21 Degree Estate Cacao Farmでは、週に2~3回約2時間のファームツアーも行われていて、オンラインで予約が可能となっています。

野菜ソムリエHiroもハワイに行くのなら、絶対カカオ農園を見てみたいと思っていたので、ホノルルからもさほど離れていない(旅行者にとっては嬉しいメリットではないでしょうか?) 21 Degree Estate Cacao Farmのファームツアー情報を見つけたときは、かなりテンションが上がりました。

c69

オーナー夫婦のマイケルさんとマリアさんによるツアーでは、カカオ農園の中を見学したり、チョコレートの作り方を聞いたり、農園で採れたカカオを使ったチョコレートのテイスティングもあります。

また、カカオだけでなく農園で採れたハチミツの試食も!料金は以下のようになっていました。(2022年9月時点の価格です)

大人(19歳以上)60アメリカドル
ティーン(13~18歳)38ドル
子ども(3~12歳)18ドル
幼児(2歳以下)無料

個人的に、ハワイ旅行前に色々と現地のことを調べていたとき、21 Degree Estate Cacao Farmを見つけて真っ先にツアーを予約したわけですが、参加人数が10人以下だと催行されないと聞いていたので、コロナ禍ということもあり正直不安でした。

しかし!催行日の数日前に無事にツアーが催行される知らせをメールで受けました!ここからは、そのファームツアーが一体どんなものだったのかを紹介したいと思います。

 

ファームツアーの内容とカカオについて分かったこと

ここからは、実際にカカオ農園を訪れてツアーに参加したことで分かったこと、そしてツアー内容の一部をお届けしたいと思います。

ここに書いてあることが全てでは無いので、ぜひ皆さんにもツアーに参加してみてもらえたら嬉しいです!

1. ツアー開始前:カカオは幹からもニョキっと生える

c1

朝10時半から始まるツアー、野菜ソムリエHiroは会社の方に車で農園まで連れて行ってもらったのですが、ちょうど雨がざぁざぁ降っていて不安なスタート。

しかも早すぎたのか、農園に一番乗りでした。

c19

誰もいなかったので、農園の家らしきところで雨宿りを少ししていたのですが、そこにあったのが干されたカカオの種でした。乾燥すると、こんなに茶色になるんですね~。(※上の写真はツアー中に撮ったもの)

すると次第に雨が止んできて、オーナーのマイケルさんが最初にやってきました。気さくに声をかけてくださって、マイケルさんの顔含め、農園で写真や動画を撮ることに快く承諾してくださいました。(ありがとうございます!)

ツアーが始まる前に農園の周りを少し観察させてもらうことにしました。ぶらぶらしていると、、

IMG_5221

なんとそこら中にカカオの木がありました!!(カカオ農園なので当たり前なのですが大興奮)上の写真が野菜ソムリエHiroが生まれて初めて出会ったカカオの木です!

そう、カカオって枝の端とかじゃなくて木の幹or大きな枝からニョキっと実が生えるんですね~。不思議~。

h1

カカオの木と記念を撮っていると、ツアー準備中のマイケルさんが「これ熟してるから、手に持って写真を撮ってみる?」と見事な色合いの黄色のカカオを手渡してくれました~!優しい!

見事なカカオに浮かれまくっていたのですが、次第にツアー参加者が集まってきて、小さな子どもたちは農園にいた動物とさっそく戯れていましたよ。(家族みんなで楽しめるツアーです)

c24

c20

素晴らしい景色と可愛い動物たち、そしてカカオの木。いよいよツアースタートです♪

2. イントロ~蜂の巣見学:カカオは1年の中で10カ月くらいは収穫期で、2~3週間ごとに収穫

cc2

いよいよツアー開始。まずは小屋の前でマイケルさんとマリアさんのお話を聞きました。

前述しましたが、野菜ソムリエHiroが農園を訪れたときは雨がザーザー降りだったのですが、このときにはむしむしとしていたものの、見事に晴れていました。マイケルさんによると、この日は雨⇒30分晴れて⇒雨みたいな感じが既に10回はあったそうです。

カカオは高温多湿の環境で育つと聞いていたので、きっと最適な環境なんだと思いました。マイケルさんも、ワインと同じでカカオも育てる場所で味が変わるので、場所選びは非常に大事と言っていたので、この1日の中で晴れと雨を繰り返す天候もカカオにとって恵みなんですね~。

c25

また、多くの果物は1年の中で収穫時期は1回だけのものが一般的かもしれませんが、カカオはそうではなく、21 Degree Estate Cacao Farmでは1年の中で10カ月ほどは収穫できると言っていました。なんと、2~3週間ごとに収穫しているそうです。

1本の木でもバラバラに熟すため、長い期間収獲できる果物となっているんですね。話を聞いてかなり驚きました~。

c29

その後、農園にある蜂の巣(↑の写真の箱です。300,000匹が暮らしているそう!)とハチミツについての紹介もありました。

ハワイは気候的に花がたくさんあるから、蜂がはちみつをつくる能力がアメリカで一番高いそうです。21 Degree Estate Cacao Farmで採れたはちみつは地名にちなんでカハルウ・ゴールドと名付けられ、受賞歴もあるとのことでした。

c31

 

3. カヌー・プランツ見学:ハワイで知られるカヌー・プランツ(Canoe Plants)って何?

c42

c41

蜂の巣を見学した後は、1959年にハワイ州の木に指定されたククイの木も見せてもらいました。ククイの実は英語でキャンドルナッツ(Candlenuts)というそうで、ナッツの油が燃えることが由来しているそうです。

ちなみにハワイ州の木に指定されているものの、原産地は東南アジア。こういった元々ハワイに存在していたものではないものの、外からもたらされてハワイに根付いた一部の植物を「カヌー・プランツ(Canoe Plants)」と言うそうです。

ハワイ州観光局のページを見ると、カヌー・プランツは外来種ながらハワイでの暮らしに有用なものとされ、一般的な外来植物とは別に考えられているとのことでした。

c37

c38

c39

また、地面を掘りだしたマイケルさん。何かと思えば、ショウガ科の「ウコン(英名はターメリック)」でした。日本では、ウコンの力というドリンクでもよく知られていますよね。

インドが原産といわれるウコンですが、マイケルさんによるとウコンもカヌープランツの一種とのことでした。

 

4.カカオの木見学:カカオの殻の色で味が異なることは無い

c44

その後、ついにカカオの木々の前でカカオについての説明がありました。

まず、カカオの花がどうやって受粉させているのかというと、ミッジという非常に小さな虫がやってくれるそうです。National Park Serviceの「Pollinators – Chocolate midge」というページには、「ミッジがいなければ、チョコレートは存在しません!」と書かれているくらいなので、カカオ農園にとって必要不可欠な存在のようです。

この 21 Degree Estate Cacao Farm には2022年3月末時点で約680本のカカオの木があるそうで、本来カカオの木は50 フィート(約15m)まで成長するとのことでしたが、人間の手で収穫する必要があるので、大きくならないように剪定していると言っていました。

c48

収獲期は9月~6月頃の間で、2~3週間に一度収獲が行われます。収獲日は毎回、1本1本の木をチェックして熟しているものを収穫するので、なかなか大変。今はボランティアの方にも手伝ってもらっているそうです。(今回のツアーの2日前は1,000個ぐらい熟したカカオが木に実っていたとのことで、素晴らしい光景を逃したかと思うとちょっと悔しかったです泣)

しかし、なぜこんなに収穫が頻繁なのかというと、カカオの収穫に適する期間がとても狭いためで、収穫が早くても遅くても廃棄につながってしまうそうです。(若すぎる果実は 中の果肉が形成されていないそう)

c2

また、熟しているかどうかの判断は「色」です。ハイブリッド種がこちらの農園では育てられているとのことで、マイケルさんによると以下のような色で見分けることができるそうです。

「色で味が違うの?」と質問すると、「色によって味が異なるとは思いません。すごく似た味です。」との返答もありました。

未熟 熟したときの色
緑⇒
赤⇒ オレンジ
深い紫⇒

ちなみに、2つのカカオポッドでようやく1つのチョコレートバーができるくらいの量になります。チョコレートづくりの際も、カカオポッドの色で分けたりはせず、混ぜるそうです。収獲の際は、茎を鋭利なポケットナイフで切っているとのことでした。

c11(しっかり熟したカカオ。重量感もあります。小さなカカオポッドが約8カ月で大きくなるそう)

 

5. カカオパルプのテイスティング:酸味の強いマンゴスチンっぽい味

c18

最後に小屋の近くにあるスペースで、チョコレートテイスティングが行われました。ご存知の方も多いかと思いますが、チョコレートづくりの最初の工程はカカオポッドからカカオパルプに包まれたカカオ豆を取り出し、発酵(フラメンテーション)させます。

発酵がうまくいくと、カカオ豆が上の写真のような茶色になりますが、マイケルさんによると、発酵は温度が非常に大事とのことでした。

発酵したものは次に乾燥させる必要があるのですが、湿度が5%以下の環境だと、貯蔵中にカビが生えるのを防ぐことができるそうです。(太陽、風、低湿度など条件が揃う日があれば5日で乾燥させることも可能とのこと)

c33

チョコレートの作り方の簡単な説明があった後は、マイケルさんが参加者の前でカカオ・カット。

c50

カカオの殻は結構硬いのですが、ナイフでカットできるレベルです。かぼちゃぐらいの硬度をイメージしてみると分かりやすいかもしれません。

c52

半分の殻を取ると、この通り!

c55

白い果肉が顔を出しました。この白い果肉、いわゆるカカオパルプと呼ばれるもので、食べられるんですね~。そして実際カットして出てきた果肉が試食用に配られました。

c59

マリアさんは、「サワーソップという果物に似た感じ」と言っていましたが、個人的には酸味がより効いたマンゴスチンに似ているかと思いました!ちなみに種は果肉はから取れづらい感じです。

c62

ちょっと汚い写真になってしまうかもしれないのですが、こちらがカカオの種です。(種を噛んでカカオっぽさを確かめたので、砕かれた状態)皆さん、カカオの種は紫っぽい色合いって知ってましたか?これを発酵・乾燥させると茶色になるんですね~。

チョコレートでよく嗅ぐカカオの香りっぽさも種を噛むとびみょ~に分かりましたが、やはりチョコレートの風味を生み出すには、最初に発酵が必要不可欠のようでした。

 

6. 質問:カカオハスク(カカオの殻)って何かに有効活用できる?

c7

ここで、「カカオの殻ってキレイだけど、何かに使えたりするの?」という質問が出ました。

マリアさんによると、果肉を取り出した空の殻は、農園でマルチ(地温の調節などのために土壌の表面を覆う資材)代わりとして利用していたりもしているそうです。

そもそもカカオの殻はカットしたあと24時間くらい経つとかなり茶色っぽくなってしまうそうです。植物のプランター or キャンドルの容器などに使うには完璧に乾燥させないといけないとのことでした。

ちなみに、コンブチャメーカーやビールメーカーがカカオを使ったドリンクをつくってたりするらしく、日本のジンメーカーもカカオの殻を使ったお酒を開発したりしていると聞いて、驚きました。

そんな話を聞いたので調べてみると、エシカル・スピリッツというジンメーカーが販売している『CACAO ÉTHIQUE』に辿り着きました。カカオの殻は香気成分を取り出す蒸留との相性が非常に良いとのことですよ。

c8

 

7. チョコレートテイスティング:一般的なチョコレートのお菓子は、カカオ含有量3~5%などのものも多い

c61

最後に行われたのは、待ちに待ったチョコレートテイスティング!

マリアさんから色々とチョコレートの説明があったのですが、野菜ソムリエHiroはチョコレートについてあまり詳しくなかったので、「ほぇ~」と頷く回数が多かった気がします。例えば、以下のこと!

  • ダークチョコレートは一般的にカカオ70% or 70%以上
  • 21 Degree Estate でつくっているチョコレートは、すべてカカオ含有量が70% or 70%以上
  • 一般的なチョコレートのお菓子で、安いものなんかはカカオの含有量が平均3~5%といわれているそう。つまり、スーパーフードとして知られるカカオの健康効果はほとんど期待できないとのこと
  • 一つの場所で栽培されたカカオを使ったチョコレートは「Single Origin」的なことが商品のパッケージに書いてあることが多いはず。逆に一般的かつ安いチョコレートは、色んな場所から集められたカカオが使われているはず
  • 例えば 2022年秋 / 2022年冬 など、区切りをつけてまとめて加工しているそう。その理由は、季節によって味も異なっているから

c65

そして、チョコレートテイスティングがあったのですが、合計6種類+カカオニブ(カカオの種を細かく砕いたもの。砂糖も何も入ってないので苦いのですが、栄養価が高い健康食品として知られています)をいただきました。

テイスティングの感想は皆さんにもファームツアーに参加して欲しいのであえて詳しく書かないのですが、どれもはっきりとした味の違いがあり、驚きました!こんなに風味が濃いのかと感動しましたよ~。(もう普通のチョコレートに戻れない・・・)

まとめ:21 Degree Estate Cacao Farmのファームツアーが楽しすぎたので、ハワイに行ったらマスト

c47

ということで、いかがでしたか?カカオツアーに参加してみたくなりましたか?ツアーが終わってから、農園でチョコレートをお土産用に購入させていただきました。あと、アイスキャンディー(ストロベリーグァバとハイビスカス&リリコイ)も購入したのですが、これがまた濃厚な味わいで最高でした!

c67

c68(写真右2つが農園オリジナルのチョコレートです!)

c72

また、カカオポッドが欲しかったので、お願いすると「いいよ~!」と売ってくれました!嬉しすぎる~!

c71

今回記事に記したこと以外にも学んだことが実はたくさんあります!なので、皆さんもハワイに行く機会があれば、ぜひ21 Degree Estate Cacao Farmのファームツアーに参加して欲しいな、と思います。(※英語オンリーになります)

最後になりますが、ハワイ旅行関連の記事もいくつかあるので、ぜひ他の記事も見てくださいね~!

21 Degree Estate Cacao Farm
住所:47-546 D, Mapele Pl, Kaneohe, HI 96744 アメリカ合衆国
TEL:(808) 778-0308
Emai:info@21degreesestate.com

【公式サイト】【Facebook】【Instagram】

 

明治 チョコレート効果カカオ95%大容量ボックス 800g


明治 ザ・チョコレートベネズエラカカオ55 50g ×10個


明治 チョコレート効果カカオ86%大袋 210g

 - カカオ, ファーム / ファーマーズマーケット