野菜ソムリエ Hiro のベジフルポケット

【保存版】バナナ+マンゴー?幻の果物ポポー(Pawpaw)を食べてみた感想+歴史・栄養・見分け方

      2020/08/29

以前記事で取り上げた果物「ポポー(Paw Paw)」をみなさん、覚えているでしょうか?

下の写真のような、なんだか可愛い見た目をした果物です。

p7(実際に以前収獲させてもらったポポー)

今回は、実際にカナダ・バンクーバーで手に入れたポポーを食べてみたので、そのときの感想をお届け!

また、せっかくなので、ポポーの歴史や栄養価などについても併せてご紹介します。この記事を読めば、ポポー博士になれること間違いなしです。(言い過ぎ)

 

まず最初にポポー(Paw Paw)の歴史や見分け方、特徴について

ポポーは北アメリカ南部が原産といわれているバンレイシ科の果物です。

h14(カナダにある農園で見せてもらったポポーの木です)

アメリカの東では広域に野生のポポーがありますが、栽培が始まったのは20世紀の初頭。商業的に約40種類のポポーが栽培されているといわれています。

つまり、ポポーの品種は一つじゃないんですよね。9月頃に熟す早生のものから、10月以降の晩生のものまであって、果肉の色も白、黄色、橙のように変わります。

日本には明治30年頃と第2次世界大戦後にたくさん導入されていて、食用というより観賞用として親しまれたようです。また、昭和の初め頃にはその珍しさからブームになったといわれています。(当時を知る人がいればお話を一度聞いてみたい!)

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上の写真を見て分かる通り、こんな感じに実ります。(語彙力がないため、形容できない汗 いくつかの果実が外側を向いて結実する感じ)

ちなみに、生育途中のポポーはイチジクみたいなカタチをしていました。んー、かわいい。(写真下↓)

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よく見ると、ポポーの果実は日本で秋に実る「あけび」によく似ていますよね。また、ポポーの種が「柿の種」に似ていることから「アケビガキ」なんて呼ばれています。

また、英名は Pawpawの他に「Indiana banana」という名前もあります。これは、アメリカのインディアナ州で栽培される短太のバナナに似ているからといわれていますよ。

ちなみに、北米ではパパイアというと、ポポーを指すこともあるみたいですよ。(野菜ソムリエHiroが知るカナダ人の友人は誰もポポーを知らなかったのですが苦笑)

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ポポーのだいたい長さは10cm~15cmくらいで、果皮が緑っぽい色なのですが、収獲時期の秋になると少し熟してきたサインで、黄色っぽくなります。(過熟レベルだと褐色になります。保存方法は室温の冷暗所がいいと思います。)

果肉はクリーム状で、サラダ、ジュース、アイスクリーム、ピューレ、ジャムや果実酒、スムージーにも利用されています。

農園でのポポー収穫の様子は、動画でもまとめているので、良かったらチェックしてみてください。

前置きが長くなりましたが、過去のブームも去り、現在では日本で少量しか出回っていない(だいたい庭先に植えられている感じ)ため、「幻の果物」、そしてその食味から「森のカスタードクリーム」と呼ばれているポポー。(別名多い笑)

そんなこと言われたら一度は食べてみたくなりませんか?なりますよね!
ということで、ここで実際にポポーを食べてみた感想をお届けします。

 

本当にカスタードクリームみたいな食感なの?実際にポポー(Pawpaw)を食べてみた

h9

まず最初に「収穫直後の緑っぽい、固いやつ食べたらどうなるんだろう?」と思い、果皮が緑色のポポーにナイフを入れてみたのですが、いや、けっこう固くて切れなかったです(笑)

ということで、バナナみたいにけっこう斑点が出て果皮がかなり黄色くなっているもので、トロピカルっぽい香りを放っていたポポーを切ってみました。中身がこちら。

p14

なんだかマンゴーの果肉のような色合い。そして確かに柿のタネのようなカタチのタネが入っていました。ガッテン。

ポポーをどのように食べるかというと、下の写真のようにキウイみたいにスプーンで果肉をすくって食べるんです。

ちゃんと熟していると、ペロリと果肉をすくうことができます。

pa

気になるお味はというと、まず秋なのに、口の中に広がる香りの南国感がすごかったです。強いていえば、パッションフルーツのあの強い香りぐらいパンチが効いていました。

また、繊維があって、食感は少しじゃりじゃりした感じでした。(あれ・・・?か・・・カスタードクリーム?)マッシュしたバナナにトロピカルな香りを加えたらポポーみたいな味になると思いました(笑)

ちなみに、ポポーの味は「マンゴー×バナナ」とよく表現されるのですが、個人的にマンゴー20:バナナ80みたいな感じでした。伝わりますかね・・・?

p15(実際に過熟したポポー)

その表現を伏せたまま、上の写真のような果皮が褐色になった過熟したポポーを職場の人に食べてもらったところ、

「わー、これ・・・すごいね。」
「なんだろう・・・。何に似てるんだろう・・・。」
「ねっとり感はバナナ」
「私的にはこの甘さ、柿が一番近いかも!うん、初めて食べる味だけど、けっこう美味しい!」

なんて言っていました。たしかに柿みたい甘さと言われるとそうかも!という感じ。

ちなみに果皮が褐色した過熟のものは、もっとねっとりしているように感じました。ねっとり系が好きな方は、過熟まで待って食べてもいいかもしれません ( ・◡・ )その方が、森のカスタードクリーム感が味わえるかも?

 

最後に:せっかくなので、ポポーの栄養価も調べてみた

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ということで、なんだかすごく貴重な体験ができた気になったのですが、「ポポー食べて何かカラダにいいことあるの?」と思う方もいるかもしれません。

そこで、ポポーの栄養価を調べてみました。

いつも参考にしている文部科学省の食品成分データベースにポポーは登録されていなかったので(まぁレアだからしょうがないのか)、今回は海外の fruitsinfo.com から、 American Pawpaw の栄養価情報の気になる部分を引用させていただきました。(以下可食部100g中の値)

栄養
食物繊維 1.70g
葉酸 37g
ビタミンA 950 IU(※1μg=40IUなので、μgに換算すると23.75μg)
ビタミンC 60.9mg
ビタミンK 2.6 µg
カルシウム 20mg
マグネシウム 21mg

上の表を見ると、ビタミンCが 100g中60.9mgとけっこう豊富に含まれていることが分かります。また、ビタミンAが23.75μgとそこそこ含まれていました。(果物のビタミンA含有量ランキングは以前まとめました)

個人的にそこまで目立った栄養価は無いように感じたので、「あ、この栄養価積極的に摂りたいからポポー食べよ!」とはならないと思います。

ちなみに余談ですが、よく似た果物「あけび」の果肉の栄養を先述の食品成分データベースで調べてみると、可食部100g中にビタミンCが 65mg、ビタミンAは 0μg、葉酸は 30μgでした。(ほんとに余談)

p1

ということで、いかがでしたか?
この記事を通してポポーを少しでも食べてみたくなったという方がいれば幸いです。

個人的に「毎日ポポー食べたい!」とは思わなかったのですが、すごい面白い果物なので、もっと知名度が上がって普通のお店でも手に入るようになればいいなぁと思います。

もっと広まれ~!

 - ポポー